クレーム対応の勘所|誰もが知りたい4つのこと

クレームを増やさない組織対応

クレーム対応は組織対応が基本

逆ギレ禁止~感情的にならないこと!

顧客から「君の態度が気に入らない」と言われたらどうでしょうか? たぶん「うるさい! いいかげんにしてください!」などと、逆ギレしてしまうこともあるかもしれません。

クレームに直面すると感情的になりがちですが、クレームは企業、組織に向けられたものであると考えるべきです。あなたが感情を爆発させると、一層クレームが解決困難なものになってしまいます。

「君の態度が気に入らない」とお客さまに言われても、「お気を悪くされたのであれば誠に申し訳ございません。ただ今改めますので、ご指導ください」と、冷静に対応しましょう。

クレームには「組織」で立ち向かう

他の人がクレーム対応をしていても、「私じゃなくてよかった」と他人事のように思わないようにします。クレームは特定の個人に向けられたものではなく、組織に向けられたものです。あなたも組織の一員として無関係ではありません。

クレームに困っている人がいたら、資料を用意したり、クレームの類例を調べるなど積極的に協力してあげる体制が必要です。クレームを押しつけると、その当事者がクレームを一身に背負い込むことになります。そうすると、精神的に追い込まれ、やる気の減少やモラルダウンを引き起こし、他の業務にも支障が出てしまうこともあります。

現在、「こころ」の問題が深刻化していますが、管理職はもちろん、一般の社員も、クレームがもたらす同僚のメンタル面の影響に十分に配慮しましょう。

クレームは、一定時間対応したら「上司」や「別の担当者」へ

クレームを受けたら、できる範囲の対応は自分で行い、安易に上司や先輩に丸投げやバトンタッチをしないようにしてください。なぜなら、クレーム対応をうまくこなすと、それが自信になり、自分の成長につながっていくからです。組織のクレーム対応能力の向上は、やはり個々人の能力の向上無くしてはあり得ないものなのです。ただし、自分である程度対応しても一向に解決の糸口が見出せない場合は、上司や経験豊富な方に代わるべきです。交代の目安は、会社や仕事内容によっても違いがありますが、20分~30分ほど対応をしてもダメな場合は代わるというように、「時間」を基準とするのが効果的です。

なぜ、一定時間でクレーム対応者が代わるべきなのか?

その理由は、まず第一に業務知識の問題です。経験豊富なベテランが対応した方がお客さまも安心ですし、こちらの時間コストの節約にもなります。

第二に、立場が上の社員に対応者が代わることで、お客さまにクレームをおさめる「理由」が生まれるということもあります。すぐに解決しそうにないクレームでも、「偉い方を引っ張り出して『お詫び』していただくことができた。本当にどうしようもないようだ。しかたがない、あきらめよう」ということで、怒りをおさめていただける可能性もあります。

組織的なクレーム対応体制をつくる

組織的なクレーム対応体制とは?

クレーム対応で目指すべき「ゴール」は、「お客さまの納得」の先にある「クレームの再発防止」です。 そのためには、全社的に、または職場内できちんとしたクレーム対応の体制をつくっておかなければなりません。

以下、組織的なクレーム対応を行う5つのポイントについて見ていきます。

1.業務知識やクレーム対応方法の標準化(一元化)

対応者により返答が異ならないように、業務に関する基本的な事務の流れと知識についてはマニュアルをつくり、社内・職場内で情報を共有するようにしましょう。

よくあるクレームの内容とその対応策を組織で共有できれば、対応に安定感が増し、クレームが発生する可能性が大幅に減少します。

2.社員間の連携の強化

クレームを担当者に引き継ぐ際は、お客さまの用件もあわせて引き継ぎ、担当者不在時に発生したクレームは、事前事後の連絡調整を確実にしましょう。 記録を丁寧にとり、2度・3度同じことを訊くことのないようにしましょう。

3.クレームのバックアップ体制の確立

前回でも話したように、同僚がクレームで困っている場合は、すぐにフォローをしてあげる意識を全員に徹底しましょう。 クレーム対応者を孤立させないようにしましょう。

4.クレーム「カルテ」の作成

個々のクレームはどんなに小さいものでも、

  • 「クレームの内容」
  • 「対応方法」
  • 「経緯」
  • 「結果」(最終的にクレームがいつ、どのように終わったか)

などをまとめて記録し、「カルテ」を作成しましょう。 1件ならそれほど価値がない情報でも、1ヶ月、1年と続けて積み重ねると、自社に特化したクレームのデータベースが完成します。

5.職場内クレーム対策会議の開催

クレームの原因究明と、その対策・回答を全員で考える場を作りましょう。 また、職場内会議は、社内で発生しているクレームの現状を広く知ってもらう場としても有効です。

以降、詳しく述べますが、月1回1時間でも、職場全員が集まる会議を行い、クレームの内容やその対策法などの情報を共有化することが、組織的にクレームに対応する最も取り組みやすい方法の一つです。

対策会議で、クレームを激減させる

なかなかできないクレーム情報の共有

トラブル・クレーム情報は同じ職場でも、なかなか共有されない性質があります。 誰でも、過ぎた苦痛は忘れたいものです。 ましてマニュアルを作るなどというのは一番後回しの仕事になりがちです。

そこで、月1回・1時間のクレーム対策会議の出番です。 これは、クレームだけを議題に話し合うもので、クレーム情報・対応策の共有を目的として実施します。 ここでは、ほかの議題と並行した会議にしないようにする注意が必要です。

自分が対応したクレーム事例発表でクレーム情報・スキルの共有

会議の中では、過去1ヶ月間で自分が対応したクレームについて、その対応策、顛末も含めて、各自発表します。

この会議の目的は、

  • クレーム情報の共有
  • 改善策検討
  • クレーム対応スキルの強化

となります。 手に汗握る「クレーム対応」ですから、参加者のみなさんは発表にかなり熱が入ります。それを聞くことで、どんなマニュアルを読むより、クレーム対応スキルを向上させることができます。

各自、自分のクレームに関しては、記録をしておき、その書面を元に発表します。

クレーム対応ロールプレイングでさらにスキルアップ

場合によっては、会議の中でクレーム対応者とクレームを申し立てる方に分かれて、クレーム対応のロールプレイングを実施してもよいと思います。 実際に弊社の研修においても、このようなロールプレイングを実施しています。

ロールプレイングを行って驚くのは、クレームを言われた方は非常に克明にクレームの「内容」や、クレームを申し立てた方の「言い方」「表情」などを覚えているものです。

そこで、自分が受けたクレーム内容を再現し、別の方が対応の練習を行うのです。 迫真の演技が展開されますから、クレーム対応の一番の練習になることでしょう。

3ヶ月で実感!クレームの減少。1年後にはクレームを1/10に

実際にこの会議を開催し、3ヶ月も経つと、職場のクレーム対応スキルは相当上がってくることでしょう。 さらに、1年も続ければ、クレームの90%は洗い出され、

  • どのクレームの頻度が一番高いか
  • どのクレームが対応するのに難しいか

など、社内のクレームに関する重要な情報が職場のメンバー共通の認識になります。

その結果、クレーム対策も実施され、クレーム対応スキルも向上しますから、結果的にはクレームを大幅(場合によっては1/10)に削減することが可能です。

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