第6回 比較優位で考えるリーダーシップ

著者:インソースマネジメント研究チーム

記事紹介文

今回は、経済学の概念を援用し、リーダーシップについて考えてみたいと思います。

瀬倉研究員がまとめた記事のポイント

1.各自の比較優位を発見し、その強みを十分に発揮させることを積み重ねることで凡庸なメンバーばかりでも、組織としては最強となる可能性がある。

瀬倉研究員がまとめた記事要約
■比較優位とは何か
「比較優位」という言葉を一度は聞かれた方が多いと思います。イギリスの経済学者デビッド・リカードが唱えた国際貿易における有名な概念ですが、ひと言でまとめると、「国内で比較した相対的優位を、さらに国家間で比較した際の相対的優位」ということができます。
■誤用されやすい比較優位
残念ながら、この経済学の基本概念が正しく理解されていないと思われる議論が世間では散見されます。比較優位の原理に従えば、日本のある技術が他国より絶対優位があるものの、比較優位がない場合、その技術に集中し続けると、最終的には国際競争に破れ去るということになります。たとえば、グローバルに展開しているモジュール化の流れを無視し、技術的絶対優位を信じて「ものづくり」に専念していても、残念ながら報われない可能性が高いのです。なぜなら、その技術に他国との比較優位がなければ、最悪の場合、国内ですらニッチマーケットでしか生き残れず、一国を背負えるだけの産業には成長しない可能性があるからです。
■機会費用を考えよ
比較優位の概念は個人のレベルにもあてはまります。企業経営者は、彼のスタッフよりも事務処理能力が高いかも知れません。それでも彼はスタッフに事務処理をさせたほうが得なのです。その理由は、経営者は会社全体のマネジメントや新しいビジネスを創ることに比較優位を持ち、スタッフは事務処理を行うことが絶対優位ではなくとも比較優位があるからです。
比較優位があるということは、機会費用が相手よりも少ないということを意味しています。リーダーが多くの絶対優位を持つことは、ある意味当然のことですから、メンバーの仕事ぶりにどんなに苛立っても、その仕事がメンバーの比較優位であれば、それを奪わず伸ばしてゆく姿勢が重要です。
■強いチームビルディング
ここまで見てきたことで明らかなように、比較優位の概念に基づき、「チームのメンバーそれぞれが自分の得意分野(比較優位)に徹すること」がチーム全体の強化につながります。
このようなチームビルディングを可能とするためには、やはり絶対優位のリーダーがメンバーそれぞれの比較優位を発見し、仕事を任せるということが必要です。一方で、リーダーに絶対優位がほとんどなく、メンバーが自律的に比較優位を発揮せざるを得ない組織もあるでしょう。メンバーが自分の得意分野を伸ばすためにも、メンバーそれぞれの自負に基づいたリーダーシップの発揮が必要です。
各自の比較優位を発見し、その強みを十分に発揮させる。こうしたプロセスの積み重ねにより、凡庸なメンバーばかりでも、組織としては最強となる可能性があります。これが比較優位の本質を組織にあてはめて考えた場合に得られる重要な示唆です。


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