株式会社インソース
代表取締役 舟橋孝之
現場で役に立つプレゼンテーションは、実際には、きれいな立ち方でも、うまいしゃべり方でもありません。
もちろんそれも大事ですけれども、何もアナウンサーになる必要はないのです。そもそもプレゼンテーションの目的は、
「自分の考えを人にきちんと伝えたり、商品を売ったり、人を説得する」ことです。
それがきれいな話し方でなければならない、という必要性はないと思います。
インソースの研修では、きれいに話すことよりも、プレゼンテーションに関して、最低限知っておいてほしい
ポイントをしっかりと押さえていただくことに重点を置いています。
研修では、まずはじめに、これまでに見たプレゼンテーション(ある話題について、
人前で話されたこと〜講演、会議、演説、テレビなど)で、最もつまらなかったものについて、以下の5項目を書いていただきます。
1.プレゼンテーターは誰?(あるいはどんな人?)
2.どんなテーマ・内容?
3.どんな場所
4.どのくらいの時間
5.そう考えるのなぜか?
そしてグループで、自分が書いたものと、他の人が書いたものを比較し、どういったプレゼンテーション
が好ましくないかを議論して、発表していただきます。今までの自分の「プレゼン体験」を整理して
もらうとともに、研修の導入として、自らのプレゼンについて考えていただきます。
意外に感じられるかもしれませんが、プレゼンテーションでまず大切なのは 「一般常識」です。例えば、弱者への配慮とか、コンプライアンス(法令遵守)とか、アカウンタビリティ(説明責任)など、聞き手の立場や気持ちを考えて話すことが重要です。
その次には、やはり業務知識が大切だと思います。話す内容(自分の仕事)についてプロフェッショナルであること、また、自信と責任を持って仕事をこなしていることが、プレゼンテーションにおいては成功の鍵となるでしょう。その他、プレゼンテーションの準備とか、説明する内容、スピード、それから目線、説明するタイミングなどのポイントについても、学習していただきます。
シンプルなことですが、プレゼンテーションでは、相手の方が話を聞いてくれて、楽しんでいただけることが最も重要になります。相手が話を聞いて楽しくなるには、その前提となる3つの要素があると思います。
1つ目が、「人間と人間の触れ合いがあり、険悪ではない状況をつくること」。身出しなみや挨拶もきちんとして、緊張状態や対決状態ではない雰囲気をいかに作るかということです。 これは簡単なことかもしれませんが、だからこそ大前提であると言うことができるでしょう。
2つ目が、「話の内容を相手が理解できること」。専門用語をやみくもに使うのではなく、いかに相手のレベルに合わせて話せるかということも重要です。
そして3つ目が、「話の内容に相手が賛同してくれること」。ただし、いきなり賛同してくれと言っても無理があります。「人と人との触れ合い」「話の理解」というステップがあって、初めて相手が賛同してくれるのです。
インソースのプレゼンテーション研修では、以上のことを踏まえて、「理解」させる⇒「納得」させる⇒相手を「動かす」という流れで相手を説得するプレゼンの手法を体得していただきます。
プレゼンテーションは事前の準備が最も重要です。 事前準備とは、説明する内容の「背景」「関連知識」「法規」など、それからプレゼンの聞き手(どんな人が聞いているのか? 先方の状況、ニーズなど)を調べ、説明資料(プレゼンテーションペーパー)を作成することです。まずは話をする内容を入念に準備しなければ、成功するプレゼンも成功しません。
その他にも、特に話すスピードとか、用語などには注意してもらいたいと思います。 相手は、自分の話を聴くのがはじめてだという事実を再認識して下さい。かといってあまりゆっくり話してしまうと、聞き手は眠たくなってしまいます。また、ペーパーの文章を全部読んでしまっても、相手は退屈してしまいます。ですから、プレゼンの際は「適切な分量」を意識しながら話さなければいけません。
書いてあることとまったく同じことは言わないで、少し言葉を言い換えましょう。また、書いてある以上のことを言わないこと。なぜかというと、ペーパーの信頼性が落ちてしまうからです。大事な事を紙に書いていない、ということになってしまいます。
目で読むスピードは、耳で聞くよりも4、5倍程度は速いですから、紙全体の3分の1から4分の1くらいを話せば、大抵の人は理解できるはずです。そういう風に飛ばしながら、重要なポイントをペーパーの3分の1くらいのボリュームで話すと、非常にわかりやすいでしょう。
また、インソースの研修では、ビデオを使った演習も行います。プレゼンテーションでは話し方や、見栄えは結構大切なものです。最もポイントになるのは、目線、動作、声の大きさなどですが、その中でも最も苦手とされやすいのが"目線"でしょう。 また、均等に目線を移さず一点凝視をしたり、体をやたらふらふらさせたりするなどの癖をお持ちの方もいます。 ビデオで自分の姿を見ると、本人も客観的に自分の姿を見ることができますので、自分の欠点がはっきり分かり、その後は非常に見違えるようになります。
自分の事実を認識して、それを踏まえてどう改善するのか。それを考えていただくのが研修の場です。なおかつ、何回も何回もプレゼンテーションをしていただきます。時間制限をつける方法も有効です。 例えば、セールスのプレゼン研修ならば、自社の説明を1分で魅力的に行う。あるいは10ページのセールスプレゼンテーションのペーパーを2分で説明する。ただやみくもに繰り返すだけではなく、目的・状況をつかまえた上での練習をきっちりとします。
例えば、どんなに長い時間のプレゼンでも、50文字くらいに要約して言う。また、1分で説明するとしたら、150文字くらいに要約して説明する。こういったことができれば、どんな状況においても効果的に話せるようになります。 社内で話を聞いてもらえる時間が1分ぐらいしかないような場合でも、簡潔にまとめる能力があれば、短時間で自分の言いたいことが伝えることができます。
自分の言いたいことは、全部言わないほうがいいでしょう。たくさんの内容を羅列的に話しても、相手の頭に入っていきません。それよりはどれか1つか2つに要点を絞って話した方がその後、相手の印象に残ります。