内部統制に関する法制度として、会社法における内部統制制度が 2006 年(平成 18 年)5 月 1 日に施行され(改正会社法は 2015 年(平成 27 年)5 月 1 日施行)、金融商品取引法における内部統制報告制度、いわゆる J-SOX が、2008 年(平成20 年)4 月 1 日以後開始の事業年度から適用されています。しかし、近年の有名企業における数々の不祥事を見ると、これらの制度趣旨や内部統制の考え方などが、正しく理解されているのか甚だ疑問です。内部統制というと、フローチャート、業務記述書、リスク・コントロール・マトリックス(RCM)といった、いわゆる 3 点セットの作成や利用のみに力が注 がれ、形式的な制度対応になっているのではないでしょうか。
内部統制は、すべてのビジネスパーソンが理解すべきであり、その整備・運用を法律で押し付けられた、業務の妨げとなるようなものとして捉えるべきではありません。むしろ、その考え方を全役員・全従業員に浸透させ、業務の適正化・効率化に活かし、さらに社会から信頼を得ることで企業価値を高める活動に繋げていくことこそ、重要であると考えます。
本セミナーでは、内部統制の本質を十分に理解した上で、内部統制が実務の中でどのように自分と関係し、内部統制上どのように対処することが適切なのか、などを学んでいただきます。また、社内ルールを作成する上での考え方や実際に現場で起こりがちな管理上の問題点に対する適切な対応方法など、実務に即した管理に活かせる知識の獲得を目指します。事例(Q&A)を多く用いますので、内部統制をまったくご存知ない方でも、その理解を深めていただくことが期待できるセミナーとなっています。