ENERGY online

ENERGY vol.01(2020年春号)掲載

PICKUP

鍵は、組織及び個人の「エナジー」を 中心とした人材育成

図表1のアンケートの結果をみると、「体系立った研修ができていない」、「人事と現場の連携ができていない」などといった「組織レベルでの課題」と、「モチベーションが低く、主体性や自主性がない」などといった「個人レベルでの課題」の両方があることがわかります。

この二種類の課題に対して、どちらか一方の解決を図るのではなく、組織レベルと個人レベルの両方にアプローチすることが重要です。そして、インソースでは「エナジーを高める」ための施策を行うことが、組織及び個人レベルの課題解決につながると考えています。

エナジーを高める施策とは

エナジーはgiraffe(ジラフ)注3というアセスメントツールによって測定することができる概念であり、「たとえ困難があっても、精力的に行動し、目標を達成する力」を指します。組織レベルでエナジーを高めるには、例えば売上目標の達成が困難な状況にある場合、人材配置の適正化(異動)などの「組織改編や教育体制の見直し」を行うことが効果的です。組織の活性化が図られ、生産性の高い「強い組織」をつくることができます。

他方、個人レベルでは、「新たなスキルの習得」を通じてエナジーを向上させることができます。「これまでできなかったことができるようになる」と、仕事にやりがいを感じるようになり、意欲的に仕事に取り組むようになるはずです。このため、OJTやOff-JTによるスキルアップ機会の提供が有効な手段となります。加えて、社内のサポート体制が整備されているならば、「困難な仕事」にチャレンジさせることも、エナジーの向上につながるでしょう。

エナジーを向上させることによるメリット

giraffe(ジラフ)の結果を分析すると、エナジーが高い人の主な特徴として図表2のものがあることがわかりました 。このことから、従業員のエナジーを向上させることにより、個人レベルでのポジティブな影響があることに加え、その効果が組織全体に波及した場合には、より「強い組織」をつくることにつながると考えられます注4

また、エナジーの高い組織は、離職率が低いことがわかっています。実際、ある組織に対するクラスタ分析の結果をみると、 図表3の組織全体ではエナジーの高い人が約20%、中程度の人が約60%、低い人が約20%であったのに対し、図表4の離職率の低い部署ではエナジーの高い人が約45%、中程度の人が約45%、エナジーの低い人が約10%となっていました。

エナジーの向上という柱を据えた人材育成

以上より、人材配置の適正化(異動)や人材育成の最上位概念にエナジーという柱を据え、中位概念としてのスキルや下位概念としての研修を定めることで、効果的・効率的な人材育成が可能であると考えられます。これにより、生産性が高く、離職率が低い組織をつくることができるはずです。

  • 注1:弊社実施の人事担当者向けセミナーのアンケート結果から分析しています(集計:2018年~2019年)
  • 注2:相関係数が1に近いほど、エナジーと強い関連があることを示します
  • 注3:giraffe[ジラフ]は株式会社インソースの100%子会社である株式会社らしくが提供しています
  • 注4:個人レベルでは、エナジーの高低だけでなく、スキルに応じて仕事を割り振ることも重要です。「活躍できる場」を探すという考え方のもとで、異動などの人事施策を行う必要があります
  • 注5:クラスタ分析は「似ているもの」を集めて、グルーピングする手法です。エナジーの分析においては、エナジーが「高いグループ」、「中程度 のグループ」、「低いグループ」の3つに区分されることが多いです

本コラム掲載号の記事一覧

2020 SPRING

Vol.01「個」を見る

Vol.1は、「個」を見る人材育成がテーマです。イマドキ世代の育て方に悩みをもつ組織が多くあります。全員一律ではなく、個人の特性を見極めた教育により、能力を引き出し、生産性を高めることができます。また、適正に合わせたIT教育により、組織内部の人材でDXを実現することも可能です。

Index

ENERGY最新号はこちら

2024 SPRING

Vol.13 リスキリングの今

vol.13は「リスキング」がテーマです。ビジネスパーソンへの教育で今注目されている「リスキング」。激動の時代に対応するためにも、組織が理想とするリスキングを確立させていくことが求められます。 本誌では、組織、個人、人事・研修担当それぞれがリスキングをどのように捉えているのか、アンケート調査などから浮彫にしていきます。

Index

  • 冊子限定

    企業アンケートからの現状と課題~リスキリングの現在地

  • 冊子限定

    ビジネスパーソンの成長希求~個人目線のリスキリング

  • 冊子限定

    主体的学習を促す3つのポイント~人事担当者から見たリスキリング

  • 冊子限定

    「リスキリング」でベテラン人材の活性化ー企業成長の鍵はスキルアップ投資

  • 冊子限定

    リスキリングに最適な自律型教育サポート「Leaf企業内大学」

  • 冊子限定

    ins-bunkai 【第八回】本質を突き詰める インソースコンサルティング

ENERGY.online
コンテンツ一覧に戻る

インソースからの新着メッセージ

    新作研修

    業界随一の研修開発力を誇る
    インソースの最新プログラム

      コア・ソリューションプラン
      の新作情報

      250種類以上のコンサル事例!
      組織の「したい!」に全力で応える

        おすすめリンク