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アセスメント(assessment)とは

アセスメント(assessment)とは、「客観的に評価・査定する」ことを意味します。ビジネス分野においては、主に人材の能力やスキルを評価する「人材アセスメント」のことをいいます。その他にも、看護師が患者の問題を分析する「看護アセスメント」や、大規模開発が環境に与える影響を評価する「環境アセスメント」、建設現場での安全対策を講じるための「リスクアセスメント」などがあります。ここでは、人材アセスメントを指す言葉として説明いたします。

企業がアセスメントを行う目的は、人材の「評価」そのものではなく人材の「活用」にあります。人材不足と言われる現代、必要な人的資源の調達と効果的な配置は企業経営における課題のひとつであり、アセスメントによって自社人材の能力や知識・スキルなどを可視化することで、適切な配置や昇進・昇格が可能になります。

また、人材育成の面でも、個人の力量や課題が明確になり、今後の動機付けや目標設定がしやすくなります。さらに個人の課題にマッチした教育を実施することで、効率的な能力開発やキャリア開発につなげられます。

■人材アセスメントの主な手法
① 適性検査
テスト形式の検査で、個人のスキルや能力、特性や興味関心の傾向をみる。大枠の人物像がつかみやすく、人員配置を考える際の参考として活用される。
② 多面評価(360度評価)
評価対象者に係わる人々、上司や部下・同僚や他部署、時には取引先など異なる立場の人から多角的に評価を聞く。客観性と納得感が増し、自己開発の課題が明確になる。
③ アセスメント研修
アセッサー(評価者)を派遣した研修を実施し、受講態度やワークへの取り組み姿勢、発言内容や他のメンバーとの関わり方から参加者のスキルやマインドを評価する。昇格予定者を参加対象とするケースが多い。

従業員のアセスメントを実施する際は、社外の第三者に依頼することもポイントです。主観的な感情が入りにくいことで、個人にとっても企業にとっても納得感を得やすい公正な評価になります。

自社に適した手法で客観的なアセスメントを行い、エビデンスに基づく効果的な人員配置や人材育成を実現することで、組織の成長につなげていきましょう。

人材アセスメントを行う組織での効果

企業や組織において人材アセスメントがもたらす効果について考えていきましょう。人材アセスメントは幅広い人事業務に活用ができる評価の方法です。代表的な効果を記載します。

・組織が円滑に業務を行える適切な人材配置
・組織や実施の対象者(社員)が把握できてない強みや適性の発見
・採用基準の明確化を行うことで、人材採用に関するミスマッチ解消

人材アセスメントを行うことで、評価が難しい社員に関する資質や業務遂行能力などを客観的に評価することが可能になります。また、適切な人材の配置・人事異動などの人事の意思決定を行う判断材料にもなります。例えば、異動先を決める判断を行う場合、どのような人材がそのポジションにふさわしいかをアセスメントを行うことで見抜くことができます。人材アセスメントの結果で、強みや弱み、業務適性など、様々な角度から可視化するようにし、人事異動のミスマッチを防止しましょう。

また、アセスメントの結果を元に人事異動を行い、教育指導を実施すると、キャリア開発にもつながります。新卒、中途問わず採用を行う場合にも、面談する個人の経験や勘に頼らない採用基準をつくることができます。応募者(求職者)の能力や適性を可視化し、自社の社員と比較することで客観的に評価が行え最適な人材採用を行うことが可能になります。そのため人材アセスメントを行うことは採用のミスマッチ解消にもつながります。

人材アセスメントを行う際の注意点

アセスメント導入時の注意点をご紹介します。人材アセスメントを行うことで得られる情報は、客観的な情報です。アセスメントを行うことは、適性を見分けることにつながります。「能力がある」、「能力が無い」ではありません。社員の適性を客観的に判断するためのものであることを人事など携わるメンバーは必ず覚えておきましょう。多忙な業務時間の中で実施したアセスメントですので、実施後の社員へのフィードバックを面倒くさがらずに、必ず行いましょう。結果をみて、今後どう業務に活かしていけば良いか、上長が個別に面談を行うことが大事です。評価は実施しただけでは社員のためにならず意味がありません。参考までに、アセスメントを利用して適材適所の配置を実現する採用のことを「アセスメントリクルーティング」と呼びます。

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