「セルフマネジメントの達人」を目指す~コロナ禍でも成果をあげるカギ

「セルフマネジメントの達人」を目指す
~コロナ禍でも成果をあげるカギ

新型コロナウイルス感染症の対応のため、各社で勤務体制を見直す動きがございました。 「テレワークの実施」や「交互に出社する」などの対応により、仕事を見てくれる上司・先輩や、 励まし合える同僚がそばにいない状況になった、という方も多いのではないでしょうか。 それでも自律的に仕事を進めるためには、自分自身を管理すること、すなわち「セルフマネジメント」をする意識が必要です。

そこで今回は、テレワークの状況下はもちろん、普段の職場でも不可欠な「セルフマネジメント」のやり方についてご紹介します。 働き方がどのように変化しても成果をあげるべく、皆さまの参考になれば幸いです。

セルフマネジメントの達人を目指す「3つのポイント」

セルフマネジメント成功のカギは、"自ら働くための仕組み"を確立することです。 そのために心がけたいポイントは、以下の3つです。

(1)すべて数字で考え、目標を立てる
(2)時間当たりの生産性を高める
(3)他者に成果を見せる


それでは、具体的に見ていきたいと思います。

(1)すべて数字で考え、目標を立てる

セルフマネジメントの目的は、自律的な行動によって目標の達成を実現することです。
「目標を設定する」ことでモチベーションを保ち、評価に値する成果を出すことが、セルフマネジメントを成功させる基本です。

■目標設定に必要な「SMARTの法則」

目標には満たすべき5つの要件があります。それぞれの頭文字をとって、これを「SMARTの法則」といいます。

・S(Specific:具体的であること)
・M(Measurable:測定できること)
・A(Achievable:達成可能であること)
・R(Related:上位目標と関連していること)
・T(Time-bound:期限が決められていること)


目標を決めたら、次のステップとして、「どこまで」「どれだけ」行えば目標達成(ゴール)なのかを設定し、目標を具体的な行動レベルにまで 落とし込むことが必要です。その行動の達成度合いを自分で管理するには、KPI(Key Performance Indicator)の設定がカギとなります。

■数値化したゴールまでのプロセス「KPI」

KPIによってゴールまでのプロセスを数字で表し、達成状況を常に視覚化して管理することこそ、 「セルフマネジメントの達人」への近道です。

【KPIによる目標設定の例】
組織目標から落とし込んだ自分の目標達成に必要な行動量を、 所要時間、打率、工数などの観点から割り出します。


・「新規アポイント週5本獲得(営業職)」
→電話によるアポイント取得率は5%なので、20本/日、100本/週架電する


・「ブランド認知度の向上(マーケティング職)」
→SNSに1日2回、10通/週投稿する


成果を数値化することが難しい目標の場合も所要時間など、数値化できる行動量を設定するとよいでしょう。 「○○についての作業時間を△分以下にしたいので、その業務に関する改善を□件/日見つける」といった目標を立てると、 数字による行動管理が可能になります。


(2)時間当たりの生産性を高める
集中できないまま時間が過ぎてしまったり、就業時間を過ぎたのにズルズルと作業を続けてしまうなど、 時間当たりの生産性を落としてしまうのはセルフマネジメント失敗です。時間を決めてスパッと業務を終えられるよう、 「タイムマネジメント」の意識を高めることが肝要です。

タイムマネジメント術としておすすめなのは、処理の仕方・自由度によって、 仕事を4つの種類に分け、自身の時間の使い方を知り、スケジュールを立てることです。


1.考える仕事 ~集中できる時間を確保する

(例) 提案書作成、企画立案 など
資料作成など、よく考えなければできない仕事があります。 このタイプの仕事は「自身が集中できる時間」にスケジューリングすることで 高い成果を短時間で実現できます。 「午前中の方が考える仕事に向いている」や「お昼過ぎは集中しづらい」など、 自分にとっての「一番集中できる時間帯」が分かったら、 それに合わせてスケジュールを組むようにするとよいでしょう。


2.こなす仕事 ~ 連続処理の活用がタイムマネジメントの鍵

(例) 見積書作成、資料整理、会議準備 など
事務処理などは、手を動かせば終わっていく仕事です。 これらの仕事は、まとめて作業する時間をとり、連続処理に持ち込めば、時間短縮が可能です。


3.完全に時間を拘束されてしまう仕事

(例) 会議、商談 など
会議、接客など、行動が100%相手に拘束されてしまい、 その時間は相手に全力を尽くさないと不作法になるタイプの仕事があります。 相手がいるため完全に拘束時間をなくすことは難しいですが、 目的や意義を明確にしたり、参加者を見直したりするなど 改善に向けた行動ができないか検討しましょう。


4.少しなら時間を自由に使える仕事

(例) 移動、出張 など
移動中など、何でも自由にできる訳ではありませんが、「考える」「情報収集する」といった、 限られた仕事ならできる場合があります。工夫次第で、有効活用が可能です。


これらの仕事を一日のうちでうまく組み合わせ、効率的なスケジュールを立てることが、 タイムマネジメント成功の極意です。また、すべての時間を業務で埋めず、予備時間をあらかじめ組み込んでおくと、 突発的な仕事にも対処が可能となります。

【一日のスケジュール例:営業職】

9:00~ 9:30 朝礼

9:30~10:30 テレアポ(10件、△△区中心)

10:30~11:00 A社へ電車を使い移動(情報収集)

11:00~12:00 営業訪問(A社、次年度提案)

(12:00~13:00 昼休憩)

13:00~14:00 帰社・予備時間

14:00~15:00 オンライン商談(B社、概算見積)

15:00~16:30 提案書作成(C社)

16:30~18:00 事務処理

18:00~18:30 夕礼、業務終了


一日の終わりには振り返りを行い、達成度合いを確認します。 達成度合いをふまえ、スケジューリングに無理はないか、 タスク過不足がないかを見直し、よりよい仕事の進め方を 常に探っていく、というPDCAサイクルの観点が重要です。


(3)他者に成果を見せる
セルフマネジメントと矛盾するようですが、組織の一員として、ともに成長するために、 他のメンバーとのつながりを保つ意識はやはり必要です。 特に、「上司やメンバーに成果を見せる」ことで評価につなげ、組織における自分の居場所を確立できる人ほど、 持続的なセルフマネジメントを実現できます。

上司が求める成果は、「所要時間が短い」「作業量が多い」「成果物の質が高い」ことです。 例えば、(1)で立てた目標について、その通り達成することは言うまでもありませんが、 どれだけの成果が上がったのかをきっちり数字で報告できれば、さらに評価を高めることができます。 そこで、常に数字で成果を記録して残しておくことを習慣にしましょう。

【成果報告の例】
目標:「新規アポイントを獲得する(架電20本/日、獲得5本/週)」
△「今週は架電で、新規アポイント5本獲得しました」
〇「今週は100本架電し、新規アポイント5本獲得しました。
  そのうち2件を口頭受注し、今月の売上目標200万円は達成見込みです」

目標:「毎日SNSに投稿する(1日2回、10通/週)」
△「毎日SNSへの投稿を続けました」
〇「毎日SNSへ2件の投稿を続けたところ、リツイート数が前月より5%ほど増えました」


また、自ら始めた行動によってチームによい影響を与えることができれば、 プラス評価の対象になります。継続的に状況を記録し、チームがどのように変化したか、 チームや他者の視点から成果を伝えられると、さらによいでしょう。

チームで働く意識を忘れない

あたりまえのことですが、どんなにセルフマネジメントが大事だとはいっても、一人では解決できない悩みや 仕事上のトラブルを抱えたときには、「上司や先輩に相談する」ことをためらってはいけません。 自分一人ではつい偏った考えになりがちですが、人に話すことで、 自分では思いもつかなかった解決策が見つかる可能性もあります。

また、最終的な判断を上司に求めなくてはならない場面であるにも関わらず、 一人だけで決めてしまうと、周囲との軋轢を生みかねません。 「独りよがりだ」と思われないよう、チームの一員であるという意識は常に忘れずにいましょう。

最後に

新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言の解除が進み、 テレワークから通常勤務に戻ったという方も多く聞かれます。 しかし、第2、第3の感染拡大の波が来ることも懸念され、 いつまたテレワーク体制に移行したとしても、ハイパフォーマンスを発揮すべく、 日頃からセルフマネジメントする力を強化しておくことは大変重要です。

一人ひとりが「セルフマネジメントの達人」となり、どんな状況下においても成果をあげて、 「戦後最大の危機」ともいわれるコロナ時代を乗り越えていきましょう!


<関連リンク>

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