営業職「誰もやらない」101の秘策

 

営業職「誰もやらない」101の秘策

本当に欲しいのは「本質的な情報」

本当に欲しいのは「本質的な情報」

■「インフォメーション」も「インテリジェンス」も情報

情報という用語は、明治の文豪 森鴎外の造語と言われています。
クラウゼヴィッツ「戦争論」では、Nachricht と翻訳されています。
日本語では、「インフォメーション」も「インテリジェンス」も双方とも
情報と呼んでいます。

前者が生の情報に対して、後者は加工された信頼性のある情報です。
米国の中央情報局はご存知のとおりCIA(Central Intelligence 
Agency) ですが、このIはインテリジェンスということをご存知でしたか?

他方、情報の「情」は「なさけ」とも読みます。ということで、情けをかける
といったウェットな意味合いが日本では比較的に強いです。


■情報の流れ

では、情報の流れはどうなっているのでしょうか?
大きく4つに分けられます。第一に、情報を集めます。
次に、その情報を分析・評価します。そして評価した情報を上司などに
報告します。さらに、情報を活用ができれば文句ありません。
いずれにしましても、情報を集めてそのまま上司に報告するというの
ではダメで、要は、料理と同じで、情報を受け取る人のお好みに
あわせて、盛りつけなど工夫が必要だということなのです。

情報を集める ⇒情報を分析 ⇒情報を報告 ⇒情報を活用


■有用な情報とは何か

そもそも、有用な情報とは何でしょうか? ある調査では、経営者が
欲しい情報というと、競争相手の製品・開発計画・戦略など現時点の
ものというのが95%だと言われています。
本当に欲しい情報は、本質的な情報だといって良いでしょう。


■オープン情報(2次情報)を深堀りした情報

からといって、1次情報でなければならないというのも、大きな誤解です。
確かに、1次情報は重要ですが、その道のプロでないと、何が本質的な
情報か分かりません。1次情報も玉石混淆なのです。その道のプロは
言います。冷戦時代の元CIA長官は、国家機密の90%はオープン情報
(2次情報)を収集し、整理すれば推測可能と言っています。
ビジネスで言えば、業務に精通していれば、2次情報を深堀りして評価を
下すことができるということです。


■敗れた側の情報

また、情報も「勝てば官軍」で、敗れた側の情報にも本質があるという点
に注意を要します。敗れた側の情報は、歴史から消されることが少なく
ありません。例えば、私が経験したもので言えば、銀行のATMです。
今は空気みたいな存在で、おそらくATMの導入に反対意見があったと
は誰も想像だにしないと思います。しかし、実は、銀行内部から猛反対
がありました。人間でなく機械がお客さまサービスをすることは問題だ
という意見です。サービスは人が人に対して行うという常識が、かつて
はありました。


■お客さま視点の情報

もう1つ注意を要するのは、お客さま視点、お客さま目線の重要性です。
同じくATMの例で行きますと、ATMの待ち時間短縮策で功を奏した
のは、実は物理的な対策ではなく、心理的な対策だったのです。
いくらATMの処理速度を向上しても、お客さまはすぐに慣れて
当たり前だと思うようになります。1回の現金出金に20秒かかって
いたものが、10秒の壁を破ってもダメでした。オリンピックの
100メートル競走とは違います。

むしろ効果があったのは、ディズニーランドに学んだ1列行例方式
(別名フォーク並び)です。従来のATMごとに並んでいた方式では、
後から来た隣のお客さまに先を越されるといった現象が少なからず
ありました。お客さまに対する迅速な対応の中味は、心理的な
公平性が一番だったのです。


■日本のキャッシュカードは本質的な情報に基づいてつくられている

キャッシュカードという現物を見て、ここに日本の銀行の現状を
読み解くことができます。

キャッシュカードの大きさは名刺や運転免許証と同じで、
横86ミリ×縦54ミリです。デザインに詳しい人なら黄金比(1:1.618)の
代表だと言うかもしれません。世界標準にふさわしいことは事実です。

ところが、同じように見えても、磁気ストライプの位置が、実は世界
標準と違い、カードの表面にあります。だから、欧米のATMでは、
一般的に使用できないのです。いや、できるよと言う人は、
クレジットカードのキャッシング機能を使ったものが大半です。
クレジットカードは裏面に磁気ストライプがあります。

日本のキャッシュカードは、いち早く国内標準化しました。
1972年です。世界標準はといえば、1990年代に決まりました。
携帯電話と同じで、後出しジャンケンで敗れたということでしょうけれ
ども、敗れたという意識が業界には、ほとんどなかったのではない

でしょうか。

この点が、残念ながら、日本の銀行が国際的に見た、今のポジション
を如実にあらわしています。お客さまが日常的に身につけている唯一
の銀行のツールが世界標準でないということは、世界に対する影響
力が弱いと評価できるのではないでしょうか。一事が万事ということで、
日本の銀行の現状を象徴的にあらわしています。

以上

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