2026.10.01 ニュースリリース

当社代表取締役執行役員社長 舟橋 孝之より投資家の皆様へ ~2026 年9月期の振り返りと2027 年9月期に向けた経営方針についてのご説明

当社代表取締役執行役員社長 舟橋 孝之より投資家の皆様へ ~2026 年9月期の振り返りと2027 年9月期に向けた経営方針についてのご説明

この度、当社事業および業績の現状について、当社代表取締役執行役員社長舟橋孝之の考えをまとめましたので、お知らせいたします。

投資家の皆様には、平素よりインソースグループをご支援いただき、心より御礼申し上げます。 当社は2026年9月24日、2026年9月期の通期連結業績予想を、売上高160億円から156億円へ、営業利益63.8億円から61.5億円へ修正いたしました。 前年実績に対しては増収・増益を見込んでいるものの、当初想定していた成長には届かない見通しとなりました。

今回の修正を受け、「インソースの成長モデルそのものに問題が生じているのではないか」「大企業向けの需要がなくなっているのではないか」とご心配される投資家の皆様もいらっしゃると思います。

私たちは、当社のビジネスモデルや社会人教育市場そのものが毀損しているとは考えていません。一方、2026年9月期の経営資源の配分、顧客ターゲット、販売方法については明確な反省点があったと認識しています。 2027年9月期は、この反省をもとに、顧客マーケットごとの戦略を改めて明確化し、売上成長以上に利益成長を重視する経営へ転換します。

■2026年9月期に何が起きたのか

1.生成AI基礎教育の大企業での普及が一巡~市場の進展を少し先取りし過ぎた
ここ数年、大企業を中心にDX・生成AI関連の教育需要が急速に拡大しました。当社もこの市場を重要な成長領域と考え、大企業向け営業や高度なAI教育に人員・開発資源を投入してきました。
特に生成AIについては、全社員向けの基礎教育という大きな需要が発生し、当社もその恩恵を受けました。
しかし2026年9月期には、生成AI基礎教育の大企業での普及が一巡する一方、その次の段階である高度なAI活用、AIエージェント、業務プロセスそのものの変革は、私たちが想定したほど速く市場全体に普及しませんでした。

高度なAIコンテンツを数多く開発した一方、実際のお客様では、Excelをはじめとする基本的なビジネススキルへの需要も依然として強く残っています。 つまり、私たちが市場の進展を少し先取りし過ぎた部分があったと考えています。

2.4Qは大企業向けサービスが減速
大企業からの講師派遣案件獲得の低調、売上規模の大きいDXサービス・階層別教育の成長鈍化、大企業を中心とした人財育成スマートパックの獲得・利用の鈍化が、2026年9月期の計画未達の主な要因です。

3.中堅・中小企業向けを中心とした需要は伸長
しかし、中堅・中小企業向けを中心とした需要は伸長しています。 したがって、需要そのものがなくなったというより、伸びる顧客層と、当社が経営資源を投入した顧客層との間にずれが生じた一年だったと分析しています。

■27年9月期に向けて

1.大企業への過度な営業資源投入を見直す
大企業案件は一件当たりの売上が大きく魅力的ですが、受注するためには、コンテンツの品質だけではなく、非常に高い水準の個別対応が求められます。 営業担当者が深く入り込み、お客様ごとの細かな要望を把握し、企画、運営、報告まで大量の工数をかけるべき案件もあります。 当然、そのためには多くの人員が必要です。
2026年9月期は営業人員を増加させましたが、人員増加に見合った利益増加を十分に実現することができませんでした。
大企業のニーズがないわけではありません。 問題は、すべての大企業案件を営業人員を増やして獲得しようとすることが、当社の目指す利益率や生産性と必ずしも整合しなかったことです。 そこで2027年9月期から、顧客マーケットごとの対応を明確に変える方針です。

2.マーケット別の成長戦略
2026年9月期については、「MM、GBが成長する一方、EBの大型案件獲得が鈍化した」と整理し、人財育成スマートパックやパッケージ型サービスの強化、顧客の深掘りが必要と分析しています。 2027年9月期は、顧客規模ごとに、当社の強みの発揮の仕方および営業・開発体制を明確に分けます。大企業市場を縮小するのではなく、収益性と競争力が最も高まる方法へ対応を変えます。

マーケット 位置づけ 2027年9月期の基本戦略 主力サービス・販売方法 担当体制
EB:大企業・準大手 高度な課題解決・高付加価値市場 多数の営業担当者を配置して案件を追う方式から転換。高度・複雑な課題を選択して対応 AI BOAT、Leaf、AI・DX、高度研修、教育体系、独自コンテンツ 営業担当中心ではなく、日本で最も高い水準の開発力を持つことを目指して強化してきたコンテンツ開発部門の専門人材を前面に配置
MM:中堅企業 今後の最大の成長市場 経営資源を重点配分。既存顧客の深掘りと新規顧客拡大を同時に進める 人財育成スマートパック、公開講座、講師派遣、動画、アセスメント、コンサルティング、AIサービス 営業が複数サービスを横断提案。人財育成スマートパックで取引を面として拡大
GB:中小・成長企業 高成長・低浸透市場 標準商品を低コストで大量に提供。WEB・広告を最大限活用 公開講座、低価格研修、動画、パッケージ商品、WEBinsource WEB、広告の活用、集中販売チームの活動により、営業工数を最小化
※EB:従業員2,000名以上、MM:300~1,999名、GB:299名以下の民間企業として営業活動上分類、 官公庁も規模に応じて、同様の対応を想定

この戦略のポイントは、「大企業から中堅・中小企業へターゲットを転換する」ということではありません。 大企業に注力するのでなく、顧客規模によって、当社の強みの使い方を変えるということです。

①大企業は「営業力」ではなく「開発力」で突破する~開発力で選ばれるモデルへ転換
大企業市場については、むしろ当社の強みをより明確に出していきます。
インソースには、社会人教育の様々な分野で日々新しい研修・サービスを開発しているコンテンツ開発部門があります。 階層別教育、経営、人事、営業、業務改善、DX、生成AIなど、多様な分野を横断してコンテンツを開発できることは、当社の最大の競争力の一つです。

そこで今後、大企業の高度で複雑な案件については、営業担当者が要望を聞いて社内へ持ち帰る従来型の方法だけではなく、コンテンツ開発部門の専門人材がお客様の課題に直接向き合う体制を強化します。 お客様の経営課題、業務、人材要件を理解し、

「課題把握 → 教育設計 → コンテンツ開発 → AI・IT活用 → 実施 → 定着」

まで一体で設計します。

つまり大企業市場では、「営業人数で案件を取りにいく」モデルから、「日本有数のコンテンツ開発力とIT・AI開発力によって選ばれる」モデルへ移行します。
期初方針においても、大企業については「コンテンツの多様性とITの深さ」で対応し、社会人教育のコンテンツ開発チームとITエンジニアの力を活用する方針を明確にしています。
これは大企業ビジネスの縮小ではなく、より当社らしく、より収益性の高い形への再構築です。

②MM・GBを再び成長の中心にする~1社のお客様に複数の商品をご利用いただくモデルを重視
一方、事業の成長エンジンとしては、MM・GBを明確に重視します。この市場は当社にとって新しい市場ではありません。むしろ、インソースが長年成長してきた中心市場です。 MM・GBでは、大企業ほど個別対応を必要とせず、当社が保有する大量の魅力的な標準コンテンツをそのまま活用していただけます。したがって、売上を伸ばしながら、高い利益率を維持しやすい市場です。 さらに、当社サービスの浸透率はまだ低く、多くのお客様に追加サービスをご利用いただく余地があります。 新規顧客数を増やすだけではなく、「一社のお客様に、複数の商品をご利用いただく」ことを重要な成長戦略とします。

3.各サービスの販売方針

①人財育成スマートパックをMM・GB 戦略の中心に置く
中心となるのが人財育成スマートパックです。これまで人財育成スマートパックについては、大企業での大型利用を重視してきました。しかし今後は、MM・GB のお客様に積極的に販売します。

人財育成スマートパックは単なる公開講座の割引商品ではありません。公開講座、講師派遣、動画、アセスメント、AIサービスなど、インソースグループの幅広いサービスをご利用いただくための「入口」にしていきます。

例えば、最初は公開講座をご利用いただき、その後、管理職研修、動画、アセスメント、AI BOATへ広げる。 このような取引を増やすことで、新規顧客獲得だけに依存せず、一社当たり売上・利益を継続的に増やすモデルへ変えていきます。 期初方針でも、既存MM・GBについて人財育成スマートパックを軸に複数サービスを利用いただく方針を掲げています。

②「講師派遣型研修を売る会社」から「最適な教育を売る会社」へ
販売する商品についても考え方を変えます。従来、お客様から研修のご相談をいただくと、講師派遣型研修をご提案する傾向が強くありました。

しかし、少人数の研修であれば、公開講座の方がお客様にとって安く、当社にとっても高い収益性を実現できる場合があります。既に開催している公開講座に受講者が追加される場合、追加コストは限定的です。

一方、講師派遣型研修では、講師、テキスト作成、運営、営業事務など個別コストが発生します。
したがって今後は、少人数は公開講座、大人数は公開講座の団体利用または講師派遣型研修、知識教育は動画・オンデマンド、知識定着・社内教育はAI BOAT、高度な組織課題はコンサルティングというように、 お客様にとって最も効果的かつ合理的な手段を提案します。

期初方針でも、低価格の講師派遣案件を公開講座へ誘導し、公開講座、動画、AI BOATなどを組み合わせることで顧客メリットと収益性を高めることを掲げています。

③AI戦略は後退させない。「先端AI」から「実務で使えるAI」まで広げる
今回の戦略変更が、「インソースはAI から後退する」という意味ではありません。むしろ逆です。 AIは今後10年間、社会や企業の働き方を大きく変えると考えています。ただし、市場の普及速度に合わせたサービス展開を行います。

最先端のAI エージェント教育だけでなく、Excel+AI、文章作成、資料作成、業務改善、管理職のAI 活用など、今すぐ多くのお客様が利用できる実践的なAI 教育を増やします。 同時に、高度なAIコンテンツの開発も継続します。非エンジニアのリーダー層がシステム開発を実施したり、AIを活用した新サービスの開発などをできるようにするグレードの高い研修も開発していきます。 つまり、基礎から最先端まで、AI教育の裾野を広げる戦略です。当社内でも生成AI を業務変革に活用しており、AIを活用した提案書作成、テキスト開発、教育の自動化、システム開発などの取り組みを進めています。

期初方針でも、「AIによる仕事・組織の大変革」を前提として、AI基礎からAIエージェント、さらに業務代行へ進化すると捉え、AI活用教育への取り組みを継続する方針を掲げています。

④AI BOAT は「企業内教育」という新しい市場をつくる
特に期待しているのがAI BOATです。AI BOATでは、お客様が保有している社内マニュアル、営業マニュアル、業務資料、教育資料などをもとに社員を教育することができます。
これは、従来の社会人教育とは異なる市場です。これまで社内のベテラン社員や上司が行ってきた「会社固有の仕事を教える」という教育をAIによって支援できます。
一般的なスキルや行動変容は研修で学び、各企業固有の業務知識はAI BOATで学ぶ。この組み合わせにより、企業内教育全体に当社の事業領域を広げることができます。

大企業についても、研修を大量に販売することだけを狙うのではなく、AI BOATやLeafを基盤として企業内教育そのものを支援することで、長期的な取引につなげていきます。

4.2027年9月期は「売上」以上に「利益」を重視する

①一人当たり生産性を高める
2026年9月期の最大の反省の一つは、人員を増やせば、それに比例して利益も増えると考えていたことです。 実際にはそうなりませんでした。そこで2027年9月期は、採用についても規律を強めます。 単純に営業人数を増やすのではなく、AI活用、標準化、パッケージ化、WEB 販売、人員の再配置によって、一人当たり生産性を高めます。

②単発売上から、サブスクリプション・複数年契約へ
2027年9月期は、安定収益を増やすことも重要テーマです。Leaf、AI BOATなどのサブスクリプション商品を強化します。 さらに、ストレスチェック、アセスメント、教育体系、研修についても、複数年契約を増やします。 人財育成スマートパックについても長期利用しやすい仕組みを整えます。毎年ゼロから販売する売上だけではなく、期初時点ですでに一定の売上が見込める事業を増やす。 これは売上の安定だけでなく、営業生産性の向上にもつながります。

期初方針でも、Leaf、AI BOAT等のサブスクリプション強化に加え、アセスメント、ストレスチェック、教育体系、研修の複数年契約化を掲げています。

③組織の最適化~収益性の低い事業の縮小・撤退と資源再配分
収益性の低い事業については縮小・撤退も進めています。 また、MM・GB 市場での再成長にあわせた営業、コンテンツ開発、システム開発 等の資源再配分を迅速に行って参ります。

④営業利益の成長を意識した評価・報酬、マネジメントの精緻化
営業組織の評価やマネジメントについても、単純な売上高だけではなく、営業利益をより重視します。 社内方針では、営業利益の成長に連動した評価基準の見直しも掲げています。したがって、2027年9月期は短期的なトップライン成長だけを目的にした投資は行わない方針です。

売上成長率が従来より抑えられる局面があったとしても、「売上が増えれば、それ以上に利益が増える会社」を目指します。

5.まとめ~27年9月に向けての考え方
今回の業績予想修正について、投資家の皆様にはご心配をおかけしています。しかし、私は今回明らかに なった問題の多くは、修正可能だと考えています。教育需要がなくなったわけではありません。当社の商品力が失われたわけでもありません。AI市場がなくなったわけでもありません。
問題は、「どのお客様に、どの商品を、どれだけの人員とコストをかけて販売するのか」という資源配分でした。ここを2027年9月期に大きく変えます。

MM・GBでは、人財育成スマートパック、公開講座、動画など、標準化された良質な商品を効率よく提供し、顧客数と一社当たり取引を増やします。

大企業では、営業人数を増やして案件を追うのではなく、当社が最も強みを持つコンテンツ開発部門の専門人材を配置し、AI・IT・教育・コンサルティングを組み合わせた高度な課題解決に集中します。

AIについては、最先端だけではなく、今すぐ使える実務的なAI 教育を大きく増やします。AI BOAT、Leafを中心としたサブスクリプション・複数年契約を拡大します。 そして、すべての事業で売上だけでなく利益を重視します。

■27年9月の方針~着実な戦略転換

「2027年9月期は戦略転換を着実に実行し、二桁の利益成長を回復する一年にする

2027年9月期は、この戦略転換を着実に実行し、持続的な利益成長、そして再び二桁の利益成長を継続できる企業体質の構築を目指してまいります。そして、社会人教育の革新者として再成長を目指します。

投資家の皆様には、今後ともインソースグループへのご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。



以上

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