2026.04.24 ニュースリリース

「生成AIの本格的利用促進に向けた問題意識調査」を発表 ~生成AI活用の成否は「技術導入」だけでなく「経営主導の組織設計・人材設計」にある

「生成AIの本格的利用促進に向けた問題意識調査」を発表 ~生成AI活用の成否は「技術導入」だけでなく「経営主導の組織設計・人材設計」にある

 「教育」と「IT」の力で組織の課題解決を支援する株式会社インソース(駿河台本社:東京都千代田区、代表取締役執行役員社長:舟橋孝之、証券コード:6200、以下「当社」)の100%子会社である株式会社インソース総合研究所(本社:東京都港区、代表取締役社長:藤本茂夫、以下「IRI」)はこの度、生成AIを導入・活用している日本企業を対象に実施した「生成AIの本格的利用促進に向けた問題意識調査」(以下「本調査」)の結果を公開しましたので、お知らせします。
 本調査は、日本企業における生成AI活用の実態を把握した上で、本格的な活用を妨げている課題・阻害要因と、対応策の方向性について、経営・組織・人材・業務・雇用の観点から構造的に明らかにすることを目的として実施したものです。


■エグゼクティブサマリ(Executive Summary)
 本調査により、生成AI活用を巡る日本企業の現状は、「導入されていない」という段階は超えてきているものの、大企業においても、導入後の活用高度化と、それを支える経営戦略や組織・人材設計が追いついていない段階にあることが見えてきました。
 生成AIは現在、「業務効率化・コスト削減」を主目的とした初級活用が中心である一方、企業の意識としては、今後3年程度で「経営戦略・ビジネスモデル変革」に活用していく方向へ大きくシフトする見通しが示されています。しかし、その実現に向けては、以下のような点がボトルネックとなっています。

• 経営トップの関与が限定的であり、全社的な方針や目的が不明確
• AI人材の確保、社員のAIスキル・リテラシー不足が最大の阻害要因
• データ基盤やルール、セキュリティ体制が未整備
• 業務代替の進展に対し、再配置の受け皿や再教育が不足

 特に、生成AI活用の方針が明確な企業ほど、社員の不安が低く、活用が進みやすいという結果が出ており、生成AI活用が単なるIT施策ではなく、経営主導による組織変革がテーマであることを示しています。
 当社は、生成AI活用は今後、企業の競争力を左右する重要テーマとなる一方、対応を誤れば組織課題や人材課題を顕在化させる局面に入っていると捉えています。

■調査概要

調査名 生成AIの本格的利用促進に向けた問題意識調査
調査目的 企業における生成AIの導入・活用の現状を把握、課題・阻害要因を明確化するとともに、推進体制、教育体制、業務や雇用への影響を整理し、今後の対応の方向性を探る。
調査対象 ・スクリーニング調査 10,000人対象
 全国の20歳以上の男女(会社員(正社員)、経営者・役員)を対象
・本調査 1,010人対象
 スクリーニング調査対象者のうち、従業員数30人以上、かつ生成AIを導入・活用している日本企業に勤務する1,388人を対象に実施。そのうち有効回答である1,010人を集計対象
調査期間 スクリーニング調査 2026年1月28日~2月4日
本調査 2026年1月30日~2月10日
調査方法 調査会社モニターを用いたインターネット調査
調査実施主体 株式会社インソース総合研究所

■本調査の特徴
 仮説検証型アプローチによる設計

 本調査は、「生成AI活用は単なる技術導入ではなく、経営・組織・人材設計の問題である」という仮説のもとに設計・実施しています。
 そのため、利用有無の確認にとどまらず、推進体制、活用目的のレベル、阻害要因、業務への影響、雇用対応、中長期ビジョンまでを一貫して確認しています。
 また、生成AI活用方針や活用業務を、成熟度によって「初級(業務効率化)・中級(プロセス改善)・上級(戦略・変革)」の3段階に整理し、活用レベルごとの実態と課題を可視化しています。

■本調査の主な内容
1.生成AI活用方針は「効率化」から「経営戦略」へ移行する見通し

 現時点では、生成AIを「業務効率化・コスト削減」のツールとして位置づける企業が最多である一方、3年後には「経営戦略・ビジネスモデル変革」として活用すると回答した企業が大幅に増加しています。
生成AIが、企業の競争力に直結するテーマとして認識され始めていることが明らかになっています。

2.活用高度化には経営トップの関与が不可欠
 現時点では「経営トップ」が生成AI推進に関与している企業は15.0%にとどまっていますが、生成AIの推進部門別に分析した結果を見ますと、生成AIを「ビジネスモデル変革」と捉える割合の伸びは、「経営トップ」が推進する企業で最も大きいことが確認されています。
生成AI活用の高度化において、経営層のコミットメントがいかに重要であるかを示しています。

3.生成AI活用の最大の阻害要因は人材・スキル・教育
 生成AI活用の主要課題として最も多く挙げられたのは、「社員のAIスキルやリテラシー」、「AI人材の確保」、「セキュリティ・コンプライアンス面」であり、人材面と統制面の課題が筆頭に上がっています。なお、人材の課題は、経営トップや担当役員が推進している場合においても、同様に課題認識が高いことから、問題の深刻度合がわかります。
 また、現在、生成AIの研修は、eラーニングが半数を占めていますが、今後は相対的なニーズが下がる一方で、実践型・伴走型へのニーズが高まっていることが確認されています。これは、全社員の基礎リテラシーのボトムアップが必須であると同時に、高度人材の早期育成(例えば、FDE※等の育成)が必要であることを示唆しています。(※Forward Deployed Engineer、顧客密着型エンジニア)

4.業務代替の進展と、再配置・再教育の必要性
 生成AIによる業務代替については、オフィス系業務だけでなく、現場・技術系業務についても今後2年の間に、かなり進展すると予測されています。
 また、代替後の人材への対応としては、ほぼ全ての業務において「社内再配置」が第一選択肢であるものの、それだけでは吸収しきれず、出向・転籍や早期退職が想定されている業務も多いため、再教育や制度設計の重要性が高まっています。再教育等により、生成AI活用に関連する新業務の創造という受け皿を作っていくことも重要です。

■今後の展開
 当社グループは、本調査結果を踏まえ、生成AI活用の推進体制づくり、社内研修・教育の設計、実践型・伴走型の学習機会の整備、データ活用・セキュリティ・コンプライアンス面の整備、業務影響への対応等、企業の課題に応じた支援の拡充を進めてまいります。
 また当IRIでは、引き続き、経営・組織・人材・業務を横断した変革テーマとして捉えた調査研究、コンサルティング、教育支援を一層強化し、企業が生成AIを安全かつ効果的に活用し、持続的な競争力強化につなげるための知見提供を通じて、社会に貢献してまいります。

■調査報告サマリー版ダウンロード
 本調査報告サマリー版は、IRIウェブサイトよりダウンロードいただけます。
 URL:https://insource-ri.co.jp/research/1066/

■株式会社インソース総合研究所
・所在地:東京都港区新橋2-5-5 新橋2丁目MTビル3階
・設立:2025年4月18日
・代表者:代表取締役社長 藤本 茂夫
・資本金:100百万円
・事業内容:調査・研究事業、コンサルティング事業、大学連携講座、産学連携プロジェクト
・URL:https://insource-ri.co.jp/

以上

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