「ストレスチェックとあわせて、他のアンケート調査やアセスメントも行いたい」というご相談をいただくことがあります。
当社でも、設問を追加したストレスチェックの実施は可能ですが、実は「制度上おすすめしない追加設問」や「追加することで新しい視点から分析ができる追加設問」があることはご存じですか?
「ストレスチェックと追加設問」について、ご紹介します。皆さまのストレスチェック実施計画の参考になれば幸いです。
<目次>
ストレスチェックと一緒に行える調査とは?
-1- 違う角度からストレス対策を考える
「ワークエンゲージメント/プレゼンティーズム」を測るための追加項目
ストレスチェックとは別の視点でストレス状況を把握するための設問追加も可能です。
「プレゼンティーズム」という概念をご存知でしょうか。あまり見慣れない言葉かもしれませんが、近年注目されている、健康経営という視点から着目され始めている指標です。
WHO(世界界保健機関)によって提唱された、健康問題に起因したパフォーマンスの損失を表す指標です。
・プレゼンティーズム...欠勤にはいたっておらず勤怠管理上は表に出てこないが、健康問題が理由で生産性が低下している状態
当社ではWHO-HPQ(3項目)やSPQ(東大式1項目)など、科学的に立証されている設問にて測定し、結果をご報告することが可能です。その他にも、経済産業省が推奨する、オフィス環境において従業員の健康を保持・増進する行動(働き方)に関する測定を行い、プレゼンティーズムの解消に向けたアドバイスレポートを作成することなどもできます。
また、厚生労働省推奨の57項目に、新職業性ストレス簡易調査票の推奨尺度セット短縮版(23項目)を追加した80項目版調査票で「ワークエンゲージメント」を測ることも可能です。
スタンダードな57項目実施の時にできる「仕事の量/質」や「同僚/上司の支援度」の分析に加えて、「いきいきプロフィール」として以下のような項目を、所属などの分析単位ごとに見ることができます。
<いきいきプロフィール(ワークエンゲージメント)で見ることができる構成要素(抜粋)>
・情緒的負担...仕事の上で気持ちや感情がかき乱れるなど、感情面での負担
・ワーク・セルフ・バランス(ネガティブ)...仕事が、個人生活に対して好ましくない影響を及ぼしていること
・ワーク・セルフ・バランス(ポジティブ)...仕事により、個人生活を豊かにすることができること
・成長の機会...知識や技術を得たり、あるいはその他の自己成長の機会があること
・上司リーダーシップ...上司が、仕事の出来をフィードバックし、部下が問題解決できるよう指導していること
・失敗を認める職場...失敗しても取り戻す機会があったり、失敗を転じて成功に導くことができること
・キャリア形成...従業員のキャリア形成について、方針や目標が明確にされ、教育訓練が提供されていること など
上記はあくまで一部抜粋で、全部で41項目もの、詳細な要素を見ることができるのです!
より具体的な項目の状況が見えるため、例えば上司層に向けた研修に「コーチング」や「リーダシップ醸成」の要素を加えてみる、キャリアデザインに関する教育を促すなど、より具体的な施策を取ることができます。
ストレスチェックとはまた違った角度から、「よりいきいきと働ける職場づくり」を検討することができますので、ご興味、関心のある方はぜひ、お問合せください。
≫【使い方ガイド】いきいきプロフィールを活用して、よりよい職場づくりを目指す
-2- 「集団分析」に使うための、任意のアンケート項目
「集団分析」では、「所属」や「役職」などの人事情報をベースに、一定のグループでのストレスチェック結果を分析するものです。そのグループ単位での「ストレス状況」の把握ができ、改善活動の参考資料とすることもできます。
制度上では努力義務とされていますが、個人では対処しがたい、職場におけるストレス要因を改善していくため、ぜひ行ってほしい分析です。
一般的には、先ほど挙げた「所属」「役職」などのほか、「性別」「勤務地」などで分析することが多いですが、中には「追加設問」を設けて、より深い分析を行いたいというお客さまもいらっしゃいます。
以下のような追加設問は、ストレスチェックの個人判定には影響を及ぼさないため、任意の設問として追加することができます。
<集団分析用の追加設問の例>
・今月の残業時間(0~10時間以内/10~20時間以内/20時間以上......など)
・勤務区分(フルタイム/短時間勤務・常勤/非常勤 など)
・直近3か月の有休所得日数(0日/1~3日/3~5日/5日以上......など) など
インソースでは、追加設問3問まで、無料で対応しております。
集団分析の数が多くなってしまっても、すべてインクルーシブな費用となっていますので、安心してお任せいただけます。まずは、「こんな調査をしてみたい」といったご相談をお待ちしております。
≫インソースの集団分析について
-3- 【NG設問】うつ病等の精神疾患のスクリーニングを目的とした設問
これまでに、「ストレスチェック」に追加できる設問を紹介してきました。
逆に、推奨されていない設問として「うつ病等の精神疾患のスクリーニングを目的とした設問・調査」があるので、設問追加を検討する際は気をつけましょう。
ストレスチェックは、ご自身のストレス状況を把握し、メンタルヘルス不調の未然防止を目的としています。「うつ病等の精神疾患のスクリーニング」はその目的から外れた調査となってしまいます。、
また、科学的な立証がされていない分析や、用途が不明瞭であったり、プライバシーを侵害するような設問(家族構成や病歴、趣味、嗜好など)も適切ではありません。ストレスチェックの本来の目的を忘れずに、どのような目的で設問を追加するのか、また分析結果はどのように活用していくのか、しっかりと検討した上で、調査項目を決めていきましょう。
インソースでは、外部委託のための仕様作成、検討段階からご相談いただけます。
実施準備、実施、実施後の分析まで、すべて「運用代行」として制度に則った形で進めていきますので、初めてストレスチェックを実施するというお客さまも、安心してお任せください。



