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vol.04

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Python学習のロードマップ
~ビジネスでの利活用に向けて最適な学習方法をご紹介

皆さんこんにちは。
Python学院事務局です。

(約5分で読めます)

~~~~~~~~~目次~~~~~~~~~

1. Pythonを習得するための大前提
2. まずは、基本文法から
3. ビジネス現場で活用するための、具体的なスキルの習得
4. 実際に何かを作ってみる
5. ビジネス現場の課題を解決する
6.【まとめ】Python学習のロードマップ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


1. Pythonを習得するための大前提


Python学習の具体的な手順をご紹介する前に、まずはPythonを習得するための
大前提となる「学習時に意識していただきたいこと」を、大きく4点ご紹介いたします。


(1)たくさんコードを書くこと


まず、これが一番重要です。

プログラミングスキルを高めるためには、たくさんプログラミングする必要があります。
「プログラミングする」とは、つまり「コードを書く」ということです。

Pythonに限らず、プログラミング言語を習得するためには
「手を動かす」ことが重要
です。

自分でコードを書いてみて、実行して、結果を確認する。
これを何度も繰り返し行うことで、プログラミングが身体に染み付きます。

市販書籍で学習をする場合でも、長いコードが記述されていた時に
「打つのは面倒だから、本を読むだけで理解しよう」と考えずに、
実際に自分で全てのコードを打ち込むことをオススメします。


(2)全てを完璧に理解する必要はない


プログラミング学習を始めた時に最初に驚くのが、「情報量の多さ」です。

プログラミングでビジネス課題を解決できるようになるためには、覚えなければいけないこと、
身につけなければいけないスキルが膨大にあることは、間違いありません。

ただ、ここで注意すべきことがあります。

それは、「全てを完璧に理解する必要はない」ということです。

理解度が60%ぐらいだとしても、どんどん先に進んでしまって構いません。
多くのプログラミング初学者が挫折する大きな原因が、実はここにあります。

完璧に理解できていないまま先に進んだとしても、「あの時言っていたのは、
こういうことだったのか」と進めていくうちに理解ができることが多くあります。
実際、プログラミングスキルは「たくさん書いているうちに、
気が付いたら身に付いている」ものです。

「完璧に理解しないと、先に進んではいけないというわけではない」ということは、
ぜひ覚えておいてください。


(3)インプットばかりでなく、たくさんアウトプットする


「基礎を習得すること」と「プログラミングで現場のビジネス課題を解決すること」
の間には、実は大きな壁があります。


この壁を乗り越えるために重要なポイントが、「たくさんアウトプットする」ということです。

ここでいうアウトプットとは、「学んだことを活かして、自分でプログラムの
アルゴリズムを考え、コードを記述する
」ことです。

アルゴリズムとは、問題解決の手順のことです。

つまり、「ある問題に対して、解決するための手順を考え、それをプログラムで実現する」
ということです。

以下、アウトプットの例です。
演習問題を解く
何か自分の作りたいものを作る
プログラミングで、ビジネス課題の解決に取り組む

プログラミングでビジネス課題の解決に取り組むことも、アウトプットの一つです。
ビジネス課題の解決力を高めるためには、実際にビジネス課題解決のために
プログラムを書くことが重要です。


(4)エラーとの戦いが、プログラミングスキルを飛躍的に高める


プログラミング初学者、ベテランに関わらず、プログラミングにエラーは付き物です。

どんなに優秀なエンジニアでも、プログラミングを行っていると必ず
どこかでエラーを起こします。

プログラミング初学者は自分の書いたコードを実行してエラーを起こした時、
なかなか解決ができず時間を要し、「自分にはプログラミングは向いていない」と
消極的な気持ちになり、結果として挫折することが多くあります。

ただエラーと出会った時というのは、実は飛躍的にプログラミングスキルを高めるチャンスです。

優秀なエンジニアでもエラーを起こすと先程伝えましたが、エラーが起きた時の対応が的確で、
エラーを解決することができるから優秀なエンジニアなのです。

エラーを解決するためには、「なぜエラーが起きたのか」原因を突き止め、
「どうすれば解決できるか」解決方法を考える必要があります。


この「エラーの原因を突き止め、課題を解決する」という経験が多ければ多いほど、
エラー解決力が上がり、プログラミングスキルが高まります。

ちなみに私は現役のエンジニアですが、プログラミング学び始めの時に一つのエラーに
1週間立ち向かい、自力で解決をした経験があります。

この1週間立ち向かった経験は、私のエラー解決力を大幅に高めました。
(立ち向かっている最中は、何度も心が折れそうになりました。)

エラーが出ても焦らず、成長のチャンスだと思い解決に向けて試行錯誤してみてください。
それが、今後課題解決を行うための「力」に直結します。


それではここから、Python学習のロードマップを各工程ごとにご紹介いたします。




2. まずは、基本文法から


Pythonは、プログラミング「言語」です。

言語を習得するためには、まず基本文法を習得しなくてはいけません。
日本語や英語などの自然言語を学ぶ時も、まずは基本文法を理解する必要があります。

基本文法で重要なポイントは、大きく2つです。


(1)データ構造


プログラミングでは「データ」を処理していくことになりますが、
データをどのように管理するか」が非常に重要です。

特にPythonでは、以下のデータ構造について理解をする必要があります。
変数
リスト
辞書


(2)処理構造


プログラミングにおける処理には、大きく3つの種類があります。
「順次処理」「条件分岐」「繰り返し処理」です。

プログラムを上から順にただ単に実行していくのが「順次処理」です。

条件に応じて実行する処理を分岐させるのが「条件分岐」です。
例えば、自動販売機で120円の飲み物を買いたい時、100円を入れても120円の飲み物の
ランプは点灯しませんが、120円を入れると点灯します。
この時、「投入金額が120円未満であればランプを点灯させず、
120円以上であれば点灯させる」という処理が行われています。

これが、「条件分岐」です。

また、同じ処理を何度も繰り返し実行するのが「繰り返し処理」です。
自社の顧客宛てにメールを一括自動送信するような場合に、
この「繰り返し処理」が使われます。


「順次処理」は特に覚える必要はありませんが、重要なのは
「条件分岐」と「繰り返し処理」です。


この「条件分岐」と「繰り返し処理」が使いこなせるようになれば、
他の基本文法と組み合わせることで、かなり複雑で実用的な処理を
プログラミングすることができるようになります。

人によっては、基本文法の学習を退屈と感じる方もいらっしゃるかと思います。

ただ「組み合わせることで効果が発揮される」ということを意識し、
今後の学習を効率的に進めるためにも、まずこの基本文法のパートについては
しっかりと理解をする必要があります。




3. ビジネス現場で活用するための、具体的なスキルの習得


基本文法が習得出来たら、次はビジネス現場での活用を目指して具体的なスキルの
習得を行っていきます。

基本文法を組み合わせるだけで解決できるビジネス課題もあるかとは思いますが、
多くの場合この工程で説明するスキルを使うことになります。

「具体的なスキル」とは、ざっと挙げると以下のようなものです。
Excel自動操作
Web上からの情報収集自動化
データ分析
メール自動配信
処理の定期実行

私がビジネス現場でPythonを用いて業務の自動化・効率化を行う際も、
上記スキルのいずれかは確実に使っています。

多くのビジネスパーソンが普段よく使っている「Excel」の自動操作を始め、
Webで何か検索をして表示されたページから情報をExcelにコピペするような作業の自動化が
できれば、あらゆる業務の自動化が可能になります。

また、Pythonにはデータ分析を手軽に行うための便利なツールが付属されているため、
今までエクセルで手動で行っていたデータ分析作業の自動化などもできるようになります。

顧客へのメール配信が自動化できるようになれば、多くの企業にとって
大きな作業時間の削減に繋がるでしょう。

基本文法を習得することで、これらのスキルを簡単に身につけることが
できるようになります。

そしてこれらのスキルを身につけられれば、ビジネス現場の本当に多くの業務を
自動化することができるようになります。

Pythonにはプログラミングを効率的に行うための「ライブラリ」というものが存在し、
このライブラリを使うことでExcel自動操作やWeb上からの情報収集自動化、
メール配信などが非常に簡単にできます。




4. 実際に何かを作ってみる


ここからは、アウトプットの段階になります。

基本文法を習得して、またビジネス現場で活用するための具体的なスキルも
習得することができました。
ここまでで、何か具体的なシステムを作るための土台作りは完了です。

ただ、多くのプログラミング初学者は、ここで学習を辞めてしまいます。

元々は何か解決したいビジネス課題があってプログラミング学習を始めたはずですが、
土台作りで学習を辞めてしまったということは、それは挫折と一緒です。

先程「Pythonを習得するための大前提」のチャプターでもお伝えをいたしましたが、
「基礎を習得すること」と「プログラミングで現場のビジネス課題を解決すること」の
間には大きな壁があります。

この壁を乗り越えるには、アウトプットが必要とお伝えをしました。
アウトプットの中でも特に効果的なのは、「実際に自分で何かを作ってみる」ことです。

今まで習得してきた知識・スキルを総動員して、実際に何かを作ってみてください。

作るものですが、これは何でもOKです。

自分の業務の中で手軽に自動化できそうなものを見つけて実際に自動化を行ったり、
自分の業務の中で思いつかなければ他の方の業務で自動化できそうなものがないか
ヒアリングしてみても良いでしょう。

何でも良いので、「今まで習得してきた知識・スキルを総動員して、何かを作る。
ということに取り組んでみてください。

今までの基本文法の習得や具体的なスキルの習得では、もしかしたらそこまで大きな
障害には出会わなかったかもしれません。

ただ、この「何かを作ってみる」という段階では、多くの場合何かしらの
大きな障害に出会います。

エラーが発生して、時間を要してもなかなか解決ができず、
心が折れそうになることもあるかもしれません。

「自分で作りたいものを作る」ということに取り組んでみた場合、
市販書籍を開いても作成方法が書いてなかったり、インターネットで調べても
求めている情報になかなかたどり着けないかもしれません。

この工程では多くの試行錯誤を経験することになりますが、この工程が
プログラミングスキルを高めるうえで最難関であり、また最重要
です。




5. ビジネス現場の課題を解決する


今まで習得してきた知識・スキルを総動員して何かを作ることができれば、
自分で問題解決のための手順を考え、プログラムで自動化するということが
できるようになっています。

「プログラミングが身体に染み付いた」といってよいでしょう。
ここまでくると、プログラミングでビジネス課題の解決を行えるようになっています。

実際に社内の何かしらのビジネス課題を、プログラミングで解決できないか考え、
解決に向けて取り組んでみてください。

「自分の作りたいものを作る」という工程よりも難易度は高いかと思います。

試行錯誤しながら何か一つ現場のビジネス課題を解決することができれば、
「Pythonを習得した」といっても良いでしょう。

習得したスキルを活かして、ビジネス現場のあらゆる課題をプログラミングで解決する
ことができる、希少な存在となっているかと思います。




6.【まとめ】Python学習のロードマップ


ここまでご紹介してきたPython学習の手順を、以下まとめます。

Python学習のコツを理解する
基本文法の学習
ビジネス現場で活用するための、具体的なスキルの習得
習得した知識・スキルを総動員して、実際に何かを作ってみる
プログラミングでビジネス課題を解決する

この「Python学習のロードマップ」をご参考に、現在Python学習をご検討中の方、
また学習中だが適切に学習を進められているか不安な方は、ぜひ最適な学習方法で
Pythonを習得していただければと思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!
「インソースのPythonマガジン Vol.4」は、これで以上となります。

このメルマガでは今後も、Python学習に関するお役立ち情報、また社内のDX化を
主導するための具体的な方法や、弊社や他社様のPython活用の事例など、
ビジネスの現場で真に活かせる有益な情報の提供を行ってまいります。

それでは、次回もお楽しみに!

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