【事例で学ぶ】「営業妨害」として法外な額の賠償を求められたら、どうする?

目次
今回の「あなたならどうする?」は……
会社の従業員が、小さな日用雑貨店「A商店」の店先で社用車の事故を起こしてしまい、
1時間ほどの事故処理の間、A商店さんの営業を妨害してしまいました。
その後、A商店さんから、事故処理の間の「休業補償」を求めるご連絡がありました。
ものすごい剣幕で、数百万円にわたる損害賠償金を支払うべきだ! と強くおっしゃいます。
それに加え、「店先で事故が起きると客が寄りつかなくなる。それも賠償すべき」、
さらに「補償の一つとして、おたくの会社の事務用品をうちから独占的に買ってもらいたい」という条件も要求しています。
――――法外な額と妥当でない内容の賠償を求められたら、あなたならどうしますか?
こんな場合のクレーム対応のポイントは……
1.自社の責任については、きっちりお詫びを
2.当方の過失でも、「事実確認」はしっかりと
3.「過度な要求」には、弁護士・警察に相談する旨を伝える
1. 自社の責任については、きっちりお詫びを
当然、明確に当方に責任があるミスに対しては、誠意を持ってきっちりとお詫びをします。
2. 「事実確認」はしっかりと
お詫びしたうえで、事故で店が営業できなかった時間や、
A商店の通常の平均売上などについて事実を確認させていただくお願いをします。
補償額については、その場で決めず、後日こちらから正当な額を提示する旨をお伝えしましょう。
当方に責任があっても、「言いなり」になってはいけません。冷静に対処するよう、心がけます。
▼お詫びしたうえで冷静に対処するときは
「ご迷惑をおかけしたことを補償させていただくためにも、まずは事実確認をさせていただきたいのですが、ご協力をいただけますか。ご迷惑をおかけしたにもかかわらず、お手数をおかけして申し訳ございません。」
3. 「過度な要求」には、弁護士や警察に相談する旨を伝える
あくまで推定ではありますが、小規模な日用雑貨店のA商店の場合、
1時間ほどの営業休止で数百万円の損失が……という主張は、妥当とは考えにくいでしょう。
また、「A商店から独占的に商品を購入せよ」という主張は、明らかに過度な要求です。
過度な要求は、「脅迫」に当たる可能性が高いです。
無理な条件を突きつけられたら、まずは先方の要求について、事実確認を慎重に行いましょう。
「無理な要求をされているようだ」「脅迫されているようだ」と感じたら、
迷わず「弁護士か警察に相談して、客観的に正当性のある対応をさせてもらう」旨を伝えましょう。
重要なのは、謝るべきところは謝りつつ、妥当性のないことには「承知しかねる」と主張し、
冷静に毅然とした対応をとることです。
こんな態度や一言はNG!
●「休業補償については承知しましたが、それ以外のご要望については一切お応えできません。」
●「そちらがそんな無理をおっしゃるなら、こっちも警察を呼びますよ?」
●「ふつう、A商店さんほどのお店でそんな額の損失が出るわけないと思うんですけど。」
「クレーム対応」のスキルをさらに学ぶなら……
1名から参加OK&全国で開催中!【公開講座】クレーム対応研修~苦情対応の正しい手順を学ぶ
1万部突破★インソース監修『[ポイント図解]クレーム対応の基本がしっかり身につく本』発売中!
実践スキル獲得を重視!インソースの「クレーム対応研修」の特徴は?
各テーマに特化したカリキュラムは50種類以上!「クレーム対応研修」充実のラインナップはこちら
【研修実施をご検討中の方へ】インソースの研修のお申し込み・企画・実施までの流れはこちら