営業職

頑張っている彼が会社の利益を殺している理由

目次

経理担当者の不満

「君はなかなか請求書を持って行ってくれないね」
「代金の回収が遅れているがどうしたのか?」


営業担当者の言い分

「なんでこんなささいな事を言うのか!」
「苦労して売っているのに、ささいな事をがたがた言わないで欲しい」
「お客さんも大手で潰れる心配はないし、うるさく言って嫌われたら終わりだよ!」
「なにより新規先開拓の営業で忙しいんだ!」・・・などなど。

みなさんは、上司や経理担当者に代金回収に関して小言を言われたことはありませんか? こちらの苦労も知らずに文句を言われ、怒りに似た気持ちがわき上がる瞬間があるかもしれません。

しかし、実はこの経理担当者の指摘は経営という観点から見ると極めて重要です。販売代金回収の遅れは、せっかく営業が稼いだ会社の利益を殺し、場合によっては会社を倒産させる可能性があるのです。


代金回収が遅れると会社の利益が減ってしまう!

会社の運転資金は通常銀行から借りていますが、その借金には当然利息がかかっています。代金回収が送れれば、会社は銀行から余分に資金を調達しなければなりません。借り入れが増えれば、支払利息額が増大増大しますから、同じ売上でも、回収期間の短長で利益は大きく変動します。

ここで一つ、例を挙げてお話しします。
前提
本日 9月10日
支払い条件:月末締め翌月末払い 販売額100万円(利益率10%)
銀行からの借入金利:年利5%

○請求書をお客様に9月30日までに持参した場合
納品日    9月1日
請求書作成 9月25日
請求書発送 9月28日
お客様到着 9月30日
お客様支払い 10月31日
販売日から入金日までの負担金利額
100万円×5%×61日/365日=8,356円

×請求書をお客様に10月1日に持参した場合
販売     9月1日
請求書作成 9月26日
請求書発送 9月29日
お客様到着 10月1日
お客様支払い 11月30日
販売日から入金日までの負担金利額
100万円×5%×91日/365日=12,465円

ご覧いただいた様に、わずか1日の違いで、4,109円も損をしているのです。売上と比べると、0.4%でしかありませんが、利益と比べると、4%減となります。実に、大きな損失となります。より、明確になるようにご説明すると、会社全体で、100億円の売上の回収が1ヶ月遅れたとすると、4000万円の利益減となります。恐ろしい事です。


回収の遅れが、黒字倒産の原因に!

もう一つ重要なのは、回収が遅れた売上と同額の現金が会社から減ることです。現金が減ると、そのために、場合によっては、新規事業ができなかったり、販促が打てなかったり、給与を減らしたりするしかなくなってしまいます(これは重要です!)。
なぜなら、現金がなければ、支払いができないからです。
これがさらに悪化すると「黒字倒産」になります。売掛金(回収していない販売代金)はあるが、いろいろな支払代金がない場合、会社は「資金繰りに窮して」倒産となってしまいます。
営業担当者としてもぜひ、覚えておいてください。

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