クレーム対応

【クレーム事例】市役所で「たらい回し」にされた!案内の不親切【官公庁・自治体】

目次

今回のクレーム対応エピソード

市役所のとある課でのこと。窓口に、イライラしたご様子の市民の方が申請書類のご提出にいらっしゃいました。ところが、どうやら正しい提出先は別の課のようです。そこで、ここの課では書類を受け取れないこと、正しい窓口の場所を伝えましたが、

「1階の受付で〇〇課というから行ったら、そこの係員に「ここに行け」って言われたから来たのに、どういうこと? 急いでいるのに何度たらい回しにするんだ。人を馬鹿にするのもいい加減にしろ!」(40代位・男性)と激怒されてしまいました。

何度もお詫びしましたが、「同じ役所内なんだから、ここで対応できるはず。そうでなければ、担当者がここに来るのが当然だ!」の一点張りです。

とは言ってもここでは対応できないし、受付のミスを言われても......。(市役所勤務)

「ご不便・ご負担」への謝罪からはじめる

このケースでは、お話をうかがう限り、クレームの原因は受付担当者が誤った課を伝えてしまったことにあるようです。そんなとき、クレーム対応に慣れていないと「それって、私(私たちの部署)の責任ではないのでは?」と考えてしまいがちです。

しかし「私(たちの部署)には関係ない」という態度は、お客さまに強い不快感を与えます。同じ組織の一員、組織の代表として、不手際のためにご不便・ご迷惑をおかけしたことをお詫びします。

また、この場合、その経緯をお客さまから聞いただけですので、実は、お客さまの勘違いで、案内された部署とは違う部署に行ってしまったのかもしれません。ですが、仮にそうだったとしても、まずは、ご負担をおかけしたことに対して、お詫びをしましょう。

お詫びの気持ちを全身で表す

お詫びの段で"とりあえず謝っている"と思われるような態度をとることは、相手に強い不快感を与えます。お客さまがこちらの不親切な案内に、どんなにがっかりされているかなど、心情に共感していることをしっかりと言葉や態度で示しながら、お話をよく聴きます。

【おかけしたご不便・ご負担】何度も同じ説明をお客さまにさせてしまった

「〇〇の提出に来たのですが、〇〇課ではないと言われたがここでいいの?」

上記のように、行く先々で何度も同じ説明をしなければいけなかったお客さまのご負担を理解します。この場合は、「自分は丁寧に扱ってもらえなかった」という憤りの心情でしょうか。不慣れな場所で行ったり来たりさせられた焦りや不安といったお気持ちかもしれません。そのお怒りに共感していることを全身で表し、丁寧に謝罪しましょう。

自分にできる範囲のことをきちんとやる

謝罪をしても怒りがおさまらない場合は、お客さまのご要望(ここで書類を受理してもらい、これ以上たらい回しされないこと)をかなえられるかを検討します。

対応例1)その部署に連絡を入れて、誰か対応できる人間が来られるかを尋ねる

対応例2)あなたが担当部署まで書類をお持ちしてご案内し、担当者に説明する

お客さまの意に沿う方法がないか、必要に応じて上司や同僚に相談し、最善の策を考えます。

検討の結果、お客さまの要望にお応えできれば、お怒りを鎮めていただけるでしょう。ですが、希望通りにいかず、お客さまにまたご足労をいただかなければならないときは、正直にその経緯を説明します。

これまで、いい加減に対応されたことにお怒りだったお客さまも、誠実に対応してもらったことで、そのボルテージも下がってくるでしょう。お客さまのお怒りが治まったならば、お客さまには、これ以上お手間を取らせないためにも、確実にその書類を受けつけられる部署をご案内しましょう。

▼自分にできる範囲で最善のお声掛けを!

●「何度もご説明頂き、本当にご不便をおかけいたしました。こちらで担当部署に連絡をしておきましたので、もう一度〇〇課へおいでになってお名前をお伝え願えますか?」

●「何度もご足労頂き、ご負担をおかけしました。私が責任を持ってご案内いたします。」

二度と同じミスをしないことを伝える

お客さまに二度と、このようにたらい回しにしてしまうことがないように、という気持ちで、丁寧に応対します。また、今後、再び同じ事態が発生しないよう努力する旨をはっきりと伝えてください。

▼具体的に何をするのかを伝える

●「今後、同様のことが起こらないよう、今度の『住民サービス向上会議』で対策を取らせていただきます。誠に申し訳ございませんでした」

原因を追究し、業務改善につなげる

次に、このクレームがなぜ発生したかを考えてみましょう。たとえば、以下のような原因が考えられるのではないでしょうか。

【今回の事実】

はじめに訪れた受付窓口が、間違った部署を教えてしまった。重ねて、そこで教えられた部署も担当ではないと言われ、お客さまがお怒りになった

【原因として考えられることは?】

→受付窓口に、業務マニュアルなどが周知徹底されていないのでは?

→受付窓口が「説明力」を身につける必要がある?

→提出書類に、申請窓口がハッキリと明記されていない?

クレーム対応後は、同じミスが再度起こらないように、上司や職場の同僚に本件を伝え、情報を共有するとともに、対応策を検討します。わかりにくい案内であることを担当部署・受付に周知徹底することが重要です。

【まとめ】今回のクレーム対応のポイントは......

●まずおかけしたご不便・ご迷惑に共感し、組織の代表としてしっかり謝罪する
●こちらでできる対応はないか検討し、できる限りのことをする
●案内が不親切であることを認め、同じ事態が発生しないよう努力する旨を伝える
●クレームは「業務改善」につながる貴重な意見である、と考え再発防止に徹する

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