ゼネラリストとスペシャリスト

経営者の視点

ゼネラリストとスペシャリスト、どちらが有利か

「ゼネラリスト」とは、ビジネスにおける幅広い知識や技術、経験を有し、広範囲に対応できる人を指します。「スペシャリスト」とは、特殊な技能を有していたり、ビジネスにおける特定の専門分野に強く適応した人を指します。
これまで管理職への昇進が昇給につながりやすい日本企業では、スペシャリストからゼネラリストへ転向しないと経済的に厳しいとされる風潮がありました。そのため、専門性に特化した人も昇進のために、技術力の向上などよりプロジェクト推進力やマネジメント力の強化を優先させたという場合が少なくありませんでした。一方、最近は超売り手市場といわれる転職時代になってきたため、どこでも専門が活かせるスペシャリストがよいのではないかと考える若者が増えてきています。
これからの時代には、 「ゼネラリスト」と「スペシャリスト」、どちらが有利なのでしょうか。

両者とも「プロフェッショナル」

従業員の側には、ゼネラリスト待望論があります。小さなことにこだわることなく、全体の大きな流れをつかみながら、仕事をスムーズに進めていくためには、ゼネラリストが必要だというのです。また、経営者の側には、ゼネラリストが「変革リーダー」と殆ど等しいという期待感があります。そのため、真のゼネラリストは、どの組織でも通用するプロフェッショナルなのです。仕事の全体を俯瞰し、問題や課題を発見、解決し、関係部署や社外と連携して仕事を進める、事業の推進と調整のプロなのです。
したがって、ゼネラリストは広範囲に対応するプロフェッショナル、スペシャリストは特定の専門分野に適応したプロフェッショナルということがいえます。

プロになるには1万時間必要

さて、その道のプロになろうとすると1万時間は必要だといわれています。1年の勤務時間が2000時間だとして、5年はかかります。例えば大学の専攻が機械工学で学部の卒業まで専門を2年間学んだとしても、機械工学のスペシャリストとは言い難いでしょう。あるいは、法務や会計の難関な国家試験に合格したとしても、5年くらいは社会で揉まれないと通用しないのが常識です。
真の意味のスペシャリストになるためには、まず特定の専門分野のプロフェッショナルにならなければなりません。江戸時代の丁稚奉公で、暖簾分けされて見事に店を持つことができた人は、200人から300人に1人だったといわれています。プロになるのは、今も昔も厳しいのです。

ゼネラリストとスペシャリスト、有利さは比べられない

ゼネラリストかスペシャリストかどちらが有利という議論は皮相的に思えます。プロフェッショナルという観点でいえば、一つの分野に精通しているのがスペシャリスト、分野横断的に組織活動ができるのが経営のスペシャリスト、あるいはマネージャーのスペシャリストです。
この場合、前者と区別する意味で後者のことをゼネラリストと理解するのがよいかもしれません。この論理でいけば、ゼネラリストとは、分野横断的に組織活動ができる経営やマネージャーのスペシャリストと言えるでしょう。

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