管理職

ビジネス格言「情報の取得は"外"、その深化は"内"」

ビジネス格言の一つに、「情報の取得は "外"、その深化は "内"」というものがあります。ビジネス格言と名乗るからには、会社経営にとって重要な意味を持つはずです。


しかし、この格言にピンとくる方はごく少数で、多くの方は意味がよく分からないのではないでしょうか。以下にこの主旨を説明しましょう。是非、ご自身の思考・行動指針としてご活用ください。


まずは「会社の目的」を確認していきます。

目次

会社の目的とは何か

会社の目的は "持続的成長" です。この定義には、皆さん「異議なし」と答えられます。問題はこの先にあります。

"持続的成長" を達成するために、会社はどのような条件を満たさなければならないのでしょうか。

どうでしょう、途端に答えに窮しませんか?

"持続的成長" の条件とは何か

さて、"持続的成長" の条件を2つに分けていきます。「生存条件」「成長条件」の2つです。

先ず前者の条件が利益の計上にあることは自明です。赤字会社は生存できません。それでは後者の「成長条件」とは何でしょう。

実は、この条件も利益を計上することにあります。利益を計上できない会社は、赤字打開策の策定やコスト削減策の実施などに追われ、成長への取り組みに手がつきません。

また、このような会社には、良質な経営資源(優秀な人材、潤沢な資金、有益な情報など)が集積せず、成長への取り組みが制約されてしまいます。利益をしっかりと計上することが、成長に向けた取り組みを促進させることになるのです。

言い換えると、会社が "持続的成長" を確保するうえで、「利益は尊い」のです。この点をしっかりと認識しなければなりません。

管理者にとっての利益と経営者にとっての利益は別物

それでは、会社は "利益" をどのようにして確保しているのでしょうか。

会社では中長期的な視点で、どのようなビジネスを展開し、どれほどの利益を実現するかの羅針盤を先に定めます。「戦略/ビジネスモデル」と呼ばれるものですね。

この「戦略/ビジネスモデル」のもとで、次のステップとして毎期、毎期の目標と経営資源を各部署に配分し、管理者がPDCAを回すことによって利益を実現していきます。つまり、このような2段階構造で利益を実現・計上しているのです。

2段階構造の前者を担うのが経営者です。経営者は、必要に応じて「戦略/ビジネスモデル」に修正・改善を加えます。また、時には「既存の戦略/ビジネスモデル」に置き換わる「新たな戦略/ビジネスモデル」を開発することも検討します。

後者を担うのが管理者です。毎期、毎期の利益の最終実現者として「PDCAをしっかり回すこと」を責務とします。

以上の通り、経営者と管理者は相互補完しながら、会社の "持続的成長" を進めています。

管理者にとっては「情報の取得は "内"、その深化も "内"」

経営者と管理者とでは着目する情報が異なります。

管理者がPDCAを回すために重要なことは、「与えられた経営資源が有効に活用されているか」をしっかりと掌握して、問題点に徹底対応することです。

つまり管理者にとっては、「情報の取得は "内"、その深化も "内"」ということになります。

経営者にとっては「情報の取得は "外"、その深化は "内"」

管理者と違い、経営者は「情報の取得は "外"、その深化は "内"」が重要になります。

良質な戦略/ビジネスモデルを確保するためには、「経済/市場の状況」や「現在の戦略/ビジネスモデルのライフステージ」をしっかりと読み込まなければならないからです。いずれも外部情報です。

先ず、「経済/市場の状況」の例として、地域人口の増減を取り上げましょう。人口が増加している地域では自ずと売上高の増勢が見込まれ、これに対応して拠点進出や生産設備の拡充が検討されなければなりません。一方、人口が減少している地域では、売上高の減少が見込まれ、コスト削減策の実施や、究極的にはM&Aなども検討課題にあがります。

経営者は「情報の取得は "外"、その深化は "内"」を実践しなければなりません。

次に「現在の戦略/ビジネスモデルのライフステージ」についての例をあげましょう。現在の戦略/ビジネスモデルに対して市場の評価が上がると予想される(=成長期に入る)場合、上記と同様に拠点進出や生産設備の拡充が検討課題に上ります。一方、新しい技術などの登場によって現在の戦略/ビジネスモデルが衰退期を迎えようとしているならば、商品力の再強化や新たな戦略/ビジネスモデルの開発が検討課題にあがります。

やはり経営者は、現在の戦略/ビジネスモデルに対する市場評価を得て(=情報の取得は "外")、これに対応する戦略課題を解決しなければなりません(=その深化は "内"になります)。

以上、「情報の取得は "外"、その深化は "内"」というビジネス格言について説明しました。

会社は、経営者が「情報の取得は "外"、その深化は "内"」を、管理者が「情報の取得は "内"、その深化も "内"」を相互補完的に実践することによって、「尊い利益」を実現・確保し、持続的成長を進めています。

特に管理者の皆さんは、PDCAを回す中で、「担当地域の経済/市場情報」「お客さまからの商品・サービスについてのライフステージ情報」を得る機会も多いかと思います。これらの情報を、経営者にしっかりと連携することも忘れてはいけません。

ご参考:インソースの該当研修例

関連記事

前の記事

一覧

次の記事