接客サービス/CS向上

【CS調査日誌⑧】「三猿」から考える、選ばれる接客のコツ

今回のGambatte編集部のCS潜入調査では、都内ターミナル駅すぐに位置する百貨店(主に婦人服、靴・カバン・化粧品の売り場)を見てまわってきました。


「お客さまに選ばれる接客」のポイントとは、どのようなものなのか?
今回の調査を通じて、それは「三猿(見ざる・聞かざる・言わざる)」の真逆
つまり「見る・聞く・言う」をいついかなるときも徹底するということなのではないか、と私は考えました。


調査で体験した、特に「心地良い」と感じることができたあるシーンをもとに、
百貨店スタッフの方が、接客でどのような「三猿」とは真逆(見る・聞く・言う)の行動をされていたかを、ご紹介します。

目次

バッグ売り場にて|20~30代の女性店員さんとの会話

(大学でも社会人になっても使える、A4書類が入る黒いバッグが欲しいと考えつつ入店)

店員「いらっしゃいませ。ゆっくり見て行ってくださいね」

(新商品を手に取って見てみる)

店員(離れたところにいたが、5秒ほどですぐに駆け寄り)「それは当店の新商品でして、1つ前のモデルとはここが違うんです。」(旧型モデルを持ち出して比較してくれる)

「へえ、そうなんですね。」

店員「こちらのような形の商品をお探しなんですか?」

「A4書類が入るバッグが欲しいなって思ってたんです。できれば色は黒で、長持ちするものがいいんですが......」

店員「それなら、本革が使われている新商品のほうがおすすめです。2、3年は優に使えますし、プライベートでも、お仕事でも重宝できますよ。」

「なるほど。ちょっと検討してみます。」

店員「ご予約も在庫状況の確認も、お電話でしていただけます。こちらのパンフレットに、もっと詳しい情報が載っていますので、よろしければお持ち帰りください。」(と、パンフレットを渡し、帰り際もお店の外まで出て、深いお辞儀をして見送ってくださった)

ポイント(1)きちんと「見る」─【見ざる】をしない

▼お客さまを不安にさせてしまう、代表的な【見ざる】の例
・「目の前のお客さま」ばかりを見て、「店全体の様子」を見ていない
・「ターゲット層のお客さま」、「商品を買いそうなお客さま」以外に見ていない ......など

こちらの店員さんは、遠くにいらしても私の入店をすぐに見て駆け寄り、
さらに私のふるまいから興味の方向性を見て、商品のおすすめをしてくださいました。

ポイント(2)きちんと「聞く」─【聞かざる】をしない

▼お客さまを不安にさせてしまう、代表的な【聞かざる】の例
・お客さまの話に耳を傾けない
・5W1H(なぜ・誰に・いつ・どうやって・どこで)を尋ねない ......など

さりげなく「5W1H」のポイントを訊き、私にぴったりな商品を提示してくださいました。
さらにバッグの用途を予測して、2~3年先までを考えたご案内までをしてくれています。

ポイント(3)きちんと「言う(伝える)」─【言わざる】をしない

▼お客さまを不安にさせてしまう、代表的な【言わざる】の例
・必要最低限のお声がけしかしない
・明らかに興味を持っていそうなお客さまにしかごあいさつをしない
・商品にかんする「プラスアルファの情報」を伝えない ......など

結果、購入に前向きではない私にも商品パンフを渡してくださり、その後も発言や行動で「気が向いたらいつでもお越しください」という歓迎の意思をきちんと伝えてくれました。

商品を買わずとも、商品をじっくり知るパンフをくださったことがうれしかったですし、「電話で在庫確認などがカンタンにできる」というプラスアルファの情報を言ってくれたおかげで、またお店を利用してみようかな、と思うことができました。

今日ご紹介した〈「三猿」をしない──見る・聞く・言う、の徹底〉という心がけは、お客さまの「信頼」と「安心」を確実に積み上げるためにかかせない取り組みのひとつだ、ということがわかりました。

また、この〈「三猿」をしない〉という心がけは、日常的な人とのかかわりにおいてもお手本にできる心がけであるようにも感じます。私も、さっそく生活のなかで意識して実践してみようと思います!

編集部あとがき

昨年2017年の12月から、計4回にわたり、
大学3年生向けの職場体験(インターンシップ)を、Gambatte編集部で実施しました。

フィールドワークに出て、感じたことを記事に書いていただいたのですが、
学生さんのハツラツとしたパワーに、私たち編集部も元気をもらいました!

フィールドワークに出かけた百貨店さんにせめてものお返しにと、
毎回、地下でランチ用のお弁当を買って、
みんなでわいわい話しながら、おいしくいただきました。
ありがとうございました 〈 Gambatte編集部より 〉

接客・接遇のスキルを磨き、ワンランク上のサービスを目指すなら。

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