クレーム対応

【事例で学ぶ】原因不明のトラブルで、一方的に責任を追及されてしまったら?

目次

今回の「あなたならどうする?」は......

何らかの障害により、A社にご利用いただいているシステムが突如ダウンし、
A社の業務が半日間ほど止まってしまうトラブルが発生してしまいました。

A社の担当者は「おたくのシステムの欠陥が原因に違いない!」と激昂しています。

しかし、開発チームが3日間ほど徹夜して調査を続けても、
当社開発のシステムに原因があった証拠をつかむことができません。

「この障害でいくらの損失が出たと思う? 損害賠償を請求させてもらう!」
ついにはA社の担当者から、こう要求されてしまいました......。

――――原因不明のトラブルで、一方的に叱責されてしまったら、あなたならどうしますか?

こんな場合のクレーム対応のポイントは......

1.責任の所在にとらわれず、「優先すべきこと」を見極める

2.お客さまの協力を仰ぐ

3.トラブル対応中の状況などは、適宜お知らせする

1. 「責任の所在」にとらわれず、「優先すべきこと」を見極める

まずは、状況をじっくりお伺いしたうえで、ご迷惑とご不便をおかけした「遺憾の意」を表明してお詫びし、
トラブル解決に向けて迅速に動くことを約束しましょう。

トラブルが発生したが、どこに原因があるかわからない」という事態は、現場ではよくあることです。突然のトラブルに焦って、責任の所在にこだわってしまう人も珍しくはありません。

しかし、ここでお客さまのお怒りに委縮して冷静な判断ができなくなると、事態はさらに悪化してしまいます。

責任の追及にこだわり、取り組むべきことがあいまいになりそうなときは、
「誰が悪いか」を追求するより、問題解決(今回のケースでは、迅速な復旧と原因の特定)を優先するほうが双方の利益にとっても重要だ、という対応方針をはっきり表明します。

▼お詫びと、復旧に向けての方針をはっきりと伝えるときは
「このたびのシステムダウンでは、たいへんなご迷惑をおかけしており、誠に申し訳ございません。
一刻も早いシステム復旧を最優先事項とし、迅速な問題解決を試みます。
その後、全力で原因の究明に取り組んでまいります。」

2. お客さまの協力を仰ぐ

トラブル原因の解明に難航するケースでは、お客さまの尽力が不可欠なこともあります。

お客さまの気持ちが落ち着いたところで、問題解決に向けてのご協力を依頼しましょう。

お客さまとともに原因解明に臨むことで、お客さまとの信頼関係を再構築するためにも欠かせません。

「こちら側の言い分」を述べたり、依頼でお手間をおかけしたりするときは、お客さまのご様子がいくらか落ち着いたのを確認してから、お話するのがポイントです。

3. トラブル対応中の状況などは、適宜お知らせする

クレームを受けてこちらが解決に動くときは、その状況をご理解いただくためにも、「何が起きているか」をお知らせする必要があるでしょう。

今回のような場合はもちろんですが、どんなクレームを扱うときでも、
問題解決のために、我々がどのように行動しているか
行動した結果、どうなったか/どのようなことが明らかになったか
という情報は、なるべくはっきり開示するようにします。

クレーム対応の動向がわかると、お客さまは安心できます。

お互いの「共通の目的」は何か? を常に意識しよう

ここで言う「共通の目的」とは、一刻も早くトラブルを復旧させ、原因をつきとめること。
責任の所在がどこにあるかは今の段階では重要ではない、と考えるのです。

「共通の目的」さえ共有できていれば、お客さまと再び信頼関係を構築することは、さほど難しいことではありません。

こんな態度や一言はNG!

●「そう言われましても、こちらも復旧作業で、がんばっているんですよ!」
●「そもそも、お客さまの側に原因があるのではないかと思うんです。調べてみてくださいますか?」
●「弊社の責任かどうか明らかではないのに、そんなことを言われても困ります!」

「クレーム対応」のスキルをさらに学ぶなら......

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