経営者

手土産はコミュニケーションツールと考える

経営者は接待や会食で手土産を渡すことが多いですよね。形式的なものだからといつも秘書に任せきりにしてはいませんか? もしも秘書が手土産を用意することを忘れていたら、スマートに対応できますか?

手土産を、形式的なものととらえるか、そこから一歩踏み込んで、コミュニケーションツールとして考えるかによって、接待の満足度を大きく左右します。

例えば、遠方に帰るお客さまに重くかさばるものを差し上げれば、機転のきかない人間だとビジネスセンスさえも疑われてしまうでしょう。反対に、相手に手間と心をかけている姿勢が表れた手土産が大きな商談につながるきっかけになるかもしれません。

また、経営者のあなたなら手土産の重要性を理解していると思いますが、その思いは秘書と共有できていますか?忙しい経営者が、接待先の好みを把握した品を自ら用意することは不可能です。手土産を準備する際に気をつけなければいけないポイントについて確認し、秘書と意識を共有しましょう。新米秘書を育てたい経営者の方も必見です!

目次

包装や紙袋までセンスが問われる

手土産を渡すマナーとしては、汚れがついているかもしれない外袋から出して渡すのが基本です。お客さまがそのまま手土産を持ち運ぶ必要がある場合は「袋ごと失礼します」と言葉を添えて紙袋まで渡します。

手土産をもらう側は良い品をもらい慣れていますので、包装や外袋の雰囲気も失礼のないように注意が必要です。いかにも贈答品とわかるデパートの包み紙は、そのお店の紙袋に変えてもらう、無地の紙袋に入れ代えるなどの工夫も考えましょう。色あせや、シワの寄った紙袋は論外です。

経営者が会食に持っていくまでの移動時間、交通手段を考えて、持ち運びにも留意してほしいものです。

  • 事前に参加人数を確認する

用意する手土産の数を事前に確認することは非常に大切です。経営者が一人で持っていくなら、かさばらず持ち運びしやすいものにする必要があります。荷物まみれになって渡すまでにクシャクシャになっては意味がありません。

  • 「手土産セレクション」2つのリストを秘書に作成させる

手土産はその場を和ませることもできれば、商談に発展させることもできる強力なツールです。利用しない手はありません。しかし秘書が独断で品物を判断することは非常に危険です。そこで、事前に2つのリストを秘書に作成させ、情報の共有を促しましょう。

①顧客別手土産リスト (お客さま情報と、差し上げた手土産の履歴をリスト化しておきます)

リストを見れば誰もがすぐにわかるように、気をつけるべき点は赤字で注意喚起!

・お客さまの年齢、性別
・食の好み、アレルギーの有無
・趣味嗜好
・ご自宅の場所、移動時間、交通手段
・会食の後はまっすぐご自宅に帰られるか。ご家族に向けたものにするか
・単身か、ご家族と同居か
・家族構成、奥さまの趣味、お子さまの年齢
・健康上、宗教上のこだわりはあるか
・その他 取引がNGなブランド (競合を思い起こさせる商品、など)
・これまでの手土産履歴 (反応など)

「またこれか」と思われないように工夫しましょう。「最近は甘いものは召し上がらないらしい」「お子さまが独立してご夫婦お二人になった。あまり量の多いものは避けて」などの情報を得ることができれば、準備する側の秘書も、お客さまの喜ぶ顔を想像して品を選ぶことができます。

②定番手土産リスト

秘書が手土産を忘れた、急な病気で不在など不測の事態に備え、間違いなく手に入る手土産のリストを作成しておくと安心です。

・ホームページのアドレス
・営業時間、定休日
・電話番号
・価格帯

やむを得ず駅などで購入する場合は、ビニール袋から出して無地の紙袋や風呂敷に入れ代えましょう。手ごろな価格で紙袋、風呂敷などの予備をストックすることで対応できます。

上記2つのリストを参照して常日頃より秘書と情報を共有します。
経営者は、秘書がどんな理由でその手土産を選んだのかをぜひ聞いておきましょう。お客さまにお渡しする際に話の糸口になります。

  • 接待当日はアクシデントに備える。秘書には携帯電話を持たせ、待機させるべし

経営者は、その贈り物が本当にお客さまに喜ばれたかどうか秘書に最後まで責任を持たせます。外袋が破れた、会食の参加人数が増えたなど、予想外のアクシデントに可能な限り応えられるよう、どこにいても連絡が取れるように携帯を持たせましょう。アクシデントに対応できる人員を確保しておくことも重要です。

秘書が不在時には誰がどうやって手土産を用意するのか、秘書や部下と日頃から話し合い、シミュレーションしておくことで不測の事態に備えます。

秘書に感謝を忘れず、秘書を育てる

秘書とのコミュニケーションができていないと手土産は効果が激減します。

品を選んだ理由やエピソードをお客さまに話すことで、どんなふうに会話が広がったかを秘書に伝えます。お客さまに思った以上に喜んでいただけた時も、「良い品を選んでくれてありがとう」「君は目利きだね」といった感謝の言葉をかけましょう。秘書は自分の業務にやりがいをもち、また、普段の電話や受付での応対もよりいっそう顧客の側に立つことができるようになります。

また、何か落ち度があった時も、必ず秘書へフィードバックをしましょう。どんなアクシデントがあったか、何が困ったかといった情報は非常に重要です。かさばった、重かった、苦手なものだった、など、失敗した品から学ぶことは多いものです。

秘書は前述したリストのメンテナンスを忘れずに、次回の準備に備えましょう。

喜ばれる手土産はチームの力で

このように、お客さまに喜ばれる手土産の準備は「渡す人(経営者)」と「用意する人(秘書またはそれ以外の人)」とのコミュニケーションが欠かせません。経営者は顧客の情報をできるだけ秘書に伝え、秘書は話題になるような地元のもの、喜ばれるもの、お客さまの好みの品を日頃からリサーチします。双方の情報を共有することで、「お客さまと長く良い関係を築く」ためのチームを作ることができます。

また、こういった贈答品のマナーはネットの情報だけでは対応できないものです。日頃から手土産の意味をしっかりと秘書や部下に話すことは非常に大切です。情報や失敗談を通して手土産スキルを学ばせ、お客さまを喜ばせるプロに育てましょう。

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