管理職

今、目的・目標意識の持ち方は「二刀流」の時代へ

いきなりですが、出来る人と出来ない人を分ける重要な要素の一つに、「本人に目的・目標意識が備わっているかどうか」があります。


確かに、目的・目標意識の有無は仕事の質や結果を大きく左右します。例えばAさんは良く出来ると評判の若手。一方、同期のBさんは評価がいまひとつです。


Aさんは「会社の目的・目標達成に自らもしっかりと貢献したい。自分に不足する知識・能力については自ら進んで補強し、成長していきたい」と考えています。


一方Bさんは、「目標は与えられるもの。自らのレベルアップについても会社が手当してくれるもの」と思っています。


両者の仕事の質や結果がどれ程違うかについては説明するまでもありませんね。「本人に目的・目標意識が備わっているかどうか」の成せるワザです。

目次

実はAさんも不十分? 変化が激しい時代のリスク

さて、実は問題はこの先にあります。ここからが本題です。

評判の良いAさんですが、果たしてこれで十分と言えるのでしょうか。答えは「いいえ」です。

Aさんが身につけている目的・目標意識というものは、現在身を置いているビジネスモデルの枠内で、これに紐付いたかたちで導かれています。逆に言うと、この枠を超えて別の目的・目標意識を持つことはできていません。同時に、別の目的・目標意識に照らして必要となる知識や能力を身につけることは出来ないのです。

今は変化が激しい時代です。自ら携わるビジネスモデルが突然顧客の支持を失い、消滅することもあり得ます。これに併せて、自らも "技術的失業" に直面する可能性があるのです。

「自分が一所懸命培ってきた技術が一瞬にして役に立たなくなる!」

――一部の業界、技術革新が激しいエンジニアリング分野では、こうしたことが頻繁に起きてきました。

今、この "技術的失業" の問題が多分野に拡大していくのではと危惧されています。私たちは新たな技術や新たな社会的課題への対応が必要とされる技術を、別のものへと変化させ続けているからです。

例を挙げましょう。
今、DXやAIが進展していますね。これによってマーケティングとDX・AIが融合し、金融とDX・AIが融合し、輸送機器とDX・AIが融合し、更には専門職機能(会計、法務など)とDX・AIが融合しています。

結果、自分自身が一所懸命培ってきた知識、技術、能力が、一気にレガシー化していきます。環境問題、生活様式、働き方改革、貧困解消などの新しい社会的課題の解決に向けた取り組みも、自分自身の居場所や処遇に変化をもたらします。

求められるのは「二刀流」。二つ目の目的・目標意識を持つために

それでは、私達は上記のような課題にどのように対処していけば良いでのしょうか。これからは、既存のビジネスモデルを前提とした一刀流の目的・目標意識の保有に加えて、もう一つ別(=二つ目)の目的・目標意識を持ち、この意識のもとで新たな自分力を高め、今後の変化に対処しなければなりません。

つまり、時代は皆さんに「二刀流」を要請しているのです。

二刀流に挑戦するにあたって、今後「 "成長のカギ" が何か」に着目することも大切です。上記に例示したDX・AI、環境問題、新しい生活様式、働き方改革などは、世の中の "成長のカギ" になるものです。

また、現在日本経済が抱えている課題も、今後の "成長のカギ" につながります。食糧自給率の低さに起因する食の問題をどうするのか。コロナ感染症対策から浮き彫りになった医療・医薬品体制をどうするのか。地震に加えて気候変動リスクが高まる中で防災体制をどうするのか。などが挙げられます。

これだ! という "成長のカギ" を自ら選択した後は、先ず "耳学問" を活用してみてください。セミナーや講演会を多数視聴し、そこで紹介された書籍・文献などに接し、問題の全体像を掴んでください。そして、何故これが成長のカギになるのか、そのインパクトはどれほど大きいのか、どのようなビジネスモデルが新たに形成されるのか、自分にとっての機会と脅威は何か...... に思いを巡らせてください。そして、(二刀流としての)二つ目の目的・目標意識のもとで、新たな自分力を大いに高めてください。

世の中は今も猛スピードで変化しています。自分の力だけでこのスピードについていくことは出来ません。

繰り返しになりますが、二刀流になるにあたって、最初は "耳学問" が有効です。まずは聞いて学ぶことからスタートし、効率良く自分力を高め、「二刀流」として更なる活躍に繋げてみてください。

ご参考:インソースの関連研修例

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