ダイバーシティ時代における目標管理の意義

- 目次
目標管理は誤解されている!?
「目標管理」とは、社員一人ひとりに自ら目標をたてさせた上で、その達成に向けた主体的活動を促し、組織目標の達成につなげようとするもので、ピーター・ドラッカーが提唱したマネジメント手法として知られています。バブル崩壊後のリストラ期には、多くの企業が成果主義にシフトしていきましたが、そこでの人事評価ツールとして目標管理を採用する動きが相次ぎました。その結果、目標管理に対して、「高い目標によるプレッシャー」や「納得のいかない評価のされ方」といった、ネガティブなイメージを持つようになった人も少なくないのが現実です。
本来の目標管理は、一定枠の中で部下に自分のやりたいことで目標を立てさせ、それに向かって試行錯誤し、成果を上げさせようとするものです。管理者は、部下の目標達成を支援する立場となり、それを通じて組織目標を達成しようとする、きわめて人間本位の経営管理手法です。そして、この"本来の"目標管理は、人材の多様化が進むダイバーシティ時代においては、とても合理的な手法であるといえます。
ダイバーシティと相性の良い目標管理制度
人はそもそも多様な存在ですが、従来の職場においては、その多様性を一定の幅の中に抑えつつ、標準化された経営資源として活用することで、成果に結びつけてきました。しかし、昨今の職場は、性別や国籍、価値観や働くスタイルなど、これまでとは比べ物にならないくらいの多様性を帯びており、その多様性に合わせた人材活用の道を探ることが不可欠となってきました。そこで、一人ひとりが掲げるそれぞれの目標に向かって力を発揮させる目標管理の手法が、再び脚光を浴びるようになってきたのです。
目標管理は人事評価ツールではない
一方で、多様な人材が同居する職場においては、明確なルールのもとで人材を評価することも大事なポイントとなります。外国人であっても、また時短勤務者であっても、成果に応じて公平に評価することが求められますが、ともすると目標管理制度のもとでは、成果に対する評価が、自分で勝手に決めた目標を基準に行われるものと誤解されがちです。目標管理はあくまで経営管理手法であり、人事評価のためのツールとは別物として理解させる必要があります。
人材の多様性はうまく活用できれば強みになりますが、画一的な方法でマネジメントしようとすると、個々の能力が生かせず、生産性を下げてしまいかねません。お互いに相手の仕事を尊重しあうことが、目標管理を機能させる上でのカギとなり、同時に多様化した職場をマネジメントする上での要諦でもあるのです。
おすすめリンク
関連記事
■関連読み物一覧
-
-
公開
ジョブ型雇用を形骸化させない人事実務と設計の要点~制度を根付かせるための4つの観点
ジョブ型雇用を導入しても、実際の運用でつまずく企業が増えています。本記事では、日本企業で起こりやすい失敗の構造と、制度を機能させるための実務的ステップを整理します。評価や報酬、育成との連動まで踏み込み、現場が動き出す仕組みづくりを具体的に解説します。
-
-
-
公開
平等と公平は違う~ダイバーシティ推進の時代にこそ問われる公平な評価制度と、「信用残高」の考え方
「全員を同じように扱う=平等」と「一人ひとりに応じて適切に扱う=公平」は似て非なる概念です。以前よりも多様性が進むいま、「公平」な評価制度の構築と運用が急がれます。本記事では、平等と公平の違いをわかりやすく整理し、評価の納得感を高める実践ステップと、組織の中で信頼を築く信用貯金の重要性を紹介します。
-
-
-
公開
社員の力を引き出す職場づくり~働きやすい環境をつくるコミュニケーション
働きやすい職場は、制度や仕組みだけでなく日々の関わり方よって実現されます。一人ひとりが「自分らしく働けている」「ここにいていい」と実感できる環境を実現する具体的な方法を紹介します。
-
-
-
公開
KPIはノルマじゃない~KSFと組織目標から逆算する、KPI設計法
KPIとはあくまで「指標」であり、目標ではありません。本コラムでは、KPIの設定方法と、有効にするための改善サイクルの回し方を解説します。組織目標と連動したKPIを決め、必要に応じて見直しながら運用することが大切です。
-
-
-
公開
異文化理解教育とハラル認証対応の実践法~お客さまの頼れる店になる
スーパーや飲食店では、多国籍のお客さまや従業員への配慮が求められます。本記事では、店長が取り組むべき異文化理解教育とハラル認証対応を解説。ハラルを知らないことで現場で起こるトラブルや、お客さまの要望に応える姿勢の重要性を紹介し、実践的なアクションを提案します。
-
-
-
公開
【人事評価制度への不満1】評価される人がどんなひとかが分からないから、頑張りようがない
組織が求める人材要件レベルに従業員個々人が達しているか、どの程度期待に応える働きぶりができていたかを見える化して判断する仕組みが「評価制度」。形骸化している状況を早く脱する施策をご紹介します。
-
-
-
公開
【人事評価制度への不満2】通常業務ができないくらい面倒!真面目になんてやってられない
評価記録は何を使ってまわしていけばいいの?表計算ソフト、クラウド型評価システム、日報等のコメントフィードバックツール...それぞれを用いた場合のメリット・デメリットを解説します。
-
-
-
公開
【人事評価制度への不満3】評価面談が苦手はただの言い訳。イケてない上司を脱却するマインドセットと準備
上司が評価面談から逃げようとしている様子は残念ながら部下にも伝わり、「自分は正当に見てもらえていない」「こんな人に評価されたくない」「こんな人を昇格させている組織に長く居てはいけない」とエンゲージメントを下げる要因になり得ます。
-
-
-
公開
LGBTQ+とは?~誰もが安心して働ける組織を作るための4つのステップ
誰もが自分らしく働ける職場づくりのために、LGBTQ+やSOGIハラスメントに関する基礎知識をわかりやすく解説します。多様性を尊重し、安心して働ける環境を実現するための4つのステップを紹介します。
-
■関連商品・サービス一覧
-
-
公開
(半日研修)コンピテンシー基礎研修~成果につながる行動特性の理解と実践
-
-
-
公開
(半日研修)評価者研修~納得感を高める下位評価フィードバック編
-
-
-
公開
<課題解決ワークセッション>離職防止策策定(2日間)
-
-
-
公開
管理職向けエンゲージメント向上研修~心理的安全性、インクルージョン、ビロンギング
-
-
-
公開
<課題解決ワークセッション>教育体系ツールをつくろう!(2日間)
-
-
-
公開
仕事と介護を両立できる組織づくり研修~理解を深め、チームで支え合う(半日間)
-
-
-
公開
ビジネスにおける人権を考える研修~アンコンシャス・バイアスを打破する(2時間)
-
-
-
公開
職場復帰ナビ~受け入れるリーダー向け
-
-
-
公開
全社員向けエイジダイバーシティ推進研修~年齢の違いを越え良い関係を築く(半日間)
-








