研修担当者

社内講師のメリット・デメリットと、研修成功の要点を考える

多くの企業で、社外・社内の研修が実施されています。社内研修は自社の特性を生かしたプログラム構成やコスト減が可能なため、ほとんどの企業が何らかの形で取り入れています。しかし、社内研修で難しいのが講師の問題です。
さまざまな知識や経験をもつ社員が自ら講師に応募する企業もありますが、多くの場合は人事部門が決めた研修テーマに沿って社内から適任者を選出します。仕事の実績に基づき選ばれることが多いのですが、仕事ができる人が良い講師とは限りません。一方で、同じ内容でも講師次第で、受講者の理解や成果が異なってしまいます。

このページでは、社内講師による研修成功のポイントを考えていきます。

目次

社内講師のメリット・デメリット

一見、自社内の講師は業務や顧客をよく知っているし、コストがかからないし、良いことばかりのように思えます。しかし研修を実施してみると、思い通りに運ばないどころか、不都合が発生する場合さえあります。
メリットとデメリットを整理してから、社内講師による研修を検討しましょう。

 メリット ・スケジュール変更などの対応がしやすい
・研修後のアフターケアが行き届きやすい
・企業の実状に沿った研修ができる
・内製化による経費削減になる など
 デメリット ・社内の(上長など)講師に対して本音で発言しにくい
・講師に研修実施に関連する業務負荷がかかる
・講師の質の個人差が大きい → 性格、得手不得手などによる
・候補者が見つかりにくい
・講師に新鮮味がない など

体得すべき3つの要素

成果が出る研修にするためには、講師の情熱だけではなく、受講者の関心をそらさず理解してもらうための必須要素、3つのスキルが必要です。

1. 研修企画スキル

研修の目的である課題を明確にして分析し、解決につながる研修内容を企画・構成する技術です。まだ何も知らない受講者が理解して、必要性を認め、行動できるよう導く手順を組み立てることが大事です。

2. インストラクションスキル

講師が積んだ経験と知識を、現在の環境変化を踏まえながら、わかりやすく教える力です。受講生が自身のこととして臨場感をもって行動できるように、実習やロールプレイ、ケーススタディなどを盛り込んで教えましょう。

3. コミュニケーションスキル

受講者を主体的に参加させるための聞き方・伝え方、集中に導く会話力です。論理的かつ楽しく飽きない双方向性の会話で、研修課題がより明確になり行動に移す意欲が生まれます。

やってよかった社内講師

受講者にとって研修は、前向きに参加すれば、有益な刺激として成長のきっかけになり得る体験です。
社内講師も同じです。「自分が担当する仕事だけでも忙しいのに、研修の企画や準備に時間と労力を使っている。にも関わらず、実際の研修では受講生の反応が鈍く、業務上にも大した成果が現れない。これでは名ばかりの研修で、実質は時間の浪費、報われないのでやる気も出ない」という気持ちは一旦おいてください。そうしないために社内講師という新しい体験を前向きにとらえて積極的に試みれば、必ず手応えがあります。
社内講師を担当することのメリットにも捨てがたいものがあります。

・自身の人材育成能力が高まる
・講師を担当することで、社内の評価が高まり信頼度が増す
・社内の各部署など仕事に有益な人脈が広がる

こうした効果が自身を成長させ、企業に貢献している実感を生みます。
加えて受講者の反応がよく、やる気に満ちた研修ができれば、講師の自信につながり、より良い研修に仕上がります。天性の講師はいません。
無口でも口下手でも不器用でも、しっかりした構成・内容・会話の技術を体得すれば、講師の個性を生かした有意義な研修になります。ユニークで有益な研修が、社内の評価だけでなく社外にも聞こえ、企業の名物講師になることもあり得ないことではありません。
こうした社内講師の成長に手を貸すのも、研修担当者の仕事です。

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