クレーム対応

「クレームは宝」の意味を探るシリーズ① 組織は、お客さまの声を受けて「進化」する

これまでに寄せられたクレームが記録され、共有され、業務改善に活かされている職場は、幸せな職場だと言えるでしょう。「顧客満足(CS)」の観点からみると、お客さまを満足させる商品・サービスの提供を追求するために、クレーム対応はきわめて重要な情報収集のプロセスでもあるのです。

目次

「リピーター」の反対言葉を知っていますか?

気に入った!オススメ!また絶対来たい!......こんな感想のお客さまが二度、三度利用して下さり、口コミをして頂けたり。長年の常連、とまではいかなくても、「リピーター」になって頂けるのは何より嬉しいことですね。ではその反対の言葉を知っていますか?

「二回目はないわ~。」「残念な店だな。二度と来るか!」......心の中でだけ思って、直接クレームを言わずに黙って立ち去る人々......リピーターとは正反対の立場の方々、そう、「サイレントクレーマー」です。クレームを言う=「恥をかかせてしまう」と感じて遠慮したり、わざわざもめごとになることを避ける人がほとんど。サービスを提供する側も、「これってどうなの?」「もう少しこうならないの?」とハッキリ言ってくるお客さまに対しては「面倒なクレーマー」扱いしてしまう傾向もあります。

また、面と向かって言えなくても、心の中で感じた不満をぶつけるために「二度と行かない」と匿名で口コミサイトに書き込む方もいるかもしれません。何故かリピートがつかないなあ、と感じるときは、「物言わぬお客さま」の存在を一度考えてみてはいかがでしょうか。

「クレームは宝である」って、どういうこと?

1.「お客さまの不満」を探るには、多大な労力がかかる

このように考えると、どんな些細なクレームも、業務改善のための「気づき」を与えてくれるものであることがわかります。サービスをする側の人間にとっては当たり前になっていることでも、お客さまにとっては不満に感じることもあります。「そんなことなら、言ってくれたらすぐに直すのに......」と思うこともあるでしょう。「クレームは組織の『宝』である」と呼ばれる所以です。
クレームを言ってくれる人を1人見つけたら、背後に9割とも言われるサイレントクレーマーがいるといわれます。クレーム対応には顧客満足度を上げるヒントが隠されているのです。

2.クレームは恥? 宝?

最初に認識したいことは、クレームをゼロにすることは不可能だということです。クレームが起こることを「恥」と考え、クレームが発生するに至った原因から目を背けるといつかまた同じクレームが起きます。
商品やサービスにはクレームがつきものなのだと理解し、クレームを前向きに捉えることでどんなことが期待できるでしょうか。

(1)良質なサービス・商品が提供できる業務改善につながる⇒お客さまのためになる
(2)サービス・事務フローの見直しのきっかけになる
(3)会社・組織の改善、しいては社員一人ひとりの成長につながる
(4)クレーム対応によって明らかになった問題点を改善することで、同じようなクレームを減らし、再発防止に取り組むことができる
(5)PDCAに乗せてクレーム対応を繰り返すことでCS(顧客満足度)向上につなげる
(6)クレーム対応の記録が積み重なれば膨大なデータベースとして活用できる

自社に特化したクレーム記録情報の有効利用によって、クレームの再発防止に取り組むことがサービス改善への近道です。クレームは会社、組織の宝なのです。

3.クレームはマーケティング

クレームを避けず、お客さまの声を拾い上げる機会ととらえてサービスの改善を繰り返しましょう。
また、その組織によってCS(顧客満足度)の目指すところは違います。自組織がどんな満足度を目指すのか、どういったコンセプトでサービスを提供しているのか、組織のものさしをしっかり持つことが重要です。組織のものさしは「判断軸」というはかりになり、クレーム対応をラクにしてくれます。

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