インソースの2024年市場環境と営業戦略

インソースの2024年市場環境と営業戦略

市場環境について教えてください

社会人教育市場、人事部門のIT化(LMS)DX教育市場ともに、拡大傾向にあり成長余地は大きいと考えています。

市場は拡大予想。自律的成長に向けた挑戦がカギ

社会人教育市場は、25年に3,500億円、30年に4,250億円以上と想定しています。当社の市場シェアは現在3.4%であり、まだまだ拡大していけると考えます。また、人事部門のIT化市場についても、25年に160億円、27年に190億円と想定しています。人的資本投資や人手不足を背景としてHR Techのニーズは拡大しており、24年9期に18億円である「Leaf」の売上はまだ伸ばしていけると考えます。

さらに、今後の重点施策のひとつでもあるDX教育に関する市場は、25年に380億円、30年には780億円と想定しています。すなわち、既存事業はいずれも成長余地があります。自律的な成長に向け、競合他社との差別化を明確に行うこと、また既存顧客の深耕に向けた提案力や新規開拓力の向上が重要であると考えます。さらに加えて、新規事業の開発で、成長に勢いを付けていきたいと考えています。

24年9月期の営業施策の振り返りを教えてください

新規出店と、1社あたり売上向上に向けた大型提案活動を実施。また、顧客セグメント別に異なる営業活動を強化しました。さらに、社内のデジタル活用教育により営業一人あたり営業利益が10.2%増加しました

8都市で営業拠点を開設、地域密着の対面営業を強化

24年9期は、新宿、千葉、立川、みなとみらい、北九州、富山、金沢、高崎と、全国8か所の拠点を新たに開設しました。どの拠点も、地域のお客さまに足しげく通い、地域の競合他社情報も含めたお客さまの人材教育のご事情をうかがったうえでご支援をしています。

今後も対面型研修のニーズの増加に合わせたセミナールームの開設とともに、営業拠点の開設も積極的に進めていく方針です。

目標売上到達社数をKPIに設定し、コンサル力強化の勉強会を実施

24年9期からの新たなKPIとして、顧客セグメントごとに1社あたりの年間売上高目標を設定し、週次の全社朝礼で進捗を共有しました。また、目標到達に向けてコンサルティング営業力や資料作成力強化のための社内勉強会を複数回開催しました。結果として、売上高目標到達社数を20%以上伸ばせたのがMMセグメントのみとなってしまった点に課題は残りますが、1社あたりの取引金額を拡大していくマインドセットやそのための具体的行動がとれた点は収穫と考えています。

若手層で構成されたDX支援部が、社内のDXも推進

コンテンツ開発本部傘下のDX支援部(25年3月末時点)が、お客さま向けのコンテンツ開発やコンサルティング業務はもちろん、社内のDX推進による業務効率化も行っています。例えば、当社公開講座の4,000を超える講座を、お客さまの階層要件に当てはめて研修体系化し提案資料にするという業務を、ExcelのVBAを使って自動作成できるようにするなど、営業担当者が社内事務にかける時間を削減してお客さまと接点を増やせるような仕組みづくりを行っています。

結果的に、24年9期の営業一人あたり営業利益は1.8百万円(10.2%)増加しました。次々登場する生成AIやBIツールなどについてもDX支援部が情報収集と整理を行い、コンテンツ開発と同時に社内向け勉強会を週1回開催しています。DX支援部のメンバーは、マネージャーを含めて20代~30代前半の社員が大半で、今後の発展が社内的にも注目されているチームです。

顧客セグメント別セールスの手応えはいかがですか。また、今後はどう発展させていくのですか

顧客の解像度が向上し、営業活動およびコンテンツ開発で手応えがありました。今後は、実質5本部制で競い合いながら、より一層丁寧な営業活動を行います

セグメント別アプローチ手法が「暗黙知」から「形式知」「集合知」へ。5本部制でさらに独自色ある施策へ

顧客セグメントごとの1社あたり年間売上高目標を設定するとともに、各セグメントで提案強化する商材や、訴求する当社の強みを変更しました。。もちろん、従来から個別の営業担当者が顧客ごとにそうした工夫はしていましたが、全社共通のノウハウとして構築・共有されてきたことは成果と考えています。25年9月期からはターゲットセグメントごとの本部制に移行していますので、この動きをさらに強化していく予定です。

エンタープライズビジネス(EB)(従業員数:2,000名~)(※)

24年9月期には、三菱UFJフィナンシャル・グループ様や清水建設様などを始め、DX推進のご支援を中心に、当社グループの総合力を生かした大型案件のニーズ発掘と提案が進みました。EBセグメントをメインターゲットとする第一営業本部では、大企業取引経験の豊富な杉山晋一が本部長に就任し、個社の経営戦略や人事戦略に合わせてカスタマイズした、伴走型のご支援を進めます。

※25年9月期より、EBの定義を従業員数2,000名以上の企業に変更いたしました

ミッドマーケットビジネス(MM)(従業員数:300~1,999名)

24年9月期には、経営トップに向けたコンサルティング提案を強化し、1社あたり売上高目標到達社数は51社から70社に増加しました。MMセグメントをメインターゲットとする第二営業本部には、インソースコンサルティングで戦略を立案している帰山智幸が就任し、アセスメントと複数回の研修からなる次世代経営層の育成プログラムなど、顧客の重要な経営課題に対応する提案を強化しています。

グロウビジネス(GB)(従業員数:~299名)

24年9月期は、公開講座や動画レンタルプランなどを中心に拡販しました。GBセグメントをメインターゲットとする第三営業本部には、コンテンツ開発やコンサルティングの知識・経験が豊富な小林洋介が就任し、今後は評価制度の導入・見直しや教育体系導入支援など、小規模企業のコアな経営課題に対する提案を行います。

公共

24年9月期は、Leafの大型案件の複数獲得と利用開始により売上高が23.5%増となり、他セグメントと比べて大きく伸長しました。公共セグメントをメインターゲットとする第四営業本部には、Leafを新規事業として立ち上げ成長させてきた、ITサービス事業部長の田中俊が就任し、Leafと研修の複合提案による取引拡大を目指します。

DX(全セグメント対象)

25年9月期成長の柱であるDX教育関連サービスは、全セグメントにおいて重点テーマとして拡販していく必要があります。インソースデジタルアカデミーの代表取締役執行役員社長には24年12月に金井大介が就任し、兼務であるインソース営業統括室とともに戦略を立案し、業績を拡大していきます。

現在の営業現場の課題と対策を教えてください

セグメントをより細かく区切り、丁寧かつスピーディに営業するために、拠点長やグループ長を担える次世代リーダーの採用が課題です。ダイレクトマーケティング強化とともに、地道に取り組みを進めます

企業規模のみならず、業界・職種・エリアなど、「細分化」して提案の精度を向上

現在は、顧客の企業規模によるセグメントで活動を行っていますが、これ以外にも、業界別、職種別など、顧客属性の捉え方は無数にあります。これらを細かく区切ったうえでマトリクス上に組み合わせることで、お客さまが抱える課題の仮説の精度が上がり、提案の質が向上して受注率が高くなります。

細かい顧客セグメントに応じて緻密にスピーディにマネジメントできる人材が不足

セグメントを細分化すればするだけ、そのセグメントに応じた戦略が必要になります。その戦略を立案してチームメンバーに落とし込む、拠点長やグループ長を担える人材を増やしていきたいと考え、25年9月期は中途採用者はマネジメント層をメインターゲットとして活動しています。また、新任管理職層のマネージャーへの抜擢と育成も同時に進めています。

細かなセグメントに合わせたダイレクトマーケティングを強化

24年9月期から、お客さまからいただくお問合せ数の月間目標を500件と定めてダイレクトマーケティングを強化し、お問合せ数の前年比は年間で19%増となりました。この方針は25年9月期も継続し、より一層業界や職種を絞ったDMや、毎月100種以上のセールスメールを送付しています。また、送付後の後追い架電など、営業現場とマーケティング部門の連携も強めています。どの企業も採用難の時代、営業活動におけるデジタルの活用も、より一層深化させていきます。

研修講師の人員数や品質の担保はどのように行っているのですか

厳選採用とともに、専門部署が勉強会の実施やモニタリングを絶えず行っています

採用倍率は高い状態を維持、採用基準は緩めない

当社の講師採用における倍率は高く、毎月多くの応募をいただく中での厳選採用を行っています。売上拡大には講師数の増加ももちろん必須ですが、採用プロセスにおける妥協はしていません。重視しているのは、ビジネス経験が豊富で、受講者と同じ目線に立てることです。

当社の研修テキストは、講師ではなく当社のコンテンツ開発部門が作成しています。そのテキストに沿って、自らの実体験を織り交ぜながら講義を進めることになります。そのため、講師経験や資格よりも、仕事の現場で多くの経験(特に管理職経験、失敗からのリカバリー経験)を持っている人を採用しています。また、研修の主人公は受講者です。受講者に寄り添って考え共感し、気づきを促すことが、当社の講師として活躍するうえでの重要な要件です。

登壇分野拡大のための勉強会やモニタリングを実施

ここ数年は、IT・OA・DX分野の講師の育成に力を入れています。「知識があること」と「登壇が上手であること」は全くの別問題です。最新知識を持った方を新たに採用しても、必ずしも即戦力とは限りません。そこで、もともとはIT・OA・DX関連分野が専門ではなかった講師に対し、関心のあるテーマや現状のスキル・知識をヒアリングしたうえで、勉強会を開催しています。別分野においての登壇スキルは高い方がほとんどであるため、知識・スキルを身につければ即登壇してただくことができています。また、講師の登壇の様子は、専門部署が定期的にモニタリングしフィードバックも行っています。

(2024年統合報告書より)

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