
インソースの2024年財務方針
成長戦略について教えてください
1.コンテンツIPの価値最大化、2.デジタル関連サービスの拡充、3.利益成長による営業キャッシュフローを原資とした成長戦略投資を実行します
1.コンテンツIPの価値最大化
教育研修サービスを中核事業とする当社では、研修テキストや動画等の教育コンテンツを自社で開発・保有しており、教育コンテンツの知的財産(以下、コンテンツIP)の価値最大化を成長戦略の方向性と定めています。コンテンツIPの価値最大化は、受講対象者の属性およびテーマの両面の拡充によって進めていきます。
そのためには、自社開発では担当者の増員や育成によるコンテンツIP創出力強化が中心となりますが、当社には様々な業界出身者や専門知識を有する者が在籍しているため、例えばコーポレートファイナンス関連コンテンツの開発には経営企画部門のメンバーが支援するなど、幅広い分野のコンテンツIP創出が可能となる体制も敷いています。加えて、研修業界にとどまらず、良質なコンテンツIPを有する企業のM&Aも継続的に検討しています。
2.デジタル関連サービスの拡充
当社の成長ドライバーであるDX関連研修や「Leaf」などのデジタル関連サービスは、社内のデジタルリソースをサービス化し外販したものです。DX関連研修の24年9月期実績は、講師派遣型研修の実施回数で前年比35.1%増、公開講座の受講者数で同27.6%増となりました。また「Leaf」は日本最大級のLMSとして、25年3月末時点のアクティブユーザー数は前年比38.1%増の約444万人、同時点での年間経常収益(ARR)は前年同期比29.8%増の1,129百万円に伸長しています。今後も、自社のリソースに基づいたデジタル関連サービスのマネタイズを図っていきます。
3.利益成長による営業キャシュフローの拡大
成長投資の原資は手元資金および営業キャッシュフローを基本とします。利益成長による営業キャッシュフローの拡大、それを原資とした成長戦略投資を実行していきますが、資金調達が必要な場合は、資本コスト、金額規模、財務状況等を踏まえ、その時点で最適な手段を講じます。
資本収益性の向上について教えてください
付加価値生産性と資本回転率の向上に資する施策を継続します
当社の投下資本利益率(ROIC)の推移は次の通りです。

1.付加価値生産性の向上
成長投資の原資となるキャッシュフローの源泉は付加価値生産性であり、その測定指標である売上総利益率を財務規律として重視しています。
案件レベルではお客様のニーズや課題に最適化されたコンテンツの迅速な提供、事業レベルではサービスミックスや顧客ミックスの改善、全社レベルでは事業ポートフォリオの最適化を通じて売上総利益率の向上を図っています。例えば講師派遣型研修事業では、案件レベルではデジタル人材育成需要が高まるなかDX研修コンテンツの開発、拡販にリソースを重点配分するとともに、事業レベルでは高付加価値の民間企業向け売上比率を上昇させています。
その結果、コロナ禍の収束に伴うオンライン研修比率低下による売上総利益率の低下を、民間向け売上比率およびDX研修比率の向上でオフセットできています。事業ポートフォリオの観点では、ITサービス事業のリカーリング売上比率の上昇は当該事業だけでなく、全社レベルでの売上総利益率向上に寄与しています。このように、案件、事業、全社ポートフォリオの全てにおいて付加価値生産性の向上への取り組みを今後も継続していきます。
2.資本回転率
資本回転率は低下傾向にあり、売上利益率が向上しているにもかかわらずROICが低下傾向にある原因になっています。株主還元を昨年度(24/9期)、「配当性向40%を目途に、業績に連動した配当を実施」から「配当性向50%、株主資本配当率(DOE)18%を目標とする配当を実施」に変更しました。この変更はバランスシートの改善を通じた資本回転率向上に資するものと考えています。
資本コストの低減について教えてください
事業ポートフォリオの多様化とIR活動による情報の非対称性の緩和を進めてまいります
25年3月期末時点での当社の資本コスト(WACC)は13%と想定しています。株主資本コストは資本資産評価モデル(CAPM)を参考にしています。企業価値向上には資本コストの低減が必要です。マーケット全体に対する当社株式のボラティリティ指標であるベータの低減に向けた取り組みを、事業ポートフォリオおよびIR活動の観点から説明します。
1.事業ポートフォリオの多様化
事業ポートフォリオの適切な多様化は環境変化への対応力を高め、事業リスクを低減させ、ベータを低減させると考えます。特定の顧客や業種等に偏ることなく、ニーズに合わせた幅広い分野のコンテンツIPの創出、獲得を進めています。またリカーリングサービスである「Leaf」の年間経常収益(ARR)は1,129百万円(25年3月末時点)となり、スポット取引が中心である研修事業が中核である当社業績の安定継続的な拡大に寄与しています。
2.IR活動による情報の非対称性緩和
IR活動については、一般的に企業と資本市場との情報の非対称性が資本コストを高めると考えられています。そこで当社ではIR活動にあたり、「情報の非対称性緩和」を基本方針としています。具体的には、決算説明資料に加え、毎月第一営業日に開示する「月次KPI(業績指標)進捗状況」、あるいは新サービスや業務資本提携のリリース、任意開示としての業績予想修正など財務および非財務情報の開示に積極的に取り組んでいます。
また資本市場との対話も重視しており、決算説明会は第2四半期と期末決算時の年2回、また四半期決算ごとの機関投資家の皆様との個別ミーティングを24年9月期は211回開催しました。
(2024年統合報告書より)




