同行援護サービスに学ぶ~インクルーシブな組織づくりと自立を促すコミュニケーション

多様な人材が活躍できる組織づくりは、多くの企業にとって喫緊の課題となっています。
特にダイバーシティ&インクルージョンの推進は、単なる社会貢献にとどまらず、企業の成長戦略そのものと位置付けられています。
その実践において学びになるのが、「同行援護サービス」という社会の仕組みです。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、これは視覚に障がいのある方が安全に外出できるよう支援する、障害者総合支援法※に基づく障害福祉サービスです。通院や買い物だけでなく趣味の場へも参加できるよう、障がいのある方々を後押しています。
コミュニケーションスキルも身につく同行援護従業者

同行援護サービスを担うのは「同行援護従業者」と呼ばれるガイドヘルパーです。ガイドヘルパーになるためには、厚生労働省が定める研修を受講し、実技や知識を習得する必要があります。
研修では、誘導の技術だけでなく、周囲の状況を言葉で伝える方法や、利用者の自立を尊重したコミュニケーションなど、実践的なスキルを学びます。そのため、単なる付き添いではなく、組織にも活かせる能力を身につけられます。
▼同行援護従業者養成研修
<日程>(以下、すべての日程・時間のご参加が必須となります。)
- 12月13日(土)10:00~17:30(オンライン開催)
- 12月14日(日)10:00~17:20(オンライン開催)
- 12月20日(土)9:00~18:30(対面開催)
- 12月21日(日)9:00~18:30(対面開催)
<対面開催会場>〒169-0073 東京都新宿区百人町2-21-27 ペアーズビル3F
特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会事務所
<受講料>>定価41,900円(税込)のところ 特別価格33,000円(税込)で受講可能です
<申込期限締切> 2025年12月08日(月)
同行援護の枠組み・技術に学ぶ「力を発揮できる組織づくり」

この仕組みを活用することで、視覚障がい者は、普段行き慣れない場所にも安心して外出出来るようになり、地域や文化活動に参加する機会を増やすことができます。
企業に置き換えると、従業員一人ひとりを尊重したサポートを提供すれば、能力を存分に発揮できる環境を作れることを示しています。同行援護の枠組みや同行援護従事者の知識・技術は「人が力を発揮できる仕組みづくり」という観点で、多くの示唆を与えてくれます。
日本ブラインドサッカー®協会(JBFA)が取り組む「同行援護サービス」
視覚障がい者約31万人のうち、「同行援護サービス」を利用しているのは、約2万人と言われています。日本ブラインドサッカー協会では、視覚障がい者と健常者が当たり前に混ざり合う社会の実現に向けて、「同行援護従業者養成研修」を実施しています。また、サービスを手軽に利用できるように「ミートミークス®」という独自のアプリを開発提供しています。
▼スマホアプリを使ったマッチングサービス「ミートミークス®」
- 視覚障がい者とガイドヘルパーを、アプリを通じて自然につなぐ仕組みです
- 名称とロゴには、人と人が交わることで「目」が生まれて、人と人がつながることで「笑顔」が生まれるという願いを込めています
- チャット機能を使えば、待ち合わせ場所なども簡単に連絡できます
- 弱視の方でも見やすいデザインになっており、音声読み上げにも対応しています
おわりに|企業の支援力が、組織の力を引き出す
企業が多様な人材の力を引き出すには、「支援の設計」が鍵になります。 その意味で、同行援護に見られる伴走の姿勢は、インクルーシブな職場づくりの原点とも言えるでしょう。
リーダーや人事担当者は、こうした社会的取り組みから多くを学ぶことができます。支援とは特別なことではなく、日常の関わりそのものです。その意識が、組織のあり方を大きく変える第一歩になります。
インソースのおすすめ研修・サービス
このようなダイバーシティ&インクルージョンの考え方は、ビジネスの場でも重要性を増しています。インソースでは、社員一人ひとりが能力を発揮し、多様な人材が活躍できる組織をつくるための研修を多数ご用意しています。貴社のご要望にあわせたプログラムをご提案させていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。
ブラインドサッカーを活用した体験型研修「OFF T!ME Biz」
チームワークに欠かせないコミュニケーションや信頼関係、役割分担や目標設定は、日常では当たり前のように「大切」とされていますが、意外と少ないかもしれません。
本研修の目的は、ブラインドサッカーを体験することではありません。受講者が「目が見えない」環境に身を置くことで、どのようにコミュニケーションを取れば相手に伝わるかを体感し、チームワークの重要性やその要素を改めて認識できます。
インクルーシブ・リーダーシップ研修~多様性を包括するマネジメント
組織の多様化が進む中、個人を尊重しつつチームの成果を最大化する「インクルーシブ・リーダーシップ」が注目されています。これは、心理的安全性の確保や1対1面談、キャリア自律支援など、近年のマネジメントの潮流とも一致するリーダーシップです。
一方で、従来型とは異なる考え方であるため、理解が不十分なまま導入すると、リーダーやメンバーに混乱を招くおそれがあります。本研修では、インクルーシブ・リーダーシップの本質を正しく理解し、自組織で成果につなげる力を身につけることを目指します。
【プレMBAコース】組織行動論:多様性を活かし成果を生み出す、インクルーシブ・リーダーシップの実践<神戸大学MBA教授陣に学ぶ経営学の実践知>
神戸大学のMBA教授陣による最新の経営学講義を、東京・有楽町で受講できる特別なプレMBAプログラムです。本講義では、組織行動論を砂口文兵准教授(大学院経営学研究科)から学びます。
現代の組織では、年齢や性別、働き方、キャリアに対する価値観など、多様性がますます高まっています。こうした状況では、リーダーには多様性を活かして組織の力を最大化することが求められます。
本講義では、注目されている「インクルーシブ・リーダーシップ」を中心に、リーダーシップ理論を学ぶとともに、ケース討議を通じて、多様性を成果につなげるリーダーシップのあり方について議論を深めます。





