インソースの価値創造を支えるガバナンス~社外取締役対談(24年9月期)

インソースの価値創造を支えるガバナンス~社外取締役対談(24年9月期)

社外取締役にきく~次の10年も成長し続けられる企業であるために

24年9月期には指名報酬委員会を合計8回開催しました。また、グループ内の取締役・執行役員や上級管理職層24名との社外取締役との意見交換会も実施しました。それらを踏まえて、社外取締役3名に、インソースが今後も成長を続けるための課題や必要な施策について意見を伺いました。

筆頭社外取締役 藤岡 秀則
社外取締役 庭本 佳子 【重要な兼職の状況】
神戸大学大学院経営学研究科 准教授
社外取締役 羽原 康平 【重要な兼職の状況】
株式会社GENDA 常務取締役CSO
株式会社GENDA Capital 代表取締役社長

1.現在の課題~「権限移譲」の加速がキーワード

取締役会の実効性は高い。社内議論の活性化が必要

羽原 私はこの12月から社外取締役として参画していますが、取締役会の前には事前ミーティングが必ず実施され、また意見交換会で現場責任者と話す機会も設けられていますので、社外取締役が当社に対する理解を深めたり、少々突っ込んだ議論をしたりするチャンスは多くあると感じています。

一方、取締役会や意見交換会から、当社の社内役員陣は皆、能力は高いけれどどこか遠慮しているような印象を持っています。

能力はある。遠慮せずにオーナーシップの発揮を

藤岡 それは私も同意です。意見交換会で話したなかでも、能力はあるのだからもう少しオーナーシップが欲しいなと感じる方々がいました。課題は的確に把握していて対応策もわかっている、しかしその先、実行するかどうかに、少し遠慮や気遣いのようなものが感じられることがあります。

多様な視点で議論を重ねることが業績向上につながる

羽原 舟橋社長の意思決定がこれまでの20年強、当社を成長させてきたことは間違いなく、そのこと自体は悪いことではありません。一方、この先も成長していくという観点では、現社長のリーダーシップに対して遠慮せず、活発に発信し議論していくような場づくり、組織風土づくりが必要ではないでしょうか。

何か一つの議案が発生したときに、営業、財務、システム......など様々な視点から、その分野のプロとしての意見を交わすプロセスがもっと必要だと感じます。そうした議論を繰り返すことで、グループ全体、連結経営の観点を持っている人が増え、結果として業績向上にも結び付いていくと考えます。

組織のライフサイクルの重要性をより強く実感

庭本 1年前のこの座談会で組織のライフサイクルの話をしましたが、この1年間でより一層、その重要性を感じました。毎月2名との意見交換会の中でも「自分にできるのはここまで」という、自分の責任や権限の線引きをしている人が多いように感じており、それだけ社長の影響力が大きいのだろうなと推測しています。

10年先を見据えると、まずは向こう5年間でもう少し、トップに近い人たちが遠慮せずに「自分が、我こそが」と主張していく意識改革はしていかないといけない、そしてそれを後押しする権限移譲のサポートは必要と考えています。

子会社幹部の抜擢と権限移譲、今がいいタイミング

羽原 23年10月以降子会社の設立を強化し、子会社幹部を次々抜擢して経営を任せていく方針ですよね。実際に23年10月以降、多くの執行役員や子会社役員が生まれています。そこで徐々に権限移譲しているという側面もありながら、現在は各社の代表取締役は舟橋社長でいらっしゃる。

舟橋社長が補助輪のような役割として、次世代に任せながらも経営全体を見ているという状況なので、その補助輪を徐々に外していくことが必要と感じます。創業者の舟橋社長の次世代が徐々に繰り上がっていく、今がそのいいタイミングなのではないでしょうか。

キャッシュフローも含めた会社経営経験を

藤岡 そうですね。キャッシュフローも含めてすべてをマネージする、いわゆる会社経営を行うと、そこで見えてくるものがあります。

社外取締役と次期経営層との意見交換会の概要

■目的

社外取締役の事業内容の理解と関与強化

■対象者

  • 毎月1回、1回あたり2名(60分2名)
  • 各部門の責任者である取締役、執行役員(グループ会社含む)

■内容

  • 各回の担当者が、自部門、自社の現状及び将来の課題、取り組み状況をプレゼンテーション
  • 社外取締役との質疑応答、ディスカッションを実施

2.今後に向けて~最適な組織構造、言語化と伝承

組織構造をシンプルに。兼務が多いと複雑になる

藤岡 組織の体制、具体的には兼務の発令や組織の配置、業務分掌も、もう少しシンプルになると良いと考えています。現在の取締役・執行役員は兼務が多いですよね。それだけ有能で多方面で力を発揮する人が多いとも言えますし、経営層として視野を広く持つためには有効な側面もあるかもしれません。ただ、兼務が多いと、誰がどこまでの権限と責任を持っているのかが見えにくくなってしまう。

権限と責任はセット。組織構造の洗練を

庭本 はい。権限移譲をどうやって実行していくか?を考えたときに、権限と責任はセットなので、組織構造を洗練させていく必要がありますね。現状、組織の規模と照らし合わせたときに組織構造がやや複雑と感じています。

指名報酬委員会も関与して、人事制度整備が急務

藤岡 責任と権限を明確にできるよう、人事制度を整えていくことが必要ですね。進めるに際しては、指名報酬委員会も関与したい、力になりたいと考えています。

取り組みのなかで適正な形をつくっていく

羽原 庭本さん、藤岡さんのおっしゃる組織構造については、サクセッションへの取り組みのなかで、ひとつひとつ適正な形にしていくということでしょうね。

ナンバー2も合わせてサクセッションプランをスピードアップ

藤岡 サクセッションプランについては、社長の分だけでなく周りを固めるナンバー2等も合わせて、スピードアップして取り組んでいく必要がありますね。それと権限委譲がセットで進んでいくはずです。現在の経営陣のリスク感覚も、次の世代が持っているかというと、現在は難しいでしょう。

市場シェア10%を目指していくには、ビジネスモデルの強さ言語化されていない経営ノウハウの伝承が必須

羽原 当社はビジネスモデルが秀逸ではありますが、そうはいってもこれまでのように年間2桁の成長を続けることは簡単なことではありません。

このビジネスモデルを生かして、社長の掲げていらっしゃる市場シェア10%にまで持って行くためには、言語化されていないノウハウを言語化し、そして次世代に引き継ぎ任せていくことが最重要課題です。

組織の財産である「変化対応力」を維持しながら、次の成長へ

藤岡 当社には、真面目で堅実、能力もある人材が揃っていて、こうと決めた方向性には部署を越えて一丸となってスピーディに進んでいく力があります。何か新しい事業を始めたり、革新的な業務改善を進めたりするときに、他社では変化に対する抵抗勢力などが問題視されることがありますが、当社ではそういった声は聞きません。これはものすごく大きな、組織としての強み、財産だと思っています。

この「変化への対応力」という強みを活かして次の10年も成長していけるよう、指名報酬委員会も力を尽くしていきたいと考えています。

>サクセッションプランについては、こちらもご覧ください

(2024年統合報告書より)

>WEB版はこちら

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