もし遅刻してしまったら?営業現場での誠意ある対応術~電話連絡・印象回復・交渉を有利に進めるポイント

営業職において、時間を守ることは信頼構築の基本です。特に新人や若手営業担当者にとって、アポイントの遅刻は信用を大きく損なうリスクとなります。
とはいえ、営業の現場では、電車の遅延や急なトラブルなど、予期せぬ事態が起こることもあります。万が一遅刻が発生した場合、どのように対処したらよいのでしょうか。
本コラムでは、遅刻の対処法を様々なケースで解説するとともに、相手が遅刻した場合の営業テクニックををお届けします。
遅れるときは必ず電話で連絡し、スケジュール変更を提案する
お客さま先へのアポイントの遅刻はどんな理由があろうと絶対に避けたいものです。遅刻は「だらしなさ」や、「不誠実さ」「真剣みのなさ」を印象付けます。避けられない事情があり、どうしても遅刻しそうな場合は、「遅れそう」になった時点で行動します。
電話で即連絡
メールやメッセージではなく、必ず電話で直接連絡します。メールなどでの連絡では、相手が見逃す可能性があります。また、直接声で謝意を伝えることで、誠意がより伝わります。
スケジュール変更の提案
遅れが15分以上になる場合は、スケジュール変更も提案しましょう。以下のような選択肢から、相手のご意向をお伺いします。
- 予定から30分遅れのスタートでも問題ないか
- 同日中の別時間で変更ができるか
- 別日を改めて再調整したほうが良いか
到着後の第一印象を意識する
遅れて到着した際は、謝罪の言葉だけでなく、表情や態度でも「誠意」を示しましょう。走ってきた様子や汗を拭きながらの姿勢は、「一生懸命さ」が伝わる要素になります。
状況別・遅刻時の対処法
遅刻してしまった場合、「状況」に応じた対応が求められます。以下に、代表的なケース別の対処法をご紹介します。
ケース1:初回訪問時の遅刻
初回訪問での遅刻は、信頼構築のスタート地点でつまずくことになります。この場合は、謝罪を丁寧に行い、名刺交換や挨拶の際に「本日はお時間をいただきありがとうございます」と感謝の言葉を添えることで、印象を少しでも回復させましょう。
ケース2:既存顧客との打ち合わせでの遅刻
すでに関係性がある場合でも、遅刻は油断と受け取られかねません。謝罪後は、すぐに本題に入り、時間を無駄にしない姿勢を見せることが重要です。「短時間で要点をお伝えします」といった言葉が効果的です。
ケース3:社内会議での遅刻
社内での遅刻も評価に影響します。特に新人の場合は「時間感覚が甘い」と見られることも。遅れた理由を簡潔に伝えた上で、議事録の確認や発言の準備をしておくことで、挽回のチャンスを作りましょう。
アポイントに限らず遅れは厳禁~「先手必勝」はすべてに通じる
アポイントに限らず、営業活動では遅れは厳禁です。「○○の提案はいつになりますか」「請求した資料がまだ届いてません」など、取引先や上司・先輩に催促されてからでは遅いのです。万が一約束の期限を過ぎそうな場合は、こちらから先に報告をします。何事も「先手を打つ」ことが重要です。
期限を守らない、催促されないと報告しない姿勢は、信頼を大きく損ねてしまいますが、逆に言えば期限厳守が相手の信頼を勝ち得るきっかけにもなります。たとえば、提案資料を、提出期限より数日早く提出したところ、先方から「準備が早くて助かります」と感謝され、次回の商談でも優先的に時間を確保してもらえたということもあります。
また、上司から「○○の件、どうなっている?」と聞かれる前に、こちらから報告を済ませておくことで、信頼感が高まり、業務の進行もスムーズになります。
相手が遅れたときは交渉に有利~無意識に抱く謝罪の気持ちを活かす
逆に相手がアポイントの時間に遅れてきた場合、つい「待たされた」と感じてしまいますが、実はこの状況は、交渉を有利に進めるチャンスでもあります。
人は遅刻すると、無意識に「申し訳ない」という気持ちを抱きます。その心理状態では、相手は防御的になりにくく、こちらの提案を受け入れやすくなる傾向があります。つまり、交渉の主導権を握る絶好のタイミングなのです。相手の遅刻を「情報収集の時間」「心理的優位の獲得」と捉え、冷静に対応することで、商談の流れを自分のペースに引き込むことができます。
相手の遅刻は情報収集のチャンス
たとえば、訪問時に先方の担当者が遅れるときなどはチャンスです。待っている間に置かれていた社内報や掲示物をチェックし、最近の社内イベントや新製品の情報をメモをすることで、商談が始まるとすぐに、「御社では最近〇〇の取り組みをされていると伺いました。非常に興味深いですね」と切り出すといった提案が可能です。
すると、この一言がきっかけとなって、担当者の表情が和らぎ、「実はその件、今期の重点施策なんです」と話が広がり、当初予定していた提案内容に加えて、追加のニーズを引き出すことができた、ということにつながるかもしれません。
遅刻は厳禁、けれどもしもの時は遅刻をも生かして成果につなげる
営業職において時間厳守は信頼の基本です。遅刻しそうなときは、即電話連絡と柔軟なスケジュール提案を行い、状況に応じた誠意ある対応が求められます。また、相手が遅れた際には心理的優位を活かし、交渉を有利に進めることも可能です。遅刻をきっかけに営業力を高める視点を持つことが重要です。
営業は「待つ仕事」ではなく「動く仕事」です。常に一歩先を見越して行動することで、成果につながります。
ビジネスマナー研修~信頼されるビジネスパーソンの振る舞いを身につける
信頼されるビジネスパーソンになるためには、ビジネスマナーの基本をおさえておかなければなりません。
本研修では、マナーの型を学ぶだけでなく、そのマナーがなぜ必要なのかというところまで考えてます。そのうえで、ビジネスマナーの基本知識(挨拶・身だしなみ・敬語・来客応対・電話応対など)について、ワークで繰り返し実践しながら習得します。
ワークのポイント
- 自分ではなく相手から見たときどうか、という視点で細かな部分まで考えられる
- なかなか出てこないちょっとした一言やビジネス表現が、練習を通して身につく
- 名刺交換などロールプレイングをすることで、よりスムーズな対応方法を現場に持ち帰れる
本研修のゴール
- ビジネスマナーの基本知識を習得する
- マナーの目的と意味を理解する
- マナーの型を繰り返し練習することで、現場でマナーを実践できるようになる
スケジュール
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本研修では、営業に求められる役割や「売上」「利益」に関する基本知識、営業の5つのステップを習得します。各ステップにおいて、お客さまから信頼していただける行動を具体的にお伝えしているので、初めて営業の仕事に就く方でも翌日から自信を持って、お客さまの前に立つことができます。
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