インシビリティとは|1歩手前で自分で気づける、ハラスメント防止の新たなキーワード~リスクと具体例を考える

近年、職場のハラスメント対策が進む中で、ハラスメントを予防するための新しい視点「インシビリティ」に注目が集まっています。放置すれば職場の信頼や心理的安全性をじわじわとむしばみ、やがて深刻なトラブルにつながる可能性もあります。
本記事では、インシビリティの意味や具体例、セルフチェックの方法を通じて、ハラスメントの芽を摘むための新しい視点をご紹介します。
インシビリティとは?
インシビリティ(Incivility)とは、「明確な悪意はないものの、礼儀や敬意を欠いた無神経で思いやりに欠ける言動」のことを指します。シビリティ(Civility)=「相手の立場・感情を尊重し、関係性を丁寧に築く態度」と対になる言葉です。
近年、ビジネスにおけるモラルや品格などに関心が高まっていますが、こうした「ハラスメントには該当しないが、その『一歩手前』である、礼儀を欠いた不適切な言動」に関しても注目が集まっています。
インシビリティがもたらすリスク
インシビリティは、一つひとつは些細な言動ですが、放置すると職場に不信感や萎縮を生み、やがて重大なハラスメントや離職などにつながるリスクがあります。
だからこそ、自分自身の言動に「無意識の無礼さ」がないかを見つめ直し、早期に気づいて改善することが重要です。ハラスメントを行う前の「芽」の段階で自ら気づき、トラブルを回避することがこれからのハラスメント防止のトレンドとなります。
インシビリティの具体例
インシビリティは、日常の何気ない言動の中に潜んでいます。「そんなつもりはなかった」「悪気はなかった」という言葉では済まされない、無意識の無礼が職場の空気を冷やすこともあるのです。
以下にチェックすべき行動の一部をご紹介します。
(1)非言語による冷たい態度・無関心
- 相手の話や報告に対して、無表情・無反応で聞いてしまうことがある
- 話しかけられてもパソコンやスマホから目を離さずに対応してしまう
(2)感情の不安定さ気分のムラ
- 気分に波があり、対応や口調で冷たくなってしまう
- 苦手意識のある相手には、無意識に冷たく接してしまう
(3)高圧的・攻撃的な口調
- 自分が正しいと強く思う場面では、声や口調がきつくなってしまう
- 相手の提案に対して「でも」「それは無理だね」と否定から入ってしまう
ギクッとしませんでしたか?
こうした、日常の何気ない行動を振り返ることで、ハラスメントに対する内省を生み、防止に向けての当事者意識を高めることができます。
まとめ:インシビリティに気づくことが、職場の信頼を守る第一歩
インシビリティは、明確な悪意がないからこそ見過ごされがちですが、職場の信頼や心理的安全性を静かに損なう要因となります。一人ひとりが「自分の言動にインシビリティがないか?」と立ち止まって考えることが、ハラスメントの芽を摘み、健全な職場づくりにつながります。
インシビリティへの理解とセルフチェックは、単なるマナー向上ではなく、組織全体の品格と信頼を守るための新しいスタンダードです。まずは「気づくこと」から始めてみませんか?
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たとえ悪気はなくても、無配慮は関係性を傷つけ、組織の生産性やエンゲージメントを下げるリスクになりかねません。20項目・100点満点のチェックリストを通じて日頃の言動を見直し、周囲を活性化するとともに良好な関係を築くための行動変容を促していきます。
よくあるお悩み・ニーズ
- 忙しいと相手にきつく当たってしまうことがある
- 無意識に、敬意や感謝の気持ちが欠けた対応をしていないか不安
- 全員で働きやすい職場環境をつくっていきたい
本研修のゴール
- インシビリティがもたらす影響を理解する
- 他者への配慮や共感を行動で示すことができる
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