関西マーケティング道場 「エンタテインメント施設への集客から学ぶプロモーション施策」実施のご報告

関西マーケティング道場 「エンタテインメント施設への集客から学ぶプロモーション施策」実施のご報告

関西マーケティング道場(3回目・12/8)実施のご報告

関西マーケティング道場の第3回目が12月8日に開催されました。今回は、エンタテインメント業界で様々な企画・プロデュースに関わってこられた菅野聡之氏にご登壇いただき、「エンタテインメントの世界におけるマーケティングの要諦」についてご講義をいただきました。

◆現代のエンタテインメントは「ライブ感」が命

CDやDVDといったパッケージソフトが売れなくなってきている中、エンタテインメントの「ライブシフト」が進んでいるということで、音楽や演劇を含めた「ライブ市場」は、ここ10年で1.6倍に拡大しています。また、音楽フェスの隆盛に見られるように、演者と聞き手だけではなく参加者同士の交流の場としてのライブ感にも注目されます。こうした「ライブ感」が今のエンタテインメントを考える上では欠かせないものであり、また「参加型」の要素も重要なポイントであるとのことでした。

◆「インバウンド」の取り込みは第2ステージへ

エンタテインメントの世界でもインバウンド需要は不可欠の要素となりつつあります。代表的なテーマパークでも、外国人観光客が約10%を占めており、また、日本人でも知る人が限られるようなあるパフォーマンスイベントでは、実に来場者の4割を外国人観光客が占めているといいます。SNSなどで情報がボーダレスに拡散する現代においては、外国からの来客を当たり前のように想定した上で、イベントを企画することが求められるということです。

さらに、日本での観光の目的が「爆買い」から「体験」にシフトする中で、日本観光におけるウイークポイントとなっているナイトタイムの過ごし方への需要対応が急がれます。ここはまさに日本のエンタテインメント業界が奮起すべき領域でもあり、アジア圏からの観光客が中心の現状から、欧米豪からの観光客比率をさらに上げていく上でも不可欠であるということでした。

エンタテインメント施設への集客から学ぶプロモーション施策

◆ヒットはちょっと違和感のある「異分野」とのコラボから

最近、アニメで舞台となったエリアに、ファンの人たちが「聖地」と呼んで殺到する現象が日本のあちこちで起きています。ネットで何でも検索でき、映像を通して疑似体験も簡単にできる現代において、わざわざ現地に足を運ぼうとするのは、こうした"コア"なファンだからこそと言えるでしょう。これまでのマスを狙った王道のマーケティングだけではなく、こうした「深いファン」をターゲットにしたコラボレーションが、実はエンタメ業界でも注目されているというのです。一例として、ある屋内型テーマパークでは、定期的にいろいろなアニメとコラボしたアトラクションを企画し、限定のオリジナルグッズを販売したりして、そのアニメファンたちに響くしかけを通して来場を促しているということです。ポイントは、誰もが知っているようなアニメではなく、一部のコアなファンに支持されているようなややマイナー目のものをチョイスするところがミソとのことで、ロイヤリティの高い彼ら彼女らは、SNS等を通して情報を拡散し、こぞって来場してくれるとのことでした。

◆神戸にもっと観光客を呼び込むための企画を考える

午後からは、関西マーケティング道場恒例の、企画案の作成ワークショップを実施しました。今回のお題は、インバウンドで盛り上がる関西の中でいま一つ元気のない「神戸」に観光客を呼び込むためのマーケティング企画を考える、というものでした。各自でPCやスマホを駆使して観光面での神戸の現状と課題を洗い出し、グループ討議を通じて集客企画を考えていただきました。今回も、秀逸なアイデアがいくつも上がってきて、菅野氏も「このアイデア、今度神戸市に行く機会に、持って行って提案してもいいかな?」とおっしゃるような、実現性の高いものもありました。一見、突飛に思われたアイデアも、菅野氏から「実は同じような発想で実際に行われている事例が○○市にあるんだよ」と、具体事例でその実現過程を紹介してもらうなど、参加者にとっては、アイデアと実行をつなぐプロセスを知る機会にもなったようでした。

※次回は1月26日(土)の開催予定で、江崎グリコで商品開発に携わられてきた小林正典氏による「ブランディング」をテーマにした内容で実施する予定です。

関西マーケティング道場 実施のご報告

・「企業における新規事業、新商品開発の発想の技法と進め方」実施のご報告(1回目・10/13)

・「最新事例を通じて学ぶマーケティングの基本」実施のご報告(2回目・11/17)






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