山里にも町中の住宅の庭にも、真っ白な花房の卯の花が咲く。地には十薬の白い十文字も。梅雨入り間近の曇天に清楚な白色が美しい。五月を沈んで過ごした新人も、次のステップを求めるベテランも、束の間の初夏を楽しんで目に染みる白紙に新たな目標を書き込もう。
鯖は秋冬に旨味が増すが、まだ脂がのっていないさっぱりした初夏の走り鯖も通人には人気らしい。これからは餌を求めて南下しつつ身も太くなる。鯖は日本近海のどこでもとれる大衆魚だったが、近年は海水温の上昇で漁獲量が減り、高級魚になりつつある。
冷蔵・冷凍技術が発達していなかった時代には、鯖の生き腐れといわれるほど傷みやすかったので、市場では廃棄分も含めた大よその数量で出荷していた。そこから数を曖昧することを「サバを読む」といわれるようになったとの説もある。現代ではおもに、若いと思わせたい・年長に見せたいなど実年齢を明示しないことを指す場合が多い。
■いろんな人々
個人的には、自分の年齢を誇示する、あるいは年齢を秘匿することにどんな意義があるのかわからない。もちろん、さして必要がないのに根掘り葉掘り追及するのは誰に対しても失礼なことだが。私は良い時も悪い時も、自分の年齢が嫌ではない。若年ゆえに軽んじられる、老年になって戦力外として無視されるなど愉快ではないことがあっても、それが道理だろうと理解できる。が今の自分を生きることは、その歳の実力とご縁のカルテとして興味深く、面白い。世の中には年齢ばかりではなく出自・学歴・経歴・職業・見栄えなどに必要以上に固執する面倒くさい人も多い。がこれもまた、いろんな考え方の人がいて世の中が成り立っている事実を面白く思う。
■いろんな意見
しかしビジネスシーンでは、苦手な意見と距離を置いて真正面から向き合わない、逆に共感する意見を過剰に賞賛するなど、「わたくし」を表に出すことは不都合を生みやすい。
特に会議など、共通の目的をもって集まる場で、多様な立場・知見・価値観の、さまざまな手法・判断・観察・実践が提案されるときの収拾は難しい。加えて優越感や劣等感、リーダー志向・秘密主義・前後の事情だの都合だの、表立ってはいないが個人個人の異なる思惑や心理状態が同席する場合は、座を安定させる役割が必要になる。会議・ミーティング・商談など、集まりの規模や参加者・テーマによっては、ファシリテーター(集まりの目的に応じて偏らない構成・適切な対応など円滑な進行を促す担当)は、気が重い役割になりそうだ。
・外部との意見交換で、先方が言いたい本当の課題を読めない。
・社内ディスカッションでは、発言の少ない人に会話を促す術が分からない。先輩や上司の意見に引かれて、話を戻しにくい。さまざまな意見の中で、会議の本来の目的や意味を見失ってしまう。
・オンライン会議では、複数の会話が被りやすく、スムーズな議論の環境を作るのが難しい。
など、ケースによって担当の課題も対応も異なり、難しいのがよく分かる。
ファシリテーションで場を取り仕切るための環境整備・段取り・準備や、注意点・トラブル発生時の対応などのスキルは、先例や先人だけでなく書籍や研修など学ぶ方法は多くある。気苦労も多く、自身の時間もとられる厄介な役割だが、もしもファシリテーターに選任されたら辞退しない方が良いと思う。個人のビジネス面でも心的な成長にとっても、多くのテキストより得難い貴重な勉強になるはずだ。少なくとも、いろんな人の様々な意見があってビジネスが成り立っているのだと、ダイレクトに感じることができる。
2026年5月25日 (月) 銀子




























