2026年2月13日
2025年のIT・ソフトウエア業界では、AI(人工知能)とIT人材不足に関連するM&Aが目を引いた。
AI分野では文章や画像、音楽、プログラムなどをゼロから作り出せる生成AIの普及が急速に進みつつある。野村総合研究所が2025年11月に発表した「IT活用実態調査」によると、調査対象企業のうち生成AIを「導入済み」「導入検討中」と答えた企業が76%に達した。
こうした動きを象徴するM&Aの一つが、住友商事による、子会社の大手SIer(システムインテグレーター)SCSKの完全子会社化だ。
住友商事はSCSK50.6%に出資する親会社であり、経営権は元々住友商事が握っていたが、より機動的に協業を進める狙いから8800億円を超える大型投資を決断。SCSKをデジタル・AI戦略の中核として位置づけ、SCSKは住友商事の顧客群などのアセットを活用しつつ、請負型のシステム開発から、社会課題解決型の事業への変革を目指す。エネルギーの高効率化、防災減災などの街づくり、サプライチェーンの高効率化への活用などスケールの大きな事業をイメージとして描く。
一方、IT人材の不足もM&Aに大きな影響を与えた。帝国データバンクが2025年11月に「人手不足に対する企業の動向調査」を発表。それによると、ソフトウエア開発や情報処理サービスなどを含む「情報サービス」で人手不足を感じている企業の割合が67.7%に達し、建設業の70.2%に次ぐ2番目に高い数値となった。
こうした人材不足を補う形のM&Aは少なくなかった。電気計測器メーカーのリーダー電子が、動画制作の自動化・省力化のソリューション開発を加速させるため、画像生成AI技術を持つAI Picassoを子会社化した案件は正にこうした動きに沿ったものだ。アプリやWebサイトのデザインを手がけるグッドパッチによる、AIを用いたデザインツールを開発するLayermateの子会社化も、新たな技術や人材を獲得する手段としてM&Aを活用した事例といえる。
このほかにも富士通による、AIを活用した企業データ分析コンサルティングなどを手がけるブレインパッドの子会社化や、AI開発・ソリューション提供のPKSHA Technologyによる、人材関連サービスを手がけるサーキュレーションの子会社化などがあった。
2026年は「AI」「IT人材不足」に加え「サイバーセキュリティー」も注目される。2025年9月にアサヒグループホールディングがサイバー攻撃によるシステム障害によって商品の受注や出荷に支障が生じたほか、漏洩の恐れのある個人情報が191万件以上に達した事件は記憶に新しい。こうした状況の中、政府が2025年7月に「国家サイバー統括室」を設置し、サイバーセキュリティーに関する体制を整えるなど、関連業界には追い風が吹いている。
2025年にも三菱電機が、セキュリティーソリューション提供の米国Nozomi Networksを子会社化した案件があった。鉄道・交通・電力といった社会インフラや製造設備を監視・運用するOT(オペレーショナル・テクノロジー)関連のセキュリティー事業を強化するのが狙いだ。OTセキュリティーをめぐっては、サイバー攻撃の増加や国際的な規制強化(対策の義務化)への対応などから対策の重要性が増している。
サイバーセキュリティーに関する将来の需要の増加を見込んで、セキュリティーソフトなどを手がけるフーバーブレインはM&Aを積極化する方針を打ち出している。
配信元:文:M&A Online
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