AIでビジネスは劇的に変わる~機械学習の3つの技術
AIで何ができるか説明できますか?
DX推進が加速している現代、あらゆる業務において効率化や自動化が求められています。また、人間のように判断し、行動する能力をもったAI(人工知能、Artificial Intelligenceの略)が注目を浴びるようになってきました。書店に行けば、AIやその実現技術である機械学習をキーワードとする本が多数散見されます。
AIや機械学習がトレンドである一方、言葉だけが独り歩きしており、それで何ができるのかと問われると説明が難しい人も多いことでしょう。本ページでは、機械学習の3つの技術を見ながら、ビジネスでどのように活用されているかを紹介します。
技術1:教師あり学習
教師あり学習は、犬の写真に対して、「これは犬です」といったように、AIにそのデータに対応する正解を教えることによって、AIが学習することです。大量のデータを学習する中で「どんな特徴があればどんな答えになるか」というパターンをAIが自動的に発見し、新しいデータに対してもパターンを適用できるようになります。スパムメールの判別や商品の需要予測は教師あり学習によって実現しています。
事例:レコメンド(教師あり)
ECサイトで買物をしていると、自分がほしいと思う商品をおすすめされた経験はありませんか。これは過去のデータにおいてあらゆるユーザーの性別や年齢など、さまざまなデータから誰がどのような商品を購入したかをAIが学習することで、ユーザーに適切な商品をおすすめし、さらなる購買を促しています。
これはレコメンドと呼ばれる技術の一部として、教師あり学習が活用されている例ですが、ユーザーの顧客体験だけでなく、売上の向上にも寄与する一石二鳥の仕組みです。
技術2:教師なし学習
教師なし学習は、AIにデータに対する正解は与えずに、大量のデータの中からAI自身が共通点や構造を自動的に発見して学習します。
事例①クラスタリング
多数の生き物の写真から、似ている特徴を持つ写真同士を仲間としてまとめるようにAIが学習することで、犬の写真を犬と教わらずとも、別の生き物の写真と区別してグルーピングできるようになります。これを教師なし学習の一種、クラスタリングといい、顧客セグメンテーションやアンケートの共通する意見抽出も同様の技術で実現できます。
事例②レコメンド(教師なし)
スマホで音楽アプリを利用していると自分におすすめの曲としてプレイリストが生成されていることがあります。これはユーザーが聴いている曲のリズムやテンポ、ジャンルなどの特徴を分析し、グルーピングすることで、好みを直接明示されていなくても似ている曲をおすすめすることができます。こちらもレコメンドですが、教師なし学習が活用されている例です。
技術3:強化学習
強化学習は、AIが自身で行動を選択して実行しながら、「どの行動が良い結果をもたらしたか」を試行錯誤しながら学習する方法です。行動の結果のフィードバックを受けて、最適な行動パターンを発見します。広告表示の最適化やロボット制御は強化学習によって実現しています。
事例①ゲームのAIプレイヤー
AIが将棋で勝負すると初期段階では適当に指すため負けが続くことが多々あります。しかし、勝った時の手順を良い手、負けた時の手順を悪い手として学習することで、どの局面でどう指すと勝ちやすいかを理解し、次第にプロ棋士レベルあるいはそれ以上の実力に到達します。
事例②ダイナミックプライシング
航空会社やホテルでは需要や供給、時間などに応じて価格をリアルタイムに変動させるダイナミックプライシングも強化学習を活用しています。AIがさまざまな価格を提示しながら、どの価格で利益や販売数などが最大化するか試行錯誤して学習します。この価格が最適だという正解のデータがなくても、結果から学習することで、状況に応じて臨機応変に最適価格を自動で提示できるようになります。
ビジネス活用のためのAI・人工知能研修
これまで見てきたようにAIは日常生活にもあふれるようになってきており、ビジネスを劇的に変える可能性を秘めています。しかし、AIの学習コンテンツは複雑で専門用語が多く、初学者にとってハードルが高い実情があります。
本研修は、AI時代に必須のリテラシーを一から学ぶ研修としておすすめです。AIの活用事例や基本知識に留まらず、導入など実務での活用も含めて幅広く学ぶことができます。
よくあるお悩み・ニーズ
- AI(人工知能)を導入することは決まったものの、比較検討する基準がわからない
- そもそもAI(人工知能)を職場で活用するイメージがつかない
研修のゴール
- AIとは具体的にどのようなことができるのかを理解する
- 人工知能の導入にあたって、コストと成果に対する考え方を整理する
セットでおすすめの研修・サービス
ビジネス活用のためのRPA研修~RPA導入のための一歩を踏み出す
本研修は、RPAの導入に必要なことを一から学んでいただく研修です。まずは、「RPAとは何か」「RPAでどのようなことができるのか」に加え、「どのような種類のツールがあるのか」「費用はいくらかかるか」、そして「何から手を付ければ良いのか」などにもお答えします。
ビジネスデータの分析研修~職場で活かせる統計の基礎とデータ活用法を学ぶ
本研修では、ビジネス場面に応用できるデータ分析の基本的な考え方やデータ整理の仕方を学んだ上で、エクセルを用いた相関係数の計算や回帰分析の手順を習得していただきます。たとえば業務効率の改善や採用基準の見直しに向けて、社内に眠っているデータを活用できるようになります。