文系職員でもできる！生成ＡＩ活用による自治体向け業務の効率化とは

生成ＡＩの導入が進む一方で、「ＩＴは苦手」「ＡＩは難しそう」と感じている職員の方も少なくありません。特に文系出身や非エンジニアの職員にとっては、自分に関係のない話だと受け止めがちです。

しかし、近年ではプログラミングの知識がなくてもＡＩを活用し、業務の効率化を図ることができる時代になりました。本コラムでは、文系職員の方でも実践できるＡＩ活用の方法と、業務効率化を成功に導くポイントをご紹介します。

自治体で進む生成ＡＩの導入とその課題

総務省の調査によると、生成ＡＩを導入している自治体は都道府県で87％、指定都市では90％にのぼっています※。しかし、市区町村レベルではまだ30％程度にとどまっており、導入状況には地域差が見られます。さらに、ＡＩの利用が広がる中で、「使える人」と「使えない人」の間にスキル格差が生じているのが現状です。

※出展：総務省「自治体における生成AI導入状況」
https://www.soumu.go.jp/main_content/001018084.pdf（最終アクセス：2025/9/8）

文系職員でもＡＩを活用できる理由

かつては専門的な知識や技術が必要だったＡＩツールの活用ですが、今では状況が大きく変わってきています。現在の生成ＡＩは、日本語で業務内容を伝えるだけで、自動化ツールの提案や、作成に必要なステップを示してくれます。

文系職員ができる生成ＡＩ活用のステップ

１.業務の洗い出し

まずは日常業務の中から、時間がかかっている作業や繰り返しが多い作業をリストアップします。

２.やりたいことをＡＩに伝える

「毎月の集計作業を自動化したい」「議事録を効率よく作成したい」など、目的を日本語でＡＩに伝えます。

３.ＡＩからの提案をもとに実行

ＡＩは要望に応じて、Excelマクロや簡易的なスクリプトなど、最適な手段を提案してくれます。手順も案内されるため、専門知識がなくても対応可能です。

生成ＡＩへ指示を出すときのコツ

「あなたは広報担当です」など、どの立場で回答してほしいかを明示する
ＡＩに何を聞きたいのか、目的やテーマを明確にする
ＡＩにどのような処理を行い、どのような結果を出力してほしいのかを具体的に指示する
その処理を行う背景や前提条件を伝える
「2024年以降のデータに絞る」など対象範囲や粒感の制約条件を指定する

成功体験が職員の意識を変える

ＡＩツールを使って「できた」「業務が楽になった」といった成功体験を得ることが、職員の意識を大きく変えます。ＩＴやＡＩに苦手意識を持っていた職員が自信を持ち、次第に他の業務にもデジタルを取り入れるようになります。こうした小さな変化の積み重ねが、組織内全体のデジタルリテラシー向上につながり、ひいては自治体のＤＸ推進に直結します。