インソース ストレスチェック事務局

ストレスチェック、所属長面談までしているのに成果が出ない?行政組織に求められる次の一手

毎年ストレスチェックを実施し、高ストレスと判定された部署の、所属長に対する面談まで行っている。それにも関わらず、集団分析結果はなかなか改善せず、職員の退職やメンタルヘルス不調に歯止めがかからない。

実はこの背景には、「制度や手順」の問題ではなく、ストレスチェック運用の「質」の問題が潜んでいるケースが少なくありません。本記事では、「メンタルヘルス不調の未然予防」という本来の目的に立ち返り、質の高いストレスチェック運用のヒントをお伝えします。

面談までしても職場が改善されないのはなぜ?

ストレスチェックの実施と併せて健康相談窓口の周知や、分析結果の解説研修、所属長向け面談など、様々な施策を行っているのに、今一つ効果が感じられないという組織は少なくありません。

<ストレスチェックの効果を感じられない、「質」の低い運用でよくある例>

  • 所属長への面談が結果説明や注意喚起で終わっている
  • 所属長に変える裁量のない範囲の解決が求められている
  • 「職場環境を改善しても評価されない」組織文化
  • 人事部門や主幹部署に課題感がなく、「こなすだけ」の運用

このような状態で前年同様の運用を続けていても、組織全体としての改善にはつながりくくなります。改善が進まない要因は、大きく2点あります。

課題1:「変える裁量」が所属長にない

所属長等が自所属のストレス状況を理解し、改善活動案を起案することはもちろん重要です。業務内容やメンバーをよく知る所属長をはじめ、管理職層、一般職まで含めて全員で改善活動に取り組むことが、「無理なく継続できる改善」に繋がります。

しかし一方で、人員配置や業務量といった、所属長には「変えるための裁量がない」構造的な課題に加えて、職制の硬直性や前例踏襲といった組織特有の文化が、ストレスの要因となっている場合も少なくありません。

改善案1:「現場の努力不足」ではなく「組織の課題」としての認識をもつ

組織のトップや人事部門が、前例を打破する裁量を行使し、組織文化自体を変えていく姿勢が不可欠です。管理職から現場状況を主幹部署が拾い上げ、その上で管理職や現場が向き合い考えることで、面談やコンサルテーションは効果を発揮します。所属長だけで抱えさせず「組織課題」として扱う。これを踏まえて「現場における環境改善」が進むような運用が重要です。

仕様書に「高ストレスな職場の所属長に対して面談を行う」と書くのは簡単ですが、面談はあくまでも手段であって、目的は「職場全体のストレス状況を改善すること」にあります。この目的を忘れてただ面談を行っても、実効性を伴う改善には至りません。仕様の検討段階で、人事部門や安全衛生委員会で「組織としてどう介入していくか」といった視点をもつことが大切です。

課題2:改善が評価されない組織文化や、実効性の低い指導

「職場環境改善をしても、人事評価・組織評価に反映されない」「トラブルが起きない限り、現状維持が安全」このような場合、所属長としては「余計なことはしない方がいい」と合理的判断をしがちです。

また、高ストレスな職場の場合、所属長本人もすでに高ストレスであったり、数値には出なくても心身に疲労を抱えていたりする可能性が少なくありません。そのような状況で、所属長の裁量外の改善や実行困難な対応を求めるような面談は、改善どころか所属長を疲弊させるだけとなってしまいます。「所属長に対して面談まで行っているのに、効果がない」という場合は、「所属長に対する面談」をこなすのみになっており、その内容まで見直せていないケースがあります。

改善案2:行動設計・プロセスを評価し、所属長を孤立させない

所属長向け面談を行う場合は、「指導」よりも「伴走型」とし、人事部門も改善活動の内容や進捗、向き合い方を把握しておくことが大事です。所属長や職員の努力があるにも関わらず数値が改善しない場合、構造上の課題が潜んでいる可能性が高く、人事部門や、より上位層による支援が欠かせません。改善活動を現場に投げっぱなしにせず、定期的なチェックやフィードバックを行いながら、組織として関わり続けることが重要です。

また、評価においても、結果だけでなく改善に向けたプロセスや取組みそのものを評価する視点が求められます。実行・継続しやすい改善活動になっているか、他業務に過度な負担を生んでいないかを俯瞰的に確認するためにも、人事部門や上位層の関与が重要です。現場としては「身近な改善活動」で手ごたえを感じること、体制としては人事や、上位部門を巻き込んだフォローを忘れないことが、改善の継続につながります。

「質」の高いストレスチェック運用のためにできること

ストレスチェックの委託業者を「価格のみ」で選定していないでしょうか。ストレスチェックを導入しているのに効果が出ない、「質」の低い運用が継続している大きな要因となりえます。業者選定の際には、以下の視点を持って選定することが質の高い運用に繋がります。

<ストレスチェック外部委託業者選定のポイント>

  • その委託業者は、結果をどう解釈し、誰に、どう伝えてくれますか
  • その委託業者は、現場任せにせず、人事や安全衛生委員会をサポートしてくれますか
  • その委託業者は、改善アクションまで伴走してくれる体制があるでしょうか

ストレスチェック支援サービス~実施から職場環境改善まで

インソースのストレスチェックなら、名簿のご提供だけで、システム設定から各種通知メール送信、集団分析まで丸ごと代行いたします。

専任担当がつき、実施に関するご相談も安心してお任せいただけます。結果を活かした職場改善アクションの提案や継続支援など、アフターサービスも充実しています。

研修会社のノウハウを活かし、実践的な事後教育と改善提言でいきいきとした職場づくりを支援

ストレスチェックを「やって終わり」にさせず、職場環境の改善やセルフケアの機会につなげるための様々なアプローチをご用意しています。ストレスチェック実施後、「所属長(管理職等)」「受検者」「事業者(経営層・衛生管理委員会等)」それぞれに合う形で、職場環境改善に取り組む人をサポートします。

研修会社のノウハウと、組織課題の解決を行ってきたコンサルティング力を活かして、ご支援いたします。

ストレスチェック後の職場改善プログラム

ストレスチェック後のサービスです。ストレスチェックを負担の大きい年中行事で終わらせず、職員が安心して働き続けられる組織づくりの起点にするための支援を行っています。

所属長が「組織としてどのように職場環境改善に取り組むか」を、様々な観点から考えていただき、具体的なアクションまで落とし込むプログラムです。インソースは「指導する」のではなく、「伴走して考える」ワークショップ型研修を意識しています。表面的にならない、職場全体のストレス改善に向けて舵を切るために、ぜひ実施をご検討ください。

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セットでおすすめの研修・サービス

メンタルヘルス研修~ラインケア

メンタルヘルスと職場メンバーへの対応に関する知識を身につけ、心身良好な職場を築いていくことを目標とした研修ラインナップをご用意しています。

ケーススタディをもとにどのような働きかけをするか考える構成になっており、具体的に職場で取り組めることが明確になります。

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>動画教材の詳細はこちら

エンゲージメント診断

従業員エンゲージメントの向上を目指して、組織課題を可視化するアセスメントです。

従業員と組織の満足度を定量的に調査することで、どの対象にどのような施策を講じればよいのかを考える際の基礎情報として活用することができます。

>エンゲージメント診断の詳細はこちら

ハラスメントリスクアセスメント

完全匿名化できるシステムを用いて従業員の意識や、間接的な行動の有無・知識も含めたハラスメントリスク度・組織の状態・特有の要因や背景を可視化するサービスです。

職場内や顧客からのハラスメントを予防するのに加えて、ハラスメントに関する知識をアップデートするのにも効果があります。

>ハラスメントリスクアセスメントの詳細はこちら

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