プログラミングができないシステム営業は通用しない? ~信頼獲得に繋がる開発現場視点とプログラミング的思考

システム営業にプログラミングは必要か? そう疑問に思ったことはありませんか。単なる営業力だけでは通用しない時代、IT業界の営業担当者にとって、プログラミング的思考は重要な武器です。
例えば、Pythonを体験しながら学ぶことで、開発部門の業務フローや工数感覚を理解し、現実的な提案力やチームでの協働力を高められます。
本記事では、システム営業がプログラミングを学ぶ意義やプログラミング的思考について解説します。
顧客・メンバーから信頼されるのは、開発現場視点のある営業
顧客から「この機能はすぐできますよね?」と尋ねられ、工数感覚がないまま「はい」と答えてしまったことはないでしょうか。結果「見積もりが甘すぎる」と開発部門に指摘され、顧客との信頼関係を損ねてしまう。典型的な失敗例です。
システム営業に求められるのは、単なるトーク力ではありません。開発チームと同じ視点で話し、現実的な提案をつくれる力です。プログラミングを体験することで、開発工程や工数感覚が身につき、顧客・エンジニア双方から信頼される営業へと成長できます。
- 現実的な提案ができる:
実際にコードを書くことで、機能実装にかかる手順や時間感覚が肌感覚でわかります。結果として、無理のある約束を避けられます。 - 社内コミュニケーションが円滑になる:
開発側と共通言語で話せれば、要件の齟齬や無駄な手戻りを減らし、社内での信頼度が上がります。 - 顧客の信頼につながる:
技術的背景を理解することで、説得力のある提案や代替案の提示が可能になります。
営業活動に活きるプログラミング的思考
プログラミング的思考とは、複雑な課題を分解し、順序立てて解決策を組み立てる力です。
プログラミングを学ぶ過程で、自然とこのプログラミング的思考が身につきます。これは、営業にとって大きな武器となります。
課題の分解
顧客要望を小さな要素に分け優先度を考えることができます。
例)どのようなプログラムを作成するべきか。ゴールは「実行ファイルをクリックするとダイヤログが起動。ファイルの種類を選択すれば、ファイル統合ができる。」となると。。。
手順の最適化
何が先で何が後かを整理し、手順を明確にすることができます。
例)このプログラムを5月31日に納品するためには、5月20日には完成を目指すべきなのでは?だとすると、5月10日には一次完成して動作確認すべきか。
再現性
成功事例をテンプレ化してチームに展開することができます。
例)今回のシステムに導入した動画マニュアル再生機能のうけが良かった。この機能はテンプレートに落とし込めるので、汎用提案書に入れてチームに展開しておこう。
プログラミングの経験で得られる「できる自分」
たとえ数行のコードでも、意外と時間がかかることを体感すると、言動が変わります。「すぐできます」と安請け合いをする前にエンジニアへ確認する習慣が生まれ、提案の正確さが高まり、顧客からの信頼を勝ち取ることができます。
こうした小さな成功体験の積み重ねが、自己肯定感に繋がり、仕事へのモチベーションとなります。
(新入社員向け)システム営業担当者のためのプログラミング体験研修(5日間)
導入事例 ― 情報通信・IT企業の取り組み
ある情報通信・IT企業(従業員約1,000名)では、営業研修しか行ってこなかったため、営業が技術的質問に応えられないという課題がありました。そこで、Python体験を含む研修を導入し、開発工程の理解を深めることを目的に実施しました。
結果として、新人営業は納品までの手順や必要工数を理解し、顧客への提案の現実味が増し信頼構築につながりました。
研修概要
- 1日目:システム開発の手順や工程管理の要点を学ぶ
- 2~5日目:Pythonで実際に手を動かし、要件定義書やテスト仕様書を作成しながら開発を体験
本研修のゴール
- プログラム作成にかかる時間感覚をつかむ
- 入出力のイメージやシステム部門が重視する項目を理解する
- 相談のタイミングを把握し、手戻りを防ぐ
よくあるお悩み・ニーズ
- システム開発の流れが分からず、納期設定が難しい
- プログラミング未経験のため、案件の難易度が判断できない
- 技術的な質問に自信を持って答えられるようになりたい
セットでおすすめの研修・サービス
(プログラミング初心者向け)Python基礎研修(3日間)
Pythonは、やさしい言語として小学生のプログラミング教室にも採用される一方、AI開発、IoTシステム、Webアプリケーション、スマホアプリなど応用範囲が広い言語として注目されています。
Pythonを使ったExcel操作を体験いただく研修です。プログラミングの基本を学べますし、Pythonを普段の事務作業に使っていただくこともできます。
システム・IT理解研修
システムを実際に開発するSE(システムエンジニア)などではなく、システム開発を依頼する側として、知っておくべきシステム開発のポイントや手順を学んでいただきます。
システム開発の基本手順を理解することが目標の研修ですので、もちろん、システム会社の営業の方にもおすすめです。
プログラミング的思考力強化研修~スクラッチ(Scratch)言語を使ったアルゴリズム入門(1日間)
本研修では、小学校のプログラミング教育で使用される「スクラッチ(Scratch)言語」を用いて、プログラミング的思考の基本を習得することを目的としています。
アルゴリズムが分かれば、言語が違っても共通する「プログラミングの基本」がわかります。文系で今までプログラムを触ったことがないが、プログラミング的思考力を身に付けたい方におすすめです。





