インソースコンサルティング アセスメントチーム

研修受講率80%を実現!階層別テストの導入で、「自ら学ぶ社員」に変えるステップ

企業がいくら豊富な研修プログラムを用意しても、社員が「どれを受講すべきかわからない」と利用が進まなければ、制度が形骸化してしまいます。これでは投資対効果が得られず、社員の成長も限定的なものに留まります。

この課題を解決するのが階層別テストです。社員一人ひとりのスキルを客観的に測定・可視化することで、自分に必要な研修を自ら選び、主体的に学ぶ文化を育てます

本記事では、実際に階層別テストを導入し、研修受講率を80%まで引き上げた企業の事例をもとに、導入手順と成功のポイントを解説します。

研修制度が機能しない理由~社員が「やらされ感」で受講する、目的不在の教育制度

選択肢が多すぎて迷いが生まれる

ある企業では年間400種類もの選択型研修を用意していました。しかし、選択肢が多すぎることで社員が迷い、「結局どれを選べばよいかわからない」と受講を後回しにする現象が起きていました。制度は整っていても、選択行動が止まると受講率が上がらず、せっかくの仕組みが活かされません。

目的が曖昧でモチベーションが上がらない

「なぜこの研修を受けるのか」が明確でないままでは、社員の意欲は高まりません。上司から言われたから受けるだけでは、やらされ感が強く、受講後も学びが定着しません。社員が自ら「この研修が自分の成長につながる」と納得して選べるようにするためには、事前に自分の強みと弱みを把握させる仕組みが不可欠です。

「強みと弱み」「組織全体のスキル分布」を見える化し、教育体系を再設計するデータ活用術

スキル診断で社員の迷いをなくす

階層別テストは、職種や階層ごとに求められるスキルをカテゴリ化し、その中から問題を出題します。受検後すぐに結果レポートが表示され、各スキル項目を全国平均と比較して確認できます。社員は自分の現状を客観的に理解し、「強みを伸ばす」「弱みを補う」という目的意識を持って研修を選べるようになります。

管理者は組織全体の傾向を把握できる

管理者画面では、全社員のスキル分布を俯瞰できます。これにより、個人単位の育成だけでなく、組織としての課題領域を特定し、教育体系全体を見直すための材料を得られます。このデータは、昇格試験や人事戦略への応用も可能です。

実践事例:受講率80%を実現した企業の取り組み

背景と課題

研修制度は整っていたものの、社員がどの講座を受講すべきか判断できず、受講が進まないという課題がありました。目的意識を持たないまま受講を見送る社員も多く、制度自体が十分に活用されていない状況でした。こうした中で、社員が自ら学びの目的を考え、主体的に講座を選び積極的に参加する仕組みをつくることを目指しました。

その実現に向けたステップは、次の通りです。

導入ステップ

  1. 事前テストの実施
    全社員が階層別テストを受検。スキルレベルを客観的に把握します。
  2. 結果の即時フィードバック
    レポートでは全国平均との比較が表示され、社員は自分の位置を理解できます。
  3. 研修選択への誘導
    「強みをさらに伸ばす」「弱みを補う」という視点で研修を選ぶ流れを設計しました。

成果

  • 初月でほぼ全社員がテストを受検し、そのまま研修申し込みまで完了
  • 半年後には6割、最終的には8割弱が年間2回の研修を受講
  • 翌年には受講枠を年間4回に拡大
  • 結果データから、管理職層のリーダーシップやコミュニケーション不足が組織課題として可視化され、研修プログラムを改定

これにより、制度が「単なる仕組み」から「社員が自ら学び続ける文化」に変わり、教育投資の効果を最大化しました。

人材アセスメントは組織文化を育てるエンジン

階層別テストは、社員のスキルを客観的に可視化し、研修制度を活性化させるツールです。本事例では、受講率を8割弱まで引き上げるだけでなく、組織課題を明らかにし、研修プログラムにも反映させました。社員が自ら学ぶ文化を育て、教育投資の効果を最大化するためには、階層別テストの導入が有効です。

また、企業にリスキリング(新しいスキル習得のための再教育)が求められる中で、人材アセスメントツールを導入することで、現在のスキルと将来の事業に必要なスキルとの間のギャップを定量的に可視化します。このデータを基に、戦略的な人材配置や計画的な教育投資を行うことで、組織全体の変革をスピーディに進めることができます。社員の主体的な学びを促し、組織としての課題を明らかにすることで、教育投資を「コスト」から「企業の長期的な成長エンジン」へと進化させます。

階層別テスト

インソースでは、階層別テストを中心に、研修設計から教育体系構築までを一貫して支援しています。組織の課題や目的に合わせて、評価カテゴリや設問を柔軟にカスタマイズ可能です。「研修制度を活性化したい」「社員のスキルを可視化したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

>階層別テストの詳細はこちら

セットでおすすめの研修・サービス

教育体系・研修体系見直しサービス

人的資本経営実現のため、組織の経営戦略と連動した教育・研修体系を構築します。現場社員の声を反映したワークショップでスキルマップを作成した後、研修体系構築から最適な教育手段の提案まで一気通貫で支援します。

>教育体系・研修体系見直しサービスの詳細はこちら

初級管理職研修~「階層別テスト」の結果から、自身のマネジメントを振り返る(1日間)

階層別テスト(初級管理職向け)の受検結果をもとに自身のスキルアップを考える研修です。

まず結果を踏まえて自身の現状を確認し、初級管理職に求められる役割・スキルを再認識します。そのうえで、管理職としておさえておきたい人材育成・業務推進・リスク管理の3つのマネジメントについて学びます。

>講師派遣型研修の詳細はこちら

ベテラン社員向け研修~「階層別テスト」で現状認識し今後のキャリアを考える(1日間)

階層別テスト(ベテラン向け)の受検結果をもとに、自身のキャリアを考える研修です。

まず結果を踏まえて自身の現状を確認し、ベテラン社員に求められる役割・スキルを再認識します。そのうえで今までのキャリアを棚卸しし、これからどのように仕事に向き合いキャリアを形成していくかを考えます。

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