若手社員の「育たない」を断ち切る方法~階層別テストから始める早期戦力化サイクル

「仕事を教えても思ったように成長しない」「入社時に研修を実施しているが、現場配属後のフォローアップを実施できていない」
このような若手社員の育成と定着という課題には、属人的な指導だけに頼らず、データと仕組みに基づいた育成が重要です。
具体的には、まず年次にふさわしい知識や論理的思考力を有しているかをテストで測り、若手社員のスキルレベルと課題を可視化します。そして、その結果をもとに最適な人材開発施策を設計します。集合研修とOJT、フォローアップ研修を組み合わせて現場での活躍を支援します。
本記事では、「テスト→課題把握→研修→OJT・フォローアップ」という流れで若手社員を早期戦力化し、活躍を支援するための育成法を紹介します。
若手社員が育たない3つの根本原因
1. ゴールが曖昧で育成が迷走する
「一人前になるまで」という漠然とした目標では、指導担当者によって基準が異なり、育成が場当たり的になります。若手社員本人も、自分がどのレベルを目指せばよいか分からず、不安や迷いを抱えます。
2. 指導が属人的で再現性がない
OJT中心の育成は、指導者の経験や感覚に依存しやすく、指導内容にばらつきが生まれます。「教える人によってやり方が違う」という状況では、若手社員が混乱し、成長が遅くなります。
3. 研修後のフォロー不足で離職につながる
研修で学んだ内容が現場で活かされず、成長実感を得られないまま時間が過ぎると、若手社員のモチベーションは低下し、離職リスクが高まります。
研修・OJTにテストを組み合わせて、若手社員の育成につなげる
若手社員の育成は、属人的な現場指導だけに頼るのではなくデータと仕組みに基づいて行うことが重要です。階層別テストでスキルを可視化し、結果をもとにした研修とOJTで現場への定着を図ります。こうしたサイクルを回すことで、若手社員は成長を実感し、離職率が下がり、組織全体の活力が向上します。
- STEP1:若手社員の育成目標を明確化したうえで、現状のスキルをテストで測定し可視化
- STEP2:共通して不足している知識とスキルに対しては、集合研修など、組織として統一された教育を実施
- STEP3:個人で不足している知識・スキルは、オープンセミナーや動画教材など、個別の課題にフィットした教育を実施
- STEP4:テスト結果を、現場の指導者に共有し、OJTに活用
- STEP5:現場配属から半年が経過したら、再度テストを受検し、成長を「見える化」
階層別テスト(若手向け)
インソースの階層別テストでは、若手社員に必要なスキルを7カテゴリで評価します。
- ビジネス基礎:ビジネスマナー、文書作成、電話応対、ホウレンソウ、財務知識
- ビジネスマインド:仕事への姿勢、自立心、規律、営業力
- 業務遂行力:PDCA、QCDRS、タイムマネジメント
- 論理的思考力:判断力、ロジカルシンキング
- コミュニケーション力:傾聴力、伝達力、プレゼンテーション、チームワーク
- リーダーシップ力:指導力、OJT力
- 社会常識:ダイバーシティ、ワークライフバランス、コンプライアンス、リスクマネジメント
この7分野を測定することで、各社員の得意・不得意をデータで明確化できます。
テストの結果はレーダーチャートで可視化され、個々のスキルレベルが一目で把握できます。これにより、指導者も本人も、成長に向けた具体的なスタート地点を共有できます。
分析結果をもとに、集合研修やオンライン研修を実施します。その後はOJTとフォローアップで定着させます。研修での学びを確認しながら、上司や先輩が具体的にアドバイスします。
セットでおすすめの研修・サービス
若手社員研修~「階層別テスト」を活用し、成長を加速させる(1日間)
階層別テスト(若手向け)の受検結果をもとに自身のスキルアップを考える研修です。
まず結果を踏まえて自身の現状を確認し、若手社員に求められる役割・スキルを再認識します。そのうえで本研修では、若手社員が苦手に感じやすいテーマである、数字力や相手に合わせたマナー、リーダーシップのポイントを学びます。
(経験者向け)OJT指導者研修~育成方法を振り返り、フィードバック力を高める
OJT担当者として、これまでの指導を振り返り、後輩との関係構築・フィードバックスキルの向上を目指すフォローアップ研修です。
本研修では、これまでの育成計画・指導、後輩の成長や課題を振り返っていただき、残りのOJT期間での指導をより充実させるため、改善点を明確にします。
さらに、後輩の自信を高める質問の仕方、後輩を動機づけるための効果的なほめ方、フィードバックに必要な要素を習得し、より高い指導スキルを身につけます。
リテンションマネジメント講座~離職防止のための取り組みを学び、現場のマネジメントに活かす(スライド付き)
リテンションマネジメントとは、若手を中心とした人材の定着化を図り、労働生産性を高めていくための総合的な取り組みです。
本動画ではリテンションマネジメントの取り組み方や事例をはじめ、若年層の離職が増えている時代背景についても詳しく解説します。
場当たり的な離職防止策ではなく、一貫性のある人材定着策を推進するうえで必要な基本知識を身につけます。







