2018年3月02日

4月入社を目指し転職希望者数増加、求人数も4カ月連続で最高値を更新　パーソルキャリア調べ

　人材サービスのパーソルキャリア（東京・千代田、峯尾太郎社長）がまとめた「DODA 転職求人倍率レポート」によると、2018年1月の転職求人数は前年同月比13.7％増、転職希望者数は同14.0％増となった。求人数は調査開始（2008年1月）以来の最高値を4カ月連続で更新している。

　求人数は前月比0.3％増、前年同月比13.7％増、転職希望者数は前月比22.5％増、前年同月比14.0％増だった。求人倍率は転職希望者数の増加幅が求人数の増加幅を上回ったため降下し、前月比0.52ポイント減の2.35倍となった。

　業種別にみると、求人数は8業種（その他を含まない）のうち「IT・通信」、「小売・外食」、「サービス」の3業種で増加した。特に伸びたのは、「サービス」（前月比2.4％増）、「小売・外食」（同0.8％増）。

　「サービス」では、人材サービス、不動産、コンサルティングファームなど事業拡大を積極的に行っている企業で募集ポジションが追加されたことが増加の要因となった。

　「小売・外食」では、業界内で特に売り上げを伸ばしている企業が増員に積極的で、コンビニエンスストアや飲食店のほか通信販売やネット販売の求人数が増加した。

【業種別　求人数増加率（前月比）】
サービス　　2.4％増
小売・外食　0.8％増
IT・通信　　0.7％増
メーカー　　0.4％減
商社・流通　1.8％減
金融　　　　4.4％減
メディカル　4.4％減
メディア　　7.4％減

その他　　　2.2％増

　職種別では、求人数は11職種のうち「営業系」、「技術系（IT・通信）」、「技術系（電気・機械）」、「専門職」の4職種で増加した。

　特に伸びたのは「営業系」（前月比3.2％増）、「技術系（IT・通信）」（同1.6％増）だった。

　「営業系」では、不動産や人材サービス、広告の営業職の求人数が増加した。業種や職種が未経験であっても歓迎する求人が多いことが特徴だ。

　「技術系（IT・通信）」では、SIer（システムインテグレータ）、コンサルティングファームのほか事業会社でも採用が活発化しており、「ITコンサルタント」「SE・プログラマ」「インフラエンジニア」はいずれも求人数が増加した。

【職種別　求人数増加率（前月比）】
営業系　　　　　　　3.2％増
技術系（IT・通信）　1.6％増
専門職　　　　　　　1.5％増
技術系（電気・機械）0.9％増
技術系（メディカル）1.0％減
技術系（建築・土木）1.7％減
企画・管理系　　　　2.2％減
販売・サービス系　　3.8％減
事務・アシスタント系4.8％減
クリエイティブ系　　5.9％減
技術系（化学・食品）9.2％減

　1月の転職マーケットについてパーソルキャリアでは、「4月までに転職先を決めようと活動を始める人が多い時期であるため、転職希望者数は大幅に増加した。採用充足などで終了となる求人が増える中、新規求人も引き続き多いため、求人数は前月同様高水準を維持している」とした。

　また、2月以降については「求人数、転職希望者数は多い状態が続く見込み」としており、転職市場の特徴について「業種、職種ごとに求人倍率に差が開くようになっている」と指摘した。

　特に、「AIやIoT、Web、IT・通信に関連する業種、専門職や技術系の職種で求人倍率が上がっており、新しい技術やスキルを持つ人のニーズが高まっている」とコメントしている。

配信元：日本人材ニュース