2018年3月07日
帝国データバンクが実施した賃金動向に関する企業の意識調査によると、5割を超える企業で2018年度の正社員の賃全が改善される見込みであることが分かった。
2018年度に正社員の賃金改善(ベースアップ、賞与・一時金の引き上げ)が「ある(見込み)」と回答した企業は、は56.5%と、2年連続で5割を超えた。前年調査(2017年度見込み)と比べると5.3ポイント上回っており、過去最高となった。
一方、賃金改善が「ない(見込み)」と回答した企業は18.4%で、前年調査を4.1ポイント下回った。
「ある」が「ない」を8年連続で上回ると同時に、その差も38.1ポイントと前年より大幅に拡大し、過去最大を更新した。
2017年度実績では、賃金改善が「あった」企業は67.3%に上り、4年連続で6割を超えた。
「ある(見込み)」と回答した企業の割合を業界別に見ると、「製造」が最も高く60.5%となった。次いで「運輸・倉庫」(60.3%)、「建設」(57.2%)が続き、上位3業界は前年度と変わらなかった。
一方、「金融」は調査開始以降13年連続で「ない」(34.9%)が「ある」(24.6%)を上回っており、10業界中唯一、賃金改善を見込む企業の割合が前年度から低下した。
【業界別 2018年度の賃金改善見込みの有無】
農林水産 ある45.6%、ない28.1%
金融 ある24.6%、ない34.9%
建設 ある57.2%、ない18.1%
不動産 ある43.6%、ない25.7%
製造 ある60.5%、ない14.7%
卸売 ある55.8%、ない19.4%
小売 ある50.9%、ない22.6%
運輸・倉庫 ある60.3%、ない17.4%
サービス ある56.3%、ない19.6%
その他 ある37.8%、ない31.1%
賃金改善が「ある」企業の割合を従業員数別にみると、「6~20人」(60.0%)、「21~50人」(62.9%)、「51~100人」(61.5%)が6割を超えた。
一方、「5人以下」「301~1000人」「1000人超」では4割台にとどまっており、賃金改善を行う企業は中小企業で高く、小規模企業や大企業で低くなる傾向となった。
賃金改善の具体的内容では「ベースアップ」(45.4%)、「賞与(一時金)」(31.8%)で、前年調査に比べて「ベア」が5.1ポイント増、「賞与(一時金)」が3.0ポイント増となった。
「ベースアップ」は2017年度見込みの40.3%を上回り、過去最高となった 。また「賞与(一時金)」も初めて3割台となり、過去最高を記録した。
賃金改善が「ある(見込み)」と回答した企業の理由(複数回答)では、「労働力の定着・確保」(79.7%)が最も多く、2015年度以降4年連続して前年を上回り、過去最高を記録した。
次いで、「自社の業績拡大」(47.0%)、「同業他社の賃金動向」(25.0%)「最低賃金の改定」(13.9%)と続いた。
調査は、2018年1月18日~31日、全国2万3089社を対象に実施し、は1万161社の有効回答を得た。
配信元:日本人材ニュース
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