2018年11月26日
人材サービスのパーソルキャリア(東京・千代田、峯尾太郎社長)がまとめた「DODA 転職求人倍率レポート」によると、10月の転職求人数は前年同月比6.7%増、転職希望者数は同14.1%増となった。求人数は調査開始(2008年1月)以来の最高値を2カ月ぶりに更新した。
求人数は前月比2.3%増、前年同月比6.7%増、転職希望者数は前月比14.2%増、前年同月比14.1%増だった。
求人倍率は前月比0.24ポイント減、前年同月比0.14ポイント減の2.11倍だった。
10月の求人数は、下半期に採用予定のポジションの募集を始める企業が多かったため、前月比2.3%増となった。前年同月比でも増加しており、増加幅はややなだらかになりつつあるが、引き続き高い水準を維持している。
転職希望者数は大幅に増加したが、その要因についてパーソルキャリアでは「働き方への注目が高まる中、将来の仕事に不安を持つ人が増えており、すぐに転職とは考えていなくても、転職情報を得ようとイベントに参加する人や、気になる企業の求人に応募することをきっかけに転職活動を始める人が増えている」と指摘した。
また、「年末の退職を目指して転職活動を始めた人が一定数いたことも増加の要因となった」としている。
求人倍率は、求人数の増加幅を転職希望者の増加幅が上回ったため下降したが、求人数は2008年の1月以来の最高値を更新しており、企業の採用意欲は引き続き高い状況となっている。
業種別にみると、求人数の前月比は8業種(その他を含まない)すべてで増加した。特に伸びたのは、「メディア」(前月比10.6%増)、「金融」(同7.8%増)。
「メディア」では、Webマーケティング関連の広告代理店で営業職やITエンジニアの採用が活発化した。特に営業職では業界未経験者を歓迎する傾向が強かった。
「金融」では、採用人数は生命保険会社の営業職が多いものの、下半期の初月ということもあり、総合職や事務職で新しい求人の追加が目立った。「金融」は、前年同月比でも117.9%と求人数が伸びた。
【業種別 求人数増加率(前月比)】
メディア 10.6%増
金融 7.8%増
商社・流通 6.6%増
メディカル 6.5%増
IT・通信 5.0%増
メーカー 4.4%増
小売・外食 1.5%増
サービス 1.3%増
その他 42.0%減
職種別では、求人数の前月比は11職種のうち「営業系」「販売・サービス系」を除く9職種で前月から増加した。特に伸びたのは、「企画・管理系」(前月比9.8%増)、「事務・アシスタント系」(同8.8%増)。
「企画・管理系」では売上効率を高めようとマーケティング施策の見直しを行う企業が増えており、デジタルマーケティングやリサーチの求人が増加した。「企画・管理系」は前年同月比も14.4%増となっており、購買や物流関連でも採用が活発となっている。
「事務・アシスタント系」では、金融、不動産、ITといった領域の会社で募集人数が増えている。
【職種別 求人数増加率(前月比)】
企画・管理系 9.8%増
事務・アシスタント系8.8%増
技術系(メディカル)4.7%増
技術系(電気・機械)4.4%増
技術系(IT・通信) 4.3%増
専門職 2.9%増
クリエイティブ系 2.6%増
技術系(化学・食品)0.7%増
技術系(建築・土木)0.5%増
営業系 1.1%減
販売・サービス系 6.8%減
今後の転職市場についてパーソルキャリアでは、「10月も企業は非常に活発に中途採用を行っているため、11月以降も求人数は増加する見込み。ただし、前年に比べると増加幅はやや落ち着く」とした。
また、求人内容について「職種の未経験者を歓迎する求人は全体の1割以上あり、職種を変えて未経験の分野にチャレンジしやすい状況が続いているが、最近は経験者を求める求人の数が増加しつつある」と指摘している。
配信元:日本人材ニュース
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