2020年12月11日
民間企業の雇用者の賃金収入は減少傾向になっており、特に非正社員の賃金収入が大きく悪化していることが、連合総研(連合総合生活開発研究所)が実施した「勤労者短観調査」で明らかとなった。
1年前と比べた自身の賃金収入の増減D.I.値が、全体でマイナス16.8となった。4月の前回調査ではマイナス3.8となっており、大きく悪化している。
正社員、非正社員別にみると、正社員は前回調査から13.1減少して14.3、非正社員は12.9減少してマイナス21.9と、ともに前回調査から賃金収入の動きが大きく悪化した。
1年後の賃金収入増減の見通しについて、「増える」とする割合は、前回調査(14.8%)よりも低下し、約1割程度(13.2%)にとどまっている。賃金収入見通しD.I.値をみると、男性非正社員(マイナス17.0)、労働組合なし(マイナス15.5)で賃金が減少するとの見方が強い。
1年前と比べた正社員の賃金収入増減実績D.I.値を就業形態別にみると、正社員はマイナス14.3、非正社員はマイナス21.9と、前回調査(それぞれマイナス1.2、マイナス9.0)から大きく悪化している。
従業員規模別にみると、従業員規模99人以下では製造業でマイナス25.7、非製造業でマイナス11.9、100~999人では製造業でマイナス12.5、非製造業でマイナス10.5、1000人以上では製造業でマイナス15.9、非製造業でマイナス16.9となった。
すべての従業員規模、業種でマイナスとなっているが、特に従業員規模99人以下の製造業ではマイナス25.7と、前回調査のマイナス6.3から大きく悪化している。
1年後の賃金収入見通しD.I.値は、正社員がマイナス13.1、非正社員がマイナス14.1と、ともにマイナスとなっている。
1年前と比べた現在の職場の正社員数D.I.値はマイナス4.1、非正社員数D.I.値はマイナス10.6となった。新型コロナの影響の程度が多いにあった企業に限定すると、正社員数D.I.値はマイナス14.7、非正社員数D.I.値はマイナス25.0と低かった。
調査は、2020年10月1日~5日、首都圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)と関西圏(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)に居住する20~64歳の民間企業に雇用されている男女を対象にインターネットで実施し、2000人の回答を抽出した。
※D.I.={「かなり増えた」×1+「やや増えた」×0.5+「変わらない」×0+「やや減った」×(-0.5)+「かなり減った」×(-1)}÷回答数(「わからない」を除く)×100
配信元:日本人材ニュース
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