2022年8月12日
労務行政研究所が上場企業等における人事労務関連のさまざまな制度の実施状況を調査し、集計した「人事労務諸制度の実施状況調査」によると、最も実施率の高い制度・施策は「定年後の再雇用制度」で9割超となっている。
最も実施率の高い制度・施策は「定年後の再雇用制度」で90.8%、次いで「ハラスメントに関する相談窓口の設置」が89.0%、「内部通報制度」が84.9%となっている。
コロナ禍で普及した「オンライン面接」(79.8%)は約8割、「テレワーク」(67.5%)は7割近くの企業が実施していた。
一方、リモートワーク下で社員のメンタルヘルスが問題となるケースも増えており、「メンタルヘルスに関する相談窓口の設置」が69.5%、「心の健康を目的とするカウンセリング」が41.1%など、精神的な側面のサポートを実施する企業は多い。
【主な制度・施策の実施率 トップ10】
1位 定年後の再雇用制度 90.8%
2位 ハラスメントに関する相談窓口の設置 89.0%
3位 内部通報制度 84.9%
4位 仕事上での旧姓使用 83.9%
5位 ハラスメント防止規定の作成 82.5%
6位 契約社員の雇用 81.8%
7位 オンライン面接 79.8%
8位 パートタイマー・アルバイトの雇用 72.6%
9位 メンタルヘルスに関する相談窓口の設置 69.5%
9位 裁判員休暇 69.5%
注目の制度について労務行政制度は以下のように紹介している。
「仕事上での旧姓使用」
近年、結婚により姓を変更することで生じる仕事上の不利益の解消や個人のアイデンティティーへの配慮を目的に「仕事上での旧姓使用」を認める企業は増加しており、2022年調査では83.9%となった。2010年の52.9%以降、右肩上がりで上昇しており、2018年(67.5%)から16.4ポイントの伸びとなった。仕事以外でも、2019年には住民票やマイナンバーカード、運転免許証で、2021年にはパスポートでも旧姓の併記が認められるようになっており、今後も取り組みは進むとみられる。
「テレワークとオンライン面接」
新型コロナウイルス感染拡大への対応として政府が出社率の低減を要請したことなどから、「テレワーク(在宅勤務)」の導入が急速に進み、2022年調査では67.5%と2018年(11.8%)から55.7ポイントもの大幅な上昇となっている。また、コミュニケーション手法が対面中心からオンライン中心へとシフトしたことに伴い、採用面接にも大きな影響が及んでいる。今回初めて調査した「オンライン面接」の実施率は79.8%であり、現在、多くの企業が実施しているものと考えられる。
「副業・兼業の容認」
これまで副業・兼業に否定的な企業も多かったが、働き方の多様化が進む中、これを容認する動きも広がっている。厚生労働省が2020年9月に改定した「副業・兼業のガイドライン」では、懸念となっていた労働時間管理と健康管理のルールが明確に示された。こうした流れを受け、2018年は10.7%にとどまっていた「副業・兼業の容認(承認)」は、2022年に39.4%と上昇している。
調査は、2022年2月28日~5月10日、全国証券市場の上場企業(新興市場の上場企業も含む)3647社と、非上場企業1850社の合計5497社(ただし、持ち株会社の場合は主要子会社を対象としたところもある)を対象に実施し、回答のあった292社を集計した。
配信元:日本人材ニュース
■関連記事一覧
更新
【人事評価制度への不満3】評価面談が苦手はただの言い訳。イケてない上司を脱却するマインドセットと準備
上司が評価面談から逃げようとしている様子は残念ながら部下にも伝わり、「自分は正当に見てもらえていない」「こんな人に評価されたくない」「こんな人を昇格させている組織に長く居てはいけない」とエンゲージメントを下げる要因になり得ます。
更新
【人事評価制度への不満2】通常業務ができないくらい面倒!真面目になんてやってられない
評価記録は何を使ってまわしていけばいいの?表計算ソフト、クラウド型評価システム、日報等のコメントフィードバックツール...それぞれを用いた場合のメリット・デメリットを解説します。
更新
「やる気が出ない」とはもう言わせない~部下のモチベーションを高める目標管理術
数値化した目標を部下が自分で立てられるように導きます。明日から使える目標管理スキルが身につきます。
更新
評価のブレを防ぎ信頼を築く!期末に押さえるべき人事評価6つのポイント
期末評価で陥りがちな心理的エラーを避け、公正で納得感のある評価を行うための6つのポイントと、評価の質を高める実践的な方法を解説します。
更新
評価の不満を解消する3つの解決策~人事評価制度の本当の役割は「人材育成」
人事評価に対する上司・部下からの不満には、主に3つの原因があります。これらを解消し、納得感のある公正な評価の仕方を学ぶ「評価者研修~公正な評価のポイントを学び、納得感のある評価を行う」を紹介します。
更新
360度評価
350度評価とは、アメリカにおいて能力開発のツールとして開発された考え方です。
更新
無理して働く疾病就業「プレゼンティーイズム」とは?〜疲弊する現場のケアで休職連鎖を防ぐ
職場内で相次ぐメンタルヘルス不調者の発症を防ぎ、人員不足や職場の士気低下を起こさないための人員管理術、職場環境の改善施策について解説していきます。
更新
KPIはノルマじゃない~KSFと組織目標から逆算する、KPI設計法
KPIとはあくまで「指標」であり、目標ではありません。本コラムでは、KPIの設定方法と、有効にするための改善サイクルの回し方を解説します。組織目標と連動したKPIを決め、必要に応じて見直しながら運用することが大切です。
更新
人材評価を語る
インソースでは「人材評価」について、適正な人事評価によって社員・職員の能力・資質を向上させることを目的にしている、と基本的に考えています。その「人材評価」の効果、特徴、内容等について、弊社代表・舟橋がインタビュー形式で語るページです。
■関連研修シリーズ
■関連商品・サービス一覧
更新
(半日研修)コンピテンシー基礎研修~成果につながる行動特性の理解と実践
更新
実践!評価者研修~目標設定・面談編(半日間)
更新
働く高齢者のための安全と健康管理
更新
喫煙防止講座~今吸っていないあなたにも
更新
メンタルヘルス(セルフケア)研修~自身のストレスへの対処法を学ぶ(冊子教材・テスト付き)
更新
レジリエンス研修~しなやかにストレスと向き合い、回復力を身につける(冊子教材・テスト付き)
更新
アクティブモチベーション講座~ポジティブな考え方で意欲をセルフコントロールする(スライド付き)
更新
評価者研修~下位評価の伝え方(半日間)
更新
コンピテンシー基礎研修~成果につながる行動特性の理解と実践(半日間)
下記情報を無料でGET!!
無料セミナー、新作研修、他社事例、公開講座割引、資料プレゼント、研修運営のコツ
※配信予定は、予告なく配信月や研修テーマを変更する場合がございます。ご了承ください。
配信をご希望の方は、個人情報保護の取り扱いをご覧ください。
無料セミナー、新作研修、他社事例、公開講座割引、資料プレゼント、研修運営のコツ

登録は左記QRコードから!
※配信予定は、予告なく配信月や研修テーマを変更する場合がございます。ご了承ください。
配信をご希望の方は、個人情報保護の取り扱いをご覧ください。
人事のお役立ちニュース