2023年3月17日
他社との人材獲得競争を回避でき、潜在的な人材を獲得できる手段として、リファラル採用が注目されています。リファラルには紹介や推薦という意味があり、従業員の紹介をもとに採用することで、マッチングしやすい上にコストカットも可能にします。この記事では、リファラル採用のメリットや運用方法について解説します。
リファラル採用とは、自社の従業員や知人からの紹介によって採用活動を進める方法のことを指しています。
社内関係者からの紹介であるため企業とのマッチングがしやすい点、エージェントを通さないためコストを十分におさえられる点がメリットです。
新卒採用や中途採用など、企業の採用方法には複数種類がありますが、より信頼性の高い採用方法として注目されています。
紹介による採用というと、縁故(コネ)採用を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。縁故採用もリファラル採用と同様に、従業員や親族、社内の重要人物やその知人からの紹介によって人材を採用するための方法です。ただし、求める人材とは異なるケースが多々あるのが縁故採用の欠点です。
縁故採用では、紹介された人材のスキルや適正が、採用の可否を判断する基準とならない場合があります。多くの場合、紹介者との社内関係を悪化させないよう、なかば強制的に採用せざるを得ない状況に陥ります。もちろん本人にスキルがあれば結果的に吉となる可能性もゼロではないですが、採用基準に照らして本人の適性をはかる機会がないため、良い結果が得られにくいのが実情です。
対してリファラル採用の場合、紹介までのプロセスは同じですが、本人のスキルや適正などは通常の採用基準に照らし合わせて判断されるため、公平な採用活動を実施することができます。
リファラル採用は従業員からの紹介であるため、一定水準のスキルが担保されているケースが多く、企業が求める人材ともマッチングしやすいメリットがあります。紹介者とある程度の現場に関する情報交換ができていれば、応募者が入社後に感じるギャップも抑えることができます。
応募者としても、社内に紹介者という知り合いがいることは、働く上での安心につながります。知人ゼロのケースよりも、スムーズに現場に馴染むことができるでしょう。
短期間に仕事に慣れることができれば、離職する可能性も下がります。採用で最も困ることは短期間のうちに辞職されることですから、リファラル採用は、採用活動における大きなリスクを軽減する手段にもなり得ます。
リファラル採用は、エージェントや人材紹介会社を通さずに自社で直接人材を採用できるため、採用コストの削減につながります。また、紹介者から事前に事業内容や社風、企業の方針などが共有されていれば、説明会などを開催する手間も省けます。
もちろん紹介者へのインセンティブを検討する必要はありますが、他の採用手段と比較してもリターンの高い投資になるはずです。
人材採用といえば、新卒採用や中途採用など応募者が顕在化されている市場にて、他社との人材獲得競争をしなければなりません。
ですが、リファラル採用の場合は潜在的な人材とコンタクトを取れるため、転職市場の外側での人材採用を可能にします。
他社から人材を取られてしまう可能性が他の採用手段に比べて低いため、じっくりと人材に向き合う機会を作ることができます。
リファラル採用では、転職市場の外から人材にアプローチできる手段ではありますが、候補者には今すぐ転職したいという要望があるわけではないため、採用までに時間がかかるケースがあります。
紹介を受けたとしても、すぐに採用が決まることは少ないため、継続的にコンタクトを取る必要があります。思いどおりのスケジュールにならないデメリットがあります。
リファラル採用は紹介者を通じた採用活動になりますので、紹介者と応募者両方への配慮が必要です。紹介といっても面談を通して不採用になる場合もありますから、その場合の紹介者へのフォローは欠かせません。
また、入社後の人員配置についても、紹介者と応募者を近くにするのか離すのかは慎重に検討する必要があります。紹介者が辞職した場合、応募者が一緒にやめてしまう事態も可能性としてはゼロではありません。
リファラル採用は紹介から採用につなげる方法であるため、中には縁故採用と捉えられてしまう場合があります。勘違いされたまま採用が進むと、応募者が現場に入った際に、他の従業員から受け入れられない恐れも出てきますので、社内周知は丁寧におこなう必要があります。
エージェントや人材会社に採用を委託していれば、採用の進捗や成果は業者側から提供してもらえますが、リファラル採用の場合、自社で全て管理する必要があります。
だれの貢献度が高いのか、紹介に協力的な部署はどこか、リファラル採用は他の採用より成果を挙げられているのかなど、効果検証ができるよう採用状況を可視化することが大切です。
リファラル採用はマッチング精度の高い人材を獲得できる手段ではありますが、そもそも従業員が紹介してくれなくては始まりません。
採用プロセスの仕組みを構築し、従業員へ制度の存在を周知する必要があります。気軽に制度に取り組んでもらえるよう、分かりやすい仕組み作りが重要になります。
リファラル採用では、紹介者にインセンティブを用意するのが一般的です。報酬がある方が積極的に活動してもらいやすくなり、広告を出すよりもコストパフォーマンスを高められる可能性を秘めています。
リファラル採用を増やすには、社内告知を効果的に実施することが大切です。継続的に告知すること、メールや社内広告など複数の方法で告知することなど、従業員の理解が進むよう工夫することが大切です。
紹介したい人材がいる場合に、採用プロセスが不明瞭であり、問い合わせ先がわからなければ、リファラル採用は進みません。
専用ツールなどを導入するなどして、気軽に紹介できるよう心理的なハードルを下げることが大切です。
リファラル採用にかかる費用としては、インセンティブ・会食費用・ツール導入費用の3つが主なものになります。
インセンティブについては採用決定時に数万円、紹介しやすいよう会食費用として数千円、専用の管理ツールを導入するならその運用費用がかかります。
リファラル採用のメリットや運用のポイントについて解説しました。リファラル採用は、マッチング精度の高い採用方法であるため、効果的な活用ができれば、優秀な人材の確保と定着率の向上につながります。
記事内でご紹介したポイントを参考に、今後の採用活動にお役立てください。
配信元:日本人材ニュース
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