接客サービス/CS向上

元・ホテルマンに学ぶ、「美しいお辞儀」の作法

ホテルで働く方々は、接客サービスのプロ中のプロですね。そんな「最高級のおもてなし」を日々現場で実践していた元・ホテルマンの方に、「お辞儀の作法」について伺いました!

目次

お辞儀のいろいろな種類と使い分け方

お辞儀は主に、頭を下げる角度や、お声がけをしながら礼をするかしないかによって分類できます。

(1)会釈 ......腰から上体を15°ほど倒す礼

社内や廊下、エレベーターなどで、お客さまや目上の方にお会いしたときなどに行う礼です。
視線は相手のウエストあたり、3メートル先を見るようにします。

(2)普通礼 ......腰から上体を30°ほど倒す礼

お客さまや目上の方のお出迎えやお見送り、名刺交換や自己紹介などのときに使う日常的な礼です。
相手が自分より深く頭を下げた場合には、それ以上に頭を下げます。
視線は相手のひざあたり、1.5メートル先を見るようにします。

(3)最敬礼 ......腰から上体を45°ほど倒す礼

最も丁重なお辞儀です。強い感謝の意をお伝えしたいときや、お詫びのときなどに使います。
視線は相手のつま先あたり、0.5メートル先を見るようにします。

(4)同時礼 ......お声がけと一礼を「同時に」行う

「ありがとうございました」「いらっしゃいませ」などのお声がけと同時に頭を下げる、略式の礼です。

(5)分離礼 ......お声がけと一礼を「別々に」行う

お客さまと目を合わせてお声がけをした後、一礼します。「語先後礼」とも呼ばれる、丁重な礼です。

お辞儀をさらに洗練させる! ワンポイントアドバイス

● 首だけを曲げない。

● 相手と目を合わせてから、ワンテンポおき、姿勢を正してからお辞儀する。

● 手は前に組まず、身体の横につける。指先も、背筋と同じように伸ばす。

(女性の場合は、指先を腿のあたりで揃えると、さらに美しく見えます。)

● 相手よりも深く頭を下げるようにする。

● 頭を下げたら一度止めて、ゆっくりと元に戻す。動作の始まりと終わりはしっかり、丁寧に。

さらに、ワンランク上の洗練されたお辞儀をする、こんな心がけのポイントも伺いました!

● 忙しいときこそ、余裕を持って。相手の目を見て、丁寧にお辞儀をする。

● 相手がこちらに気づいていない場合も、「気づいてもらうために」お辞儀する。

「少しだけ大きめに動く」くらいが、ちょうどいい

自分が思っているよりも、自分の身体は動いていません。かなり頭を下げているつもりでも、それほどではなかったり、背筋や指先を伸ばしているつもりでも、そうでなかったり......。

自分の姿を自分で確認できない分、少し大きめに動作をすることも、美しいお辞儀のコツなのだそうです。

「最敬礼」で怒られた......なぜ?

お話を伺った元・ホテルマンの方は、お辞儀のコツのほかに、こんな失敗談も教えてくれました。

――高級ホテルに勤めていたのですが、接客マニュアルでは『お客さまがいらしたら、最敬礼でお迎えする』と学びました。そこで私は、初めてお越しくださったと思しきお客さまに、感謝と歓迎の意を込めて『最敬礼』でお出迎えしました。でも、なぜかお客さまには満足していただけなかったんです。

後からわかったのですが、そのお客さまは初めての高級ホテルにたいへん緊張されていて、格式ばった最敬礼を受け、食事もゆっくり楽しめないほど緊張してしまったんだそうです。当時の上司からは、『お客さまを緊張させてどうする!』と、叱られてしまいました。――

お客さまの様子を的確に見抜き、臨機応変に対応することも、ホテルでのお仕事のひとつだったのですね。

「お客さまに、最高の心地よさを提供すること」に真摯な、ホテルならではのエピソードです。

状況を判断しながら、「お辞儀の使い分け」を学ぼう

このお話から、お辞儀ひとつでも、やり方を適宜変えることが必要だということがわかります。

重要なのは「マニュアルを鵜呑みにせず、自分で場の状況を判断して、最適の行動をすること」です

お辞儀ひとつでも、相手に伝わる印象や好感度は大きく変わります。
「この人のお辞儀、何だかきれいだなあ」と思ったら、ぜひ、その人のふるまい方を真似してみましょう!

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