株式会社インソース総合研究所

「経営リーダーを目指すあなたへ――MBAという学び」~神戸大学MBA教授に魅力をインタビューしました!

本コラムでは、MBAの魅力、そして神戸大学MBAならではの特徴について、そしてこれらのエッセンスを詰め込んだ「神戸大学MBA教授陣に学ぶ経営学の実践知」~東京・有楽町開催(10~12月開講)について、実際に、神戸大学経営学部で教鞭を取る宮尾学教授にお話をうかがいました。

ぜひ、以下の動画を再生し、インタビューの音声を聞きながらお読みください。

Q1:MBAではどういうことを学ぶのですか?マネージャー、リーダーがMBAを学ぶとどんなメリットがありますか?

MBAは「Master of Business Administration」の通り、ビジネス・経営の管理についての学位を取るというのがもともとの意味であり、経営に様々なことを学べるプログラムです。神戸大学MBAでは、マーケティング、テクノロジーマネジメント、人材マネジメント、財務・ファイナンス、戦略といったコア科目を横断的に学び、現場の経営に活かしていただくことを行っています。

A.標準言語となっている経営知識を、あらためてしっかりと身に付けられます

経営や経営学の世界では、当たり前となっている知識がいくつかあります。

例えば、マイケル・ポーターの5フォース分析や、戦略論で良く使われるSWOT分析など、経営を推進するうえでは、必ず知っておいて欲しいことがあります。こういった知識は、ビジネス界でも標準言語になりつつありますが、まだまだ知らない人がいたり、知っていてもうまく使えていなかったりという人がいます。それを、あらためてしっかりと学ぶことができるのが、一つ目のポイントです。

A.ビジネスの複雑な問題を、うまく要素に分解して整理するのに役立ちます

現場でぶつかる問題は、複雑に絡み合っている事が多いですが、経営学・MBAで学ぶ知識が、こういった問題をうまく整理するのに役立ちます。

MBAでは、問題の本質を理解したり、問題を整理したりするのに使いやすいフレームワークをたくさん学びます。そして、複雑な問題というのを、このフレームワークを使って、うまく要素に分解することで、問題解決の方法をみんなで議論したり、ブレイクスルーを生み出したり、などができるようになります。

Q2:「神戸大学MBA教授陣に学ぶ~経営学の実践知」はどういうプログラムですか?どのような特徴がありますか?

A.30代~40代のビジネスパーソンが直面しやすい、自己流の壁を打破するプログラムです

30代から40代ぐらいのビジネスパーソンを主なターゲットとしています。

今まで上司の指示を受けながら自身の仕事を遂行することが主な役割だった立場から、周りの人と協働しながら、自らが責任を持って人を巻き込む立場となっていく年代です。このようなときに、今まで自己流で行ってきたやり方を一度整理したうえで、経営学で広く知られている知識を学び、さらに、自らの知識・経験とうまく組み合わせることで、マネジメントをアップデートできるようになります。

本プログラムは、まさにそうした方々にぜひ受講いただきたい内容となっています。(※役員・部長、50代の方々など、こういった知識を得たい方に、年代問わず幅広くご受講いただいております)

A.神戸大学で培ってきた、MBAを学ぶための効果的な方法が詰まったプログラムです

神戸大学MBAは、このようなビジネスパーソンに学んでいただくということを30年くらいやってきています。その中で、効果的な型というのが見えてきて、それが「科目の全体像を学ぶ(オーバービュー)」「トピックを掘り下げる(コア)」「ケーススタディーを行う」という流れです。

これを、10月から週末の金曜日(半日)に、気軽に学べるように組み直したものが、本プログラムの大きな特徴となっています。つまり、神戸大学で培ってきたMBAの知識を学ぶ効果的な方法が、コンパクトにまとめてられています。しかも、MBAのエッセンスとなる項目を10科目選んでいるので、これらを学ぶだけでMBAの全体を学ぶことができます。

Q3:本プログラムの10科目すべてを受講したら、また、MBAを学んだらどのような変化が得られますか?

A.経営学の様々な知識を、科目ごとのぶつ切りではなく、統合して理解することができます

実際に、昨年受講した方々など、非常に多くの学びがあったという声をお聞きしています。まず、全て受けることがオススメではあります。10科目全てを受講することで、経営学の様々な知識を体系的に学ぶことができます。

例えば、マーケティングと戦略は、違う科目として教えていますが、実はここがつながっているとか、イノベーションとマーケティングの関係とか、新しいことをやろうとしたときに、人的資源管理や組織行動論の知識が活用できるとか、色々な科目がお互いに関わり合っていることを体系的に学ぶことができます。1つ1つの講座でも学びは十分にありますが、全てを学ぶことで、これらを統合的に理解できるという良さがあります。

A.「知的なタフさ」が身に付く、「思考の柔軟性」が得られるという声が多いです

これまで、神戸大学のMBAを受講した方々の声でよく聞くのは、まず「たくましくなる」ということです。多くの課題をやったり、ディスカッションを行ったりすることで、知的にすごく鍛えられるということです。そのため、実際に現場で難しい問題にぶち当たったとしても、しっかり考えてなんとか答えを出そうとできる、そういった「知的なタフさ」みたいなものが身に付くというのをよく聞きます。

もう1つは「柔軟性」が上がったということをよく聞きます。仕事をしていると、今の仕事や会社のことに詳しくなるというのは当然あると思います。ただ、この場合、他の会社のこととか、いつもと違う仕事だとかは、よく分からないまま、自分の仕事に没頭することになると思います。そうなると、何か新しい問題にぶち当たったときに、自分の持っている狭い視野でしか、なかなか考えることが難しいということに陥りやすくなります。

ですが、MBAで様々な科目を学んでおくと、この問題はこんな角度でも考えられるな、などの柔軟性が身につくと、よく聞きます。こういった効果を、本プログラムを受講いただくことで感じてもらえると思っています。

Q4:それぞれの科目で学べることやその科目の面白さ、担当する講師の特徴などについて教えてください

<1>戦略論~経営の意思決定を左右する、近年の戦略と価値の本質

戦略は経営学の基本というイメージがあります。20年前と今ではどんな風に戦略論で学ぶ内容が変化しているのか伺いました。

A.経営戦略論のベーシックな知識を含め、戦略を楽しく多面的に学んで欲しい

20年経って変わっているかというと、先ほどご紹介したマイケル・ポーターの5フォースなどは、1970~1980年代のコンセプトなのですが、未だに使える理論と言われています。そういった意味でも、経営戦略論のベーシックな知識を、まずしっかり学ぶのは非常に大切なことだと思っています。そして、こういった基本をしっかりと学べるのが原田先生の授業だと思っています。

原田先生は、MBAでも戦略論を毎回楽しそうに教えていて、受講生を巻き込むのが非常に上手い先生です。最近だと、中国の古代思想とか、そういったことにも感心を持っている思想家でもあるので、そういった多くの側面からも戦略を語っていただけるのではないかと思います。

昨年のケース討議でも、OODAループを実際に体感する演習で参加者がチームごとに競い合うなど、アクティブな講義風景が見られました。

▶2025/10/10(金)戦略論:経営の意思決定を左右する、近年の戦略と価値の本質

<2>人的資本経営~競争優位の源泉としての人的資源管理

人的資本経営は昨今よく聞く言葉です。そこで人事部以外の方が受講したら、どういうメリットがあるか伺いました。

A.全ての企業人に、ビジネスを推進するために最も重要な「人」についての見方を深めて欲しい

企業の競争力や、何か新しいことをしたり、新しいアイデアを生み出してビジネスをこう大きくしていったりする上で、「人」が最も大事なものと言われています。そういう意味では、単に人事部が人のマネジメントを考えるためだけでなく、企業で仕事に携わっている人、全ての人が学ぶべき科目だと思っています。

庭本先生は、人的資源管理の専門家でいらっしゃいますし、企業における人の営みに対する優しい眼差しを持っていらっしゃる方です。ですので、単にこういう風にマネジメントするといいということではなく、企業における人の働き方を考える上でのものの見方なども、しっかりと学ぶことができると思っています。

昨年の研修は、主に人事担当の方を中心に実は1番多くの方が受講した科目の1つともなっています。是非、今年は、現場でマネジメントをしている多くの方に学んでいただきたいテーマの1つでもあります。

▶2025/10/17(金)人的資本経営:競争優位の源泉としての人的資源管理

<3>イノベーション戦略~コア・コンピタンスを最大限に活かす、両利きの技術経営

イノベーションという言葉を聞くと、運だとかカリスマが重要な気がしてしまいます。そこでイノベーションがうまくいく方程式といったものがあるのか伺いました。

A.イノベーションの確かな方程式はありませんが、学ぶべきヒントはたくさんあります

成功の方程式があるかと言われると、こうすればうまくいくというのはなかなか難しいと思っています。運とかカリスマなどは、例えばAppleのステーブ・ジョブズなどをイメージすると思いますが、そのようなイノベーターがどういう人かという研究は実際にあり、どういう人がイノベーションに向いているというのはあります。ですが、向いていない人がイノベーションを起こせないというわけではなく、こういうところに気をつけるとか、技術を使うとか、お客さまの声を拾うなどをすれば、新しいことが推進できるという、ある程度方程式と言えるようなものはあります。

あとは、逆にこれをやってはいけないというのもあります。そういったことをしてしまうと、組織の中で、イノベーションに対する反発が起きるというようなことで、こういったこともしっかりと学んでいきます。

本講座を担当する宮尾先生は、本プログラム全体のプログラムディレクターを務めています。専門はイノベーションマネジメントで、人はどういう風にイノベーティブな活動をするのかとか、イノベーションを実現するために、組織の壁をどのように乗り越えれば良いのかといった研究・調査をしています。

もともと、企業で製品開発の仕事をしていた経歴を持っているので、そういった視点からも学びをお伝えいただけるかと思います。

本講座は、ものづくりに関わる業界の方には特におすすめの科目です。あとは、最近はやはりサービス業などでも、新しいことしないといけないという風潮は非常に大きいため、業種・業界に関わらず、ご参加いただければと思います。

▶2025/10/24(金)イノベーション戦略:コア・コンピタンスを最大限に活かす、両利きの技術経営

<4>マーケティング~不確実性の価値を取り込むエフェクチュアル・マーケティング

SNSマーケティングなど、非常に変化の激しい分野ですが、学んだ理論が陳腐化するようなことはないのか、聞いてみました。

A.マーケティングの変化に振り回されず、理論の本質を捉えながら最新の知識を学んで欲しい

確かに、マーケティングの世界は、新しいものがどんどんと出てくる世界ではあります、SNSや、もっと広く言えばデジタルトランスフォーメーションなどですね。マーケティングのデジタル化はどんどん進んでいるという側面はあります。

ただ一方で、その本質はそれほど変わっていないというのもあります。企業が出した商品やサービスに、お客さまがどのように反応するかという考え方をすれば、マーケティングの本質は、本当は変わらないと言えます。栗木先生の授業では、そういったことから最新の事例まで学ぶことができる内容だと思います。

栗木先生は、神戸大学MBAのプログラムの中でマーケティングの科目をずっと担当されてきた方です。私も少し授業を見学させていただいたことがありますが、色々な事例を取り入れたり、受講生の質問にも色々な視点でうまく答えてくれたりと、マーケティングを学ぶには最高の先生です。

栗木先生は、著書もたくさん書かれているので、インソースの有楽町セミナールームにも、実は書籍を何冊か置かせていただいていたりもしています。

▶2025/10/31(金)マーケティング:不確実性の価値を取り込むエフェクチュアル・マーケティング

<5>ビジネスエコノミクス~経済学の分析モデルを企業経営の意思決定に活用する実用的知見

ビジネスエコノミクスは今回追加になった新設科目です。ミクロ経済学やゲーム理論を学ぶと伺っていますが、ビジネスにはどのように生かされている分野なのか伺いました。

A.経済学を学ぶことで、合理的な判断のパターン・打ち手を整理できるようになります

ビジネスエコノミクスは、「経済学の考え方を、経営に応用する」ことを追求する学問です。経済学と経営学は何が違うかということをよく聞かれますが、経営学は、心理学や社会学、経済学などの応用学問という位置づけですので、逆に言えば、ここで学ぶ経済学は、経営学の基礎を支えている学問の1つということになります。

経済学では、人間の行動を経済的価値の方面から説明するようなことをします。例えば、人間は「自分が1番得をするように行動をする」という仮定を置くことで、組織の行動とか、世の中の複雑な現象をシンプルなモデルに置き換えて捉えることができます。例えば、人間は報酬が欲しいとか、こっちがお得だと感じるとか、様々なケースを経済的な原理を使ってシンプルに理解するという、非常に勉強になる学問です。

ここではゲーム理論を1つのテーマとして取り上げますが、人間の行動とか企業同士の競争を考える際に、相手がこのような打ち手をしたら、次の人はこういう打ち手をするはずだといったことを考えます。つまり、皆が合理的に考えるという仮定を置くことで、どういう打ち手が最適かみたいなことを考えるのですが、例えばマーケティング戦略とか、人と人との交渉などにも、こういった考え方は役立てていくことができます。

▶2025/11/07(金)ビジネスエコノミクス:経済学の分析モデルを企業経営の意思決定に活用する実用的知見

<6>財務会計~ビジネスパーソンの共通言語である財務諸表の理解と分析

財務会計は難しいと苦手意識を感じている方がMBAでも多いそうですが、皆さんそれをどうやって克服されているのか伺いました。

A.財務会計が難しいと思っている人にこそ、是非、この研修を受けて欲しい

そういった声は、神戸大のMBAでも良く聞きます。難しいと思う人も多いのですが、その不安をうまく受け止めてくれるのが、本講座を担当する北川先生の良さだと思います。実際に、私がMBAの授業でやっているプロジェクト研究でも、財務分析の知識が必要なところで北川先生に1コマ授業をお願いしています。そこで、コンパクトに財務分析のエッセンスを上手く教えてくださっているので、受講生からも非常に評価が高いです。

財務会計は、苦手意識のある方も多いですが、やはりこういう機会にしっかりと学んでおくことで、どこにいても通用する経営の基礎知識になります。企業で働いている方はどんな人でも、学んでおいて欲しいと思います。

本講座は、初学者にも学び易い構成としているので、是非安心してご参加ください。また、実際の企業が開示した財務諸表も用いて簡単な企業分析を行いますので、持参物のご依頼ですが、エクセルや電卓などの計算ができるソフトが入った、Wi-Fiのつながるパソコンをお持ちいただきますようお願いいたします。

▶2025/11/14(金)財務会計:ビジネスパーソンの共通言語である財務諸表の理解と分析

<7>ファイナンス~企業価値向上に不可欠なファイナンス的思考

財務会計とファイナンスの違いや、ファイナンスはどういう方が学ぶと良いのが伺いました。

A.未来志向のお金を考えるファイナンスの理論を、緻密なプログラムで分かり易く伝えます

まず、財務会計もファイナンスも、企業のお金のことを考えますが、財務会計は、今までの成績表をしっかりと分析する学問です。ファイナンスはそのお金をベースにしながら、将来に向かって、どういった投資をしたら、その企業価値が最大化するのかという、未来志向のお金の話です。

ファイナンスの授業では、企業価値とは何か、どう理解するのかという基礎的なことを学びます。そして、プロジェクトの投資をした時にどれぐらいリターンがあるかのようなファイナンスの重要なコンセプトや、ROEなどの指標についても、そもそもこういった指標にどのような意味があるのかなどをしっかりと学んで、企業価値を最大化するための未来志向のお金の使い方について理解を深めていただきます。今までの成績評価が財務会計で、ここから先、そのお金使ってどうするのかがファイナンスというイメージです。

昨年の森先生のご講義でも、イラストがたくさん入った資料で、ファイナンスの難しい概念を説明され、非常に理解しやすかったです。森先生は授業に対するこだわりが強くて、これをこの順番で教えようみたいなことを、本当に緻密に考えていらっしゃる方です。非常に分かり易い授業ですので、是非ご参加いただければと思います。

▶2025/11/21(金)ファイナンス:企業価値向上に不可欠なファイナンス的思考

<8>組織行動論~多様性を活かし、成果を生み出すインクルーシブ・リーダーシップの実践

組織行動論では「組織の中の人間の行動」を扱います。行動経済学や心理学などの分野に関係があるのかや、どのようなことを学べるのか伺いました。

A.企業人が常に考えている「組織」と「人の行動」の関係をテーマにした、非常に面白い学問です

心理学の分野に関係があるというのが的を射ています。組織の中の人々の行動というのは、例えば、報酬だとかに対してどのように動機付けをされて行動するかとか、上司と部下の関係の中で、上司がどのような働きかけをすれば部下がやる気になるのかとか、そういったモチベーションとかリーダーシップなんかを扱うのが組織行動論の重要なトピックです。そのためベースとなるのは心理学であり、人の心理というものを考えながら、どのように人の気持ちや行動を仕事に向けていくか、というようなことを考える学問です。

あとは、神戸大のMBAを受講した生徒さんたちの中でも、組織行動論が面白かったという人が非常に多いです。仕事をしていると、組織の中の人の関係というのは、最も悩みの多いテーマだと思います。そこに対して、なんらかの答えを出してくれるのがこの授業だと思います。

砂口先生は、神戸大の中でも若手のホープと言われている先生で、実際にMBAでも講座を持っていますし、組織行動論について色々と知見を持っていらっしゃる方ですので、是非学んでいただければと思っています。

▶2025/11/28(金)組織行動論:多様性を活かし、成果を生み出すインクルーシブ・リーダーシップの実践

<9>交通論~交通サービスの特徴とコロナ禍の需要予測からの議論

交通論は新設科目で、これまでの科目と少し特色が違う科目です。率直にどういうことを学ぶのか教えていただきました。

A.観光・街づくり、地方創生などにも、是非「人の動き」を考える交通論を学んで欲しい

交通論は、「交通」という1つの事業のことを考える分野なので、すごく変わった捉え方をしています。例えば、航空、鉄道、道路、運輸のようなことを扱いますが、経営学でも珍しい学問です。それが、神戸大学では、伝統的に学ばれていて、研究もされているということになります。

ポイントは、交通需要に対して、輸送という財を販売するのが交通事業ですが、他のサービスと大きく異なる点が、持って行ったり運んだりができない、必ずその場で提供しなければならないということです。そのため、他の事業以上に需要をうまく予測して、どういう風に人が動きたい・動くから、ここにこの交通手段を提供しよう、ということをしっかりと考えなければならないのです。需要と供給の関係を、経済的な理論などもしっかりと使いながら、計画していくというのが交通論の考え方です。

例えば、観光・街づくりとか、地方創生とかを扱っていらっしゃる方などにも受けていただきたいです。鉄道事業者、交通事業者の方にももちろん受けていただきたいですが、街の賑わいとか、そういったことを考えるうえで、人がどう動くかというのは非常に大事だと思います。そういったことを考える、珍しいけどベーシックな学問ですので、是非、色々な事業者の方に受けていただきたいと思います。

▶2025/12/05(金)交通論:交通サービスの特徴とコロナ禍の需要予測からの議論

<10>経営倫理~企業とビジネスパーソンが持つべき「責任という倫理」

「倫理」というと、人として備えている道徳心と理解できますが、あえてそれをMBAで学ぶ意義を伺いました。

A.経営倫理は、社会や企業、個人の関係やつながりを考える、コア10科目の中でも最も重要なプログラムです

まず、私たちのMBAプログラムも、しっかりと運営されているかを認証機関から認証を受けないといけないというのがあります。実は、その中で、認証機関から経営倫理を教えているかということがチェックされるということがあります。それくらいMBAプログラムにおいて、この経営倫理というのは重要な科目ということです。昨今、色々な企業の不祥事がニュースなどでも聞こえてくるわけですが、そういったことをいかに防ぐかを考えるのが、経営倫理の基本となってきます。ただ、こういうこと学べば良いというようなものはあるのですが、簡単に答えが出ないというのも経営倫理の難しいところです。

國部先生の授業では、そもそも企業を運営する上での責任とか、哲学的な問いにまで遡って、しっかりと倫理のことを考える授業になっています。そのため、少し難しいところはあるかもしれないですが、あらためて何のために自分たちは仕事をしているのかとか、そういったことも棚卸しできるような研修になると思います。

昨年受講いただいた方も、哲学にまで踏み込んだ内容で、経営・倫理の本質を考えられた、色々なことを深く考える非常に有意義な機会となったなどの声が多くありました。

▶2025/12/12(金)経営倫理:企業とビジネスパーソンが持つべき「責任という倫理」

Q5:講義についていけるか不安ですが大丈夫でしょうか?受講を検討されている方に、メッセージをお願いできますか?

A.初めての方でも、初めてのテーマでも、是非、心配せずにご参加ください

まず、自身の専門のことだけでなくて、色々なことを学ぶというのが、重要なことだと思います。そして、それがやりやすいプログラム設計をしています。

このプログラムでは、最初にオーバービューでその科目の全体像をしっかりと掴んだ上で、次に1つのトピックに絞って学びを深掘りするというやり方をしています。そのため、初めてこの科目に触れるという方でも、最初のコマで全体像の理解をすることから深めていくことができますので、心配せずに学んでいただくことができます。

A.「経営学発祥の地」で研究を続けている先生たちが、経営学をコンパクトに学べるように考え抜きました

このプログラムは、神戸大学MBAの先生方が経営学のコアとなる科目をコンパクトに学べるように設計しています。神戸大学は経営学発祥の地だと言われています。それぐらい歴史のある神戸大学で、経営学を研究している人たちが、自分たちの知識をできるだけ皆さんに分かりやすい形で伝えようという風に考えたプログラムです。

幅広いビジネスパーソンに、ぜひ学んでいただき、普段悩んでいることなどをこの場に持ってきて一緒に考えられるような、そういう場になれば思っています。

本記事でご紹介した、10科目の研修一覧

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