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課長に求められる「リスク管理」

仕事にトラブルはつきものです。課長は、課で起きたトラブルを引き受け、片づけていかなければなりません。課長が絶対しなければならない仕事の一つ、それが「リスク管理」です。

■「リスク管理」とは？

「リスク管理」とは簡単に言えば、以下の３点です。

１．業務において発生しうるトラブルを事前に把握すること。
２．それが発生しないよう予防策を講じること。
３．それが発生した場合に、迅速かつ適切な行動を取れるよう、予め手順
　　やルールを決めておくこと。

いわゆる「新任課長研修」は、労務管理に関する内容が含まれているものです。労務管理も一つのリスク管理ですが、現場で起きるトラブル・ハプニングには、これ以外のものもたくさんあるので、些細なことから重大なものまで、あらゆる事態を想定しておく必要があります。

リスクに限りませんが、アイデアを出す時は衆知を集めることが一番です。自分の経験だけでは想像が及ばないことは、先輩課長の話から学ぶことが最も有効です。

■インソースの「リスクマネジメント研修」

企業もしくは組織のリスクを予防し、実際にリスクが発生した際に適切な対応ができるようにする研修です。

世の中が複雑かつ多様化したことで、将来が不確実になるほど「○○リスク」という言葉が多くなります。その中で各組織には、リスクの洗い出しが的確に行われ、どれが一番順位の高いリスクかを明確にすることが求められています。

１．リスクの洗い出し

まずは、「自分たちにとってのリスクは何か」ということを明確にすることが必要です。研修前、受講者の方に「事前課題」というアンケートに、業務およびリスクについてご記入いただきます。

２．リスクの「優先順位」を検討

研修では、その「事前課題」を活用して、優先順位が高いリスクについてグループワークで検討します。座学だけでなく、演習問題、グループワークの時間を多く取ることで、実践力をつけていきます。

当社はこれで、リスクマネジメントの７～８割は解決する、と考えています。リスクが整理されれば、対策はおのずと出てきます。

３．「リスクが発生した場合に、どのような対応を行うべきか」を検討

グループワークの特徴は、"３人寄れば文殊の知恵"と言われるように、チーム全員の知恵を結集し、組織的に問題解決を行います。どれほど優秀な社員でも一人でできることには限界があります。「問題解決を組織的レベルで行う意識を持つ」ことが大切です。

ワークでは、「リスク発生直後の対応」のマニュアル作成について考えます。マニュアルは対応策を絞り込んで書き、分量は、最大でも１ページにまとめると良いです。なぜなら人間の記憶能力では、１ページ以上の内容は覚えられないからです。また、緊急時に「あれも、これも」と対応することは難しいです。

４．トラブル・リスクを発生させないための工夫

「リスク対策会議」ワークでは、組織的な「リスクの洗い出し・評価」をした上で、最も優先順位の高いリスクについて、予防策として、企画書を作成していただきます。

■リスクマネジメントのコツ

リスクマネジメントは、自社でも研修を行うことは可能ですが、外部の第三者からチェックを受ける必要性があります。身内だけの場合、見えるものも見えなくなってしまうことがあるからです。多面的にリスクを見ることは重要です。自分の部署だけでなく、他の部署、または他社の人等、違った視点を持つ人と一緒に研修を受けると、今まで見えなかった事柄が見えてくる、という効果もあります。

また、リスクマネジメントの内容は、定期的に見直す必要があります。時々、方法を変更することがコツです。リスクマネジメントは１回行ったら終わりではなく、定期的に見直す必要があります。研修も１回だけでなく、１年に１回など、定期的に受講されている組織の方々もいらっしゃいます。

リスクマネジメント手法に慣れると、皆さん飽きてきますので、研修は毎回同じ進行ではなく、時々方法を変えることがコツです。