2021年12月20日
日本生産性本部が実施した「第7回 働く人の意識調査」によると、ジョブ型雇用を希望する人が64.9%となり、メンバーシップ型雇用を希望する人を上回ったことが分かった。
ジョブ型雇用を「仕事内容や勤務条件を優先し、同じ勤め先にはこだわらない」、メンバーシップ型雇用を「同じ勤め先で長く働き、異動や転勤の命令があった場合は受け入れる」として、希望する働き方を聞いたところ、ジョブ型が 64.9%、メンバーシップ型が 35.1%となった。
ジョブ型を希望する人の割合を従業員規模別に見ると、100人以下では69.1%、101~1000人では68.8%と7割近くとなった。一方、1001人以上の大企業では47.3%で、メンバーシップ型を希望する人の52.7%を下回った。
自分自身のキャリアプランを持っているかを聞いたところ、「特に考えていない」が 68.2%、「大まかなキャリアプランを思い描いている」が 26.4%、「明確なキャリプランを思い描いている」が 5.5%となった。
キャリアプランの有無別に希望する働き方を見ると、「明確なキャリアプランを思い描いている」人の53.3%がメンバーシップ型を希望する一方、「大まかに思い描いている」人の 61.4%、「特に考えていない」人の67.7%がジョブ型を希望している。
仕事能力を高めることについて、誰が最も責任を持つべきかを聞くと、「働く人自身」(48.1%)で最も多く、次いで「勤め先」22.3%、「政府(国)」4.4%、「学校・大学等の教育機関」2.4%などとなった。
「働く人自身」と回答した人の割合は年代によって大きく異なり、20代では35.2%に対し、30代42.8%、40代52.0%、50代48.7%、60代55.9%、70代以上67.9%と、高い年代で自己責任と考える割合が多くなる。
「特に仕事能力を高める必要があるとは思わない」と回答した人は22.7%。20代で31.9%、30代で25.5%となっていることについて、日本生産性本部は「懸念される」とコメントしている。
時差出勤やテレワークの活用など「柔軟な働き方」の実施状況を聞くと、「自宅での作業」(19.8%)、「時差出勤」(15.1%)、「短時間勤務」(13.5%)などが挙げられたが、2021年7月調査と僅かな変化にとどまり、実施率に統計的有意差があったものはなかった。
2020年7月調査以降、テレワーク実施率は、新型コロナウイルスの新規感染者数の状況に関わらず約2割と、一定程度定着している。
テレワーカーの直近1週間(営業日ベース。今回調査で言えば一般的には 10月4日~8日)における出勤日数を見ると、週当たり3日以上出勤したテレワーカーは、7月調査の57.6%を僅かに上回り、58.8%となった。
現在の状況について日本生産性本部では「テレワーク実施率以上に実施日数の面からオフィスへの回帰の流れは進んでいると考えられる」と指摘する。
コロナ禍収束後もテレワークを行いたいかと聞くと、「そう思う」と「どちらかと言えばそう思う」の合計は71.6%となり、統計的有意差は無いものの、2回連続で減少している。
調査は、2021年10月11日~12日、20歳以上で日本の企業・団体に雇用されている人(雇用者=就業者から自営業者、家族従業者等を除いたもの)1100人を対象に実施した。
配信元:日本人材ニュース
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