2026年1月28日
令和7年版労働経済の分析(労働経済白書)は、人手不足の労働供給制約下での持続的な経済成長のために①労働生産性の向上②社会インフラ職の人材確保③意識変化への対応が要点と分析している。
今後、一人当たりの実質成長がゼロ、労働参加も現状から進まないと仮定したシナリオでは、2040年の就業者は5.768万人、2022年の就業者数6,724万人と比較し約1.000万人減少。経済成長と労働参加が同時に実現するシナリオでは、2040年の就業者は6.734万人、2022年の就業者数6.724万人と比較してほぼ現状の水準を維持するという推計になる。
日本は持続的な経済成長に不可欠な労働生産性の上昇と相関がある、知的財産・ソフトウェアおよびデータベース・人的資本や組織改編費用など無形資産投資の上昇率が弱い。
我が国は、無形資産投資のうち経済的競争能力のGDPに占める割合が、英国・米国ともに約9%・ドイツ約5%であるのに対して約2%と低く、経済的競争能力の内訳をみると特に組織改編費用の割合が低い。
AIなどのソフトウェアの導入に際しては、導入の変化に対し実際の業務への展開を見据えた効果的な研修やスキル形成の機会を労働者に確保することで、技術導入に伴う不安の軽減を図ることが必要である。
社会インフラ分野において、需要に見合った労働力が確保できない場合、生活に直結するサービス提供が困難となり、生活の質が低下し経済活動に影響がある。現在、社会インフラ関連職の就業者の割合は全体の約35%、新規求職者数は2024年で非社会インフラ関連職の約4割にとどまり、相対的に労働力供給が弱い。
社会インフラ関連職では、スキルや経験の蓄積が賃金に十分反映されていない仕組みとなっており、その傾向は学歴別にみたときにより顕著となる。
前職の退職理由が「賃金への不満」の場合、非社会インフラ関連職が16.9%なのに対して社会インフラ関連職では20.8 %、「労働条件・勤務地への不満」の場合は非社会インフラ関連の17.3%に対し社会インフラ関連では20・9%と、共に多くなっている。
社会インフラ関連職においてもスキルや経験の蓄積に応じて賃金が段階的に上昇する仕組み、すなわちキャリアラダーの構築を進めることが、人材の長期的な確保と育成において重要な要素となる。
日本的雇用慣行の変化や転職市場の拡大、ワーク・ライフ・バランスへの関心の高まりなど、雇用に関する労働者の意識に様々な変化が生じている。
転職希望者数の推移を確認すると、正規雇用労働者では2013~2024年にかけて254万人増加、転職者数は2013~2024年にかけて37万人増加している。転職希望者数は、転職者数を大きく上回っていることが分かる。離職理由は労働条件や仕事内容に対する不満の割合が高い。
フレックスタイム制度・短時間制度・テレワークなど、多様な正社員制度の規定がある事業所の割合をみると2022年度24.1%、2023年度23.5%と導入割合は20%台で推移し、事業規模では従業員数5~29人の事業所で約22%、30~99人で約30%、100~499人で約35%、500人以上では約46%となっており、事業所規模が大きいほど導入割合が高くなっている。
就業を継続できる働き方へのニーズの高まりや、多様な労働時間の選択肢を提供することで人材確保を図ろうとする企業の動きが示唆される。
賃金等の処遇改善に加え、労働者それぞれの意識やライフイベントに合わせた働き方を可能とする柔軟な雇用管理を行い、働きやすい環境整備を企業が進めることは、企業にとっては人材の確保につながり、労働者にとってもワーク・ライフ・バランスのとれた持続可能な働き方の実現につながることが期待される。
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